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     ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ■╋■╋ スポットライト・コラム
     ╋■╋      ― 当時の地域や社会あるいは習慣が彷彿としてくる
    ■╋                     『装いのアーカイブズ』
     ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     著者の平井紀子氏は、本著の「あとがき」にも書いておられますが、
     『服飾史の基本文献解題集-池田文庫(財団法人阪急学園)の服飾関
     係資料-』で、第9回図書館サポートフォーラム賞(2007年)を受賞
     されました。
     その中に掲載・説明されている、図版の数々が、大変魅力的で当時の
     地域や社会あるいは習慣が彷彿としてくるものでした。
     出版のいきさつは、この「あとがき」に譲りまして、ここでは本書の
     読みどころ、と申しましょうか、著者に代わって書いてみたいと思い
     ます。

     著者「まえがき」に触れられていますが、「「衣」というフィルター
     を通して「人間の文化」を見つめなおしてみたいと考えた」という壮
     大(!?)な方針が語られています。著者はその「文化」を、君主・
     皇帝の衣装にはじまって、戦士服・儀礼服・作業服・伝統衣装・スポー
     ツ服と渉猟して、丁寧にほぐしておられます。
     東西ヨーロッパの10~19世紀が対象になっていますが、衣装分類の横
     串の刺し方は、寡聞ではありますが、従来にない試みではないか思い
     ます。長年の服飾専門大学の司書のご勤務で、面白い、魅力ある歴史
     衣装が脳裏に刻まれて本書で、ほとばしりでた、という印象を持ちま
     した。

     カバーの絵柄のひとつは、19世紀後半のイタリアの農婦の冬服、を採
     り上げました。本文では、こう説明されています。
     「ブラウスの衿には細かいギャザーがよせられた機械編みのレースの
     襞飾りがある。袖口にも同じような飾りが見られる。
     機械編みレースは十九世紀初頭に発明された。それまでは、熟練した
     技術をもつレース工が長時間かけて作り出す貴重な装飾品で高価であっ
     たが、機械編みレースができるようになった中期ごろからは、比較的
     安価な機械編みのものが庶民階級に広まった。
     黒いブロケードの上着からは、なかに着ている緑色のリボンで飾られ
     たペトリナ(装飾的な胸飾り)が少し見えている。リンネルのエプロ
     ンには縁レースの飾りがあり、腰には金糸銀糸入りフレンジのついた
     黒の飾り紐を下げ脇で結んでいる。帽子はつばの広い黒いフェルト製
     のものをかぶる。冷たい風や急な雨をしのぐためか。ストッキングは
     仕事用に丈夫にできている。靴は栗色の革靴で赤と青の飾りがある。」
     という調子です。国民性ゆえか、野良仕事でも、優雅さと実質を備え
     たのでしょうか。

     社会背景としては、「早くから各都市が独立国家であったために各地
     方ごとの個性が強く、衣服も地方色豊かなものが着用されていた。多
     くの地方では、日常着と祝祭日に着る衣装とのあいだには大きな異差
     が見られる。また同一地方であるのに全く異なる服型であったり、農
     民の服とは思えないほど優雅なものもある。イタリア衣装のこうした
     特質は、十五、十六世紀の奢侈禁令でいくつかの制限を命じたものの、
     ある程度の装身具や絹とビロードの縁飾りは許されていた。こうした
     影響が伝統的に受け継がれていた。」という説明がなされています。
     アーカイブズの使命は、それを分析することによって社会の有様の再
     生(再現)を担う、と言われるようです。タイトルを、『装いのアー
     カイブズ』とさせていただいた所以です。

     ところで、NHK大河ドラマ『篤姫』は毎週高視聴率のようですが、私は
     平井さんに刺激されて、それぞれの配役の衣装を興味深く見ています。
     著者には、今度は、『装いのアーカイブズ-2』で、日本版を期待した
     い、と思うのは私だけの想いでしょうか。読者の皆様のご感想、お待
     ちいたします。
                             (編集部・朝日)

      ◆ 『装いのアーカイブズ 
         ―ヨーロッパの宮廷・騎士・農漁民・祝祭・伝統衣装』
        平井紀子〔著〕
        定価 3,360円(税込 3,200円) A5・250p 2008年5月刊
            ISBN:978-4-8169-2103-2
            http://www.nichigai.co.jp/sales/2103-2.html

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