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<特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
-学名から昆虫を探す-
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『昆虫レファレンス事典』(5月中旬刊行予定)は、41種109冊の図鑑
から延べ57,382件の見出しを収録した総索引です。
チョウ・トンボ・甲虫・クモ・多足類など25,916種の昆虫・ムシ類が
どの図鑑の何ページに掲載されているか一目でわかります。
さて、植物・動物・昆虫などを調べていて、必ずといっていいほど目
にするものといえば、学名ではないでしょうか。
現在、学名は国際的な命名規則に基づいて決定され、表記にはラテン
語が用いられています。
その基礎となる二命名法を体系化したのは、分類学の父と称される
カール・フォン・リンネ(1707-1778)といいますから、学名の歴史も
すでに二世紀半に及んでいるわけです。
昆虫のなかには、日本名でも複数の呼び名をもつもの、地域や成長過
程で名前の異なるものもあります。だからこそ、昆虫について正確に
調べるためには、全世界での共通認識となっている学名の理解が不可
欠といえるでしょう。
例えば、本書でゴボウヒゲナガアブラムシをひいてみると
ゴボウヒゲナガアブラムシ Dactynotus gobonis
昆虫綱双翅目アブラムシ科。体長3.0~3.5mm。キ
ク科野菜に害を及ぼす。北海道, 本州, 四国, 朝鮮半島
南部, 中国, 台湾に分布。
¶学研3(p267/カ写, 129図), 原昆3(p142/カ図, 71図),
農害(p229/カ写)
とあり、属名の Dactynotus は「アブラムシ属」、種小名の gobonis
はあまりに安直な・・・いや読んだままの「ゴボウの」という意味で
すので、「ゴボウのアブラムシ属」と学名が名づけられています。
他にも okinawanus, japonicus などとついた日本に関連するユニーク
な学名が多々あるのが、学名のおもしろいところですね。
本書には写真・図版そのものこそ掲載されていませんが、巻末に付し
た学名索引で同属の昆虫を簡単に調べられるよう編集を工夫していま
す。一例を挙げると、アゲハは Papilio 属ですが、索引には何と100
種類以上もの Papilio 属が掲載されています。
このように、一つの昆虫を見出しで調べて、その後に学名索引を利用
すれば、より深く昆虫の世界に触れられます。
研究から個人愛好者の趣味、夏休みの自由研究まで、幅広くサポート
するツールとして、ご愛用いただければと思います。
(小森)
◆『昆虫レファレンス事典』 2005.5刊
定価45,150円(本体43,000円) A5・1480p ISBN4-8169-1921-X
◆『魚類レファレンス事典』 2004.12刊
定価45,150円(本体43,000円) A5・1340p ISBN4-8169-1879-5
◆『動物レファレンス事典』 2004.6刊
定価45,150円(本体43,000円) A5・920p ISBN4-8169-1848-5
◆『植物レファレンス事典』 2004.1刊
定価40,950円(本体39,000円) A5・1370p ISBN4-8169-1821-3
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