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■╋■╋ スポットライト・コラム
╋■╋ 長い時代が、歴史に変わるとき
■╋ -読書案内『昭和』を知る本
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昭和という時代が語られるのは、何か不思議な感じがします。昨日
が今日は過去になっているような、さっきすれ違った人が思い出に
変わっているような、そんな感覚。
平成になってからもう18年が経つというのにそんなふうに思ってし
まうのは、やはり昭和という時代がとてつもなく長かったからで
しょうか。
日本の元号の中でも最長だった昭和の64年間。昭和は長い時間の中
に様々な面を持つ激動の時代でした。恐慌から太平洋戦争、奇跡の
復興から高度経済成長、そしてバブルの狂乱から崩壊まで…。
昭和後期に生まれた私にとって、戦争は手の届かない昔、バブルの
頃の流行歌は耳馴れた歌。自分が生きた時間と歴史とを一つの時代
として展望するから、どこか不思議な感覚があるのでしょうか。
「読書案内『昭和』を知る本」は、そんな昭和時代を知るための
ブックガイドです。「(1)政治」「(2)社会」「(3)文化」の全3冊か
らの構成で、分野ごとに昭和を象徴する事項・人物・団体などの
キーワードを選び、概要を理解するための解説とより深く知るため
の参考文献を収録しています。
例えば9月に刊行された「(1)政治」では、二・二六事件、GHQ、
吉田茂、55年体制、リクルート事件など218のキーワードを取り
上げ、7,098点の参考文献をリストアップしています。
自分が生きた時間と歴史とが連なる時代として昭和を振り返る人は
多いことでしょう。しかし次第にその人数は減っていきます。
没落と絶頂を繰り返す中で多くのことを教えてくれる長い時代を次
の世代に受け継いでこそ、昭和は確かな歴史となるのでしょう。
平成生まれの中学生・高校生には特にすすめたいブックガイドです。
「(2)社会」は10月刊行、「(3)文化」は11月刊行予定です。
(大橋)
「読書案内『昭和』を知る本」日外アソシエーツ 編
(1)政治―軍国主義から敗戦、そして戦後民主主義まで
2006.9刊 A5・380p 定価7,140円(税込)
ISBN4-8169-1999-6
(2)社会―金融恐慌・闇市から高度成長・バブル経済へ
2006.10刊 A5・390p 定価7,140円(税込)
ISBN4-8169-2000-5
(3)文化―昭和を彩った科学・芸術・文学・風俗
2006.11刊予定 A5・約400p 定価7,140円(税込)
ISBN4-8169-2001-3
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