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     ■╋■╋ スポットライト・コラム
     ╋■╋   ―パソコンという家電製品との上手な付き合い方
     ■╋                        『ぱそこん力をつけよう!』
     ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     
      本書が刊行されて間もない2007年7月14日、新浦安のホテルで著者主
      催の出版記念パーティーが催されました。総勢50人程度でこころ温ま
      るものでした。
      著者は多趣味なかたで、写真もやられ、そのお師匠さんからも祝辞が
      ありました。日本の農村風景を精力的に写される先生です。
      「お世辞抜きで、よく書けている。自分が困っていること、疑問に思っ
      ていることが氷解した」と述べられ、「著者は、あまりノートパソコ
      ンは薦めていないようだが、こんなおじさんでも喫茶店でノートを扱っ
      ていると、もてるものです」といわれ会場の爆笑を誘っていました。
      
      さて、Amazonなどの書き込みで、本書は、パソコンという家電製品と
      の上手な付き合い方が書かれている」というものを見ましたが、これ
      は言い得て妙、と思いました。
      パソコンは、取扱説明書のない稀有な商品といわれます。さらに、こ
      のハードとソフトのおのおのの説明書きが、英語直訳のオンパレード
      で、意味がよく伝わりません。
      子供はいつの間にか言葉を覚えますが、中高年はこのようなバリアに
      囲まれて、この「家電製品」と付き合わねばなりません。
      著者は自身パソコンの販売を通して、痛いほど中高年がどこでつまず
      くかを知っています。実はその一人が私です。著者に原稿の内容を尋
      ねていったらいつの間にか賢く(?)なっていました。痒いところに
      手が届くように説明していただき、結果が本書に反映されています。
      著者正月返上の一品です。
     
      本文のほかに、注、塾長の教訓、図・イラスト、コラム、索引等、編
      集にも気を使いました。
      著者はこの出版を機に、ブログ「ぱそこん力をつけよう!白鳥詠士著
      公式ブログ」を立ち上げました。パソコン論を超えた、文明論・社会
      批判になっていて興味深いものです。こちらも是非覗いてみてくださ
      い。
                             (編集局・朝日)
     
      ◆ぱそこん力をつけよう!―御仁のためのパソコン活用塾
        <日外選書 Fontana>
       白鳥 詠士 著 定価1,680円(税込) 四六判・230p 2007年6月刊
       http://www.nichigai.co.jp/sales/pc_power.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―信用を得るには100年、失うのは一夕
    ■╋           「企業不祥事事典―ケーススタディー150」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      「信用を得るには100年、失うのは一夕」といわれます。不祥事に
     よって、多くの従業員が路頭に迷います。
      タイトルは、ずばり、企業不祥事事典、といたしました。編集の意
     図は、監修の齋藤憲先生(専修大学経営学部教授)の文章に委ねると
     しますが、この「監修に寄せて」も含めまして、本書のセールスポイ
     ントを幾つか列記したいと思います。
      なお、全体150のケースを載せ、それを、ガバナンス―経営者関与、
     ガバナンス―従業員関与、製造物責任、日本型企業風土、報道機関の
     使命欠如、の5つのカテゴリーに分け、分類しております。

     1)戦後のパースペクティブ、すなわち、この60年余りの我が国の経済・
      産業、企業の発展と紆余曲折の視座のなかで本テーマを捉えていま
      す。日本的経営すなわち、終身雇用・年功序列、品質管理追求とい
      うパラダイムのなか、Japan as no.1 といわれ、その後のいわゆる
       「バブル崩壊」から現在に至る動き、外資席巻やM&Aで受身的対応
      を迫られ、新しいパラダイムを創出しえず、もがき苦しんでいる、
      というこの企業社会の一断面を、いわば「負」の検証から捉えたつ
      もりです。
      巷間には、最近の事例をもとに一方的にスキャンダラスな面を暴い
      たり、来る内部統制の法律に対応の照準をあわせたもの、あるいは
      企業の社会的責任(CSR)の今日的な観点からの分析という本も多く
      見受けられますが、それらを読む上での事実関係の基本的資料とい
      う面も持たせました。

     2)掲げた不祥事の一連を注意深く見ていきますと、いわゆる「内部告
      発」から明るみに出た、ということが分かります。2004年に「公益
      通報者保護法」が公布され、それはいまや、従業員は忠誠を尽くす、
      会社は一生面倒見る、という我が国の成長期経済を支えたスローガ
      ン・終身雇用が崩壊していることの一端が示されているように思い
      ます。現在は会社発展の為の高い規律や企業への帰属意識が持ちに
      くくなっています。
      このような新しい図式のなかでの企業不祥事報道を、忠実に追った
      つもりです。

     3)事後に関係者の処分・報酬一律カット、という横並び的対処や、対
      応を誤り、燎原の火のように事が大きくなっていく様が叙述されて
      います。さらに、不祥事を真摯に受けとめ、あたらしい対応をする
      様も積極的に入れています。
      マイナス情報も含めた徹底した情報開示などリスク回避の具体的な
      方法論を求めるためにも、その道しるべ・リスクマネジメントの手
      段となりうると思います。

     3代に亘ってこの会社に勤めています、と誇らしげに語る従業員に出会
     うことがあります。企業人は「会社のため」に働き、それは一部「エ
     コノミックアニマル」「企業戦士」と揶揄されて今日まで来ました。
     この不祥事からは、確かにそうだと思われるものものから、さらには
     企業人の哀切さまでもが垣間見えます。

     本書によって、企業社会が日本的な企業システムから脱却し、あらた
     なパラダイムに立ち、フェアーな市場において、高い安全意識や規律
     を取り戻すことの一助になればと希うものです。

                            (編集局・朝日)

     ◆企業不祥事事典―ケーススタディ150 <日外選書 Fontana>
      齋藤憲 監修 定価5,800円(税込) A5・500p 2007年7月刊
      http://www.nichigai.co.jp/sales/company_scandal.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―患者としての体験から医療のあり方を再考!
    ■╋                      「からだ、不可解なり」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     印刷会社の担当者に、「編集者はいいよなあ、一つの本を担当すると
     その内容が分かって、知恵がついて」とよく言われます。勿論、その
     担当者だって、校正を読むことが出来るわけですから、事前に内容は
     分かると思います。たぶん彼は、一書の編集の経緯のなかから、得る
     ところが沢山あるのだといいたかったのでしょう。そんな経緯の一端
     を紹介いたしましょう。

     著者・澤井先生と、宗教学者・山折哲雄先生との対談を企画しました。
     こういう、形而上のテーマは、対談や講演録のような生の言葉が理解
     を助けることが多いという判断からです。
     今回も山折先生が抱える問題を上手く引き出していただき、さらに議
     論は東西の文化の深淵にまで及び、碩学、とはこういうご両所のこと
     を言うのかと、同席して思いました。
     こんなくだりがあります。

      山折:万葉集の中に挽歌、死者をいたむ歌がたくさん出てまいりま
         す。それを見るとほとんどの人は、息を引き取ってもう死ん
         だということが確認されると、山の麓とかに放置されるわけ
         です。そうすると体から魂が抜けていって、山頂へ上ってい
         く。そういう信仰がだいたい定まっていたと思います。しか
         しそうする前の段階で、しばらく地上に安置するつまり「も
         がり」という風習がありました。三日、そのままにしておく
         とか、一週間、そのままにしておくとか、そういう前段的な
         儀礼がありました。それは抜け出ていった魂が再び戻ってき
         て蘇生する可能性が期待されているからです。つまり死に至
         るまでの一種の猶予期間です。

     この後、我が国に仏教が入り、霊肉一元論になった、という思想史が
     語られます。

      澤井:例えば胸が痛いとか言う時に、たいていはここ(胸)を押さ
         えますよね。僕は多分、おなかを押さえると思うんです。だ
         から心というものがその人それぞれの意欲とかモチベーショ
         ンとか、そういうものすべてをつかさどる総体のようなもの
         だという気がします。僕の場合、その総体というのは、もち
         ろん呼吸して生きてますけど、これが無いとすぐに死んでし
         まいますから、ここがある意味で、僕の複合的な総体なわけ
         です。

     澤井流の、「心」論が展開されると言う具合です。
     山折先生は浄土真宗の僧侶でもありますが、もうお一方、富岡幸一郎
     先生の推薦文を挙げなければいけません。富岡先生はクリスチャンで
     す。以下のように、キリスト教とアニミズムの示唆をされています。

      およそ「近代」の思考の根底にあるのは、人が「生きなければなら
      ない」という生命至上主義、人間中心主義のヒューマニズムである。
      宗教において、この「ねばならない」という思考はいわゆるファン
      ダメンタリズム、原理主義と呼ばれるものに転化する。キリスト教
      の内にもこのような一神教の原理主義がある。澤井氏が中世・ルネ
      サンスの研究のなかで、アニミズムや魔術思想に深い意味を見い出
      しているのも、一神教の原理主義の「尊大」の危険を十分に洞察し
      ているからであろう。

     あたかもいま流行の歌『千の風になって』の世界も伺えます。

     さて、著者自身は、自著を語る(書評館)で、

      自分のからだについてはわからないことばかり、というのが正直な
      ところです。からだも、心体とかいて、自分で勝手に納得していた
      ころから、「からだ」と平仮名で書いてやっと落ち着きをえる時期
      までずいぶんと日数がかかりました。

     と書かれています。
     これにはちょっと、説明が必要です。
     本書では、こういうように書かれています。

      「からだ」には、病を抱え込みうる物質的な〈肉体〉と、構造性を
      強調する〈身体〉の二つがあるらしい。とすれば、身体障害者とは
      有機的な内外のからだの構造の一部を喪失した者の謂であり、病人
      と身体障害者は違う、と提言する学者の説、それを受容しようとし
      た私の意向が内実を得たことになる。病んでいるのではない自分を
      確認し訴えたかった。(なぜなら、透析時代から移植手術を経ても、
      一部の無知でかつ心ない医療従事者をはじめとして、友人知人のほ
      とんどが私を病人扱いしたからである。闘病生活で大変でしょうが
      頑張って下さい―この種の励ましの言葉を直接かけられたり手紙を
      くれたりした)。
      しかし学者の説を一応納得ずくで採り入れても、あくまであたまか
      らの言葉でしかなく、「からだ」を〈肉体〉と〈身体〉の次元でみ
      ずから捉えきってはじめてからだからの言葉となって、私の内に生
      着した。

     教育、宗教、医療という精神の崇高さが求められる最たるものが現在
     の日本では病んでいると言われます。どうも著者は、みずからのから
     だと引き替えに、徒手空拳で生の論理を弁証しているように見えます。
     これを読者に上手く伝えられるよう編集に腐心したつもりです。碩学
     のハーモニーを堪能してください。
                            (編集局・朝日)

     ●からだ、不可解なり─透析・腎臓移植に生かされて
        <日外選書 Fontana>
      澤井繁男著
      定価1,980円(税込) 四六判・230p 2007年6月刊
      http://www.nichigai.co.jp/sales/karada.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―企画のノウハウの伝承とは
    ■╋                「ビジネス技術 わざの伝承」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     世阿弥『風姿花伝』にこんな一節があります。
     「秘する花を知る事。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、と
     なり。この分け目を知る事、肝要の花なり」
     秘してこそ「花」とでもいうのでしょうか、この「花」に、企画で培っ
     たノウハウを重ね合わせたところに著者の卓見があります。
     従来のマーケティング手法は、現在の市場では効力を失っている、と
     言われて久しいようですが、著者も広告の名門・電通にいて、マーケ
     ティングとは何かを真剣に考えてこられました。その電通は、入社以
     来、徒弟制度さながらだったといいます。この風土や先輩の言をヒン
     トに、企画のノウハウの伝承とはいかにあるべきかを書いたものが本
     書です。

     電通と能の世界、随分と違和感がある、と思われる方も多いのではな
     いでしょうか。普通は、伝統芸能も行き詰まったから、一丁、マーケ
     ティングの手法に学んでみようか、ということなのでしょうが、これ
     は反対を言っているのですから。
     作家になりたければ、まず、好きな作家の文章を写しなさい、と言わ
     れます。構成や言葉の使い方、さらには句読点にいたるまでその作家
     の息づかいが身につくからでしょうか。最初は真似でも、そのうち、
     鴎外でも漱石でもない自分の「文」が出来て来ると言われます。
     ある刀匠は、弟子に向かって、「カラスが白い、と自分が言ったら、
     そう思え」と教えるようです。絶対服従です。この修行を3年もやる
     と、次第に師匠から脱皮して、自らの型が出来てくると刀匠は言って
     いました。

     この方法論はもの作りでは早くから実践されてきましたが、ことソフ
     トに関しては手が着けられていません。
     著者は、方法論の古典『風姿花伝』ならぬ、著者独自による「メソド
     ロジー」という方法論で、伝承の論を具体的に進めています。
     私は初めは、編集者として、意味がよく飲み込めないところもありま
     したが、著者の丁寧な説明と4年をかけた熱気に押されて、随分と理
     解が進みました。
     発想斬新、検証詳細の本書、お奨めです。

                            (編集局・朝日)

     ●ビジネス技術 わざの伝承 ―ものづくりからマーケティングまで
        <日外選書 Fontana>
      柴田亮介著
      定価1,980円(税込) 四六判・260p 2007年5月刊
      http://www.nichigai.co.jp/sales/biz-waza.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―事故の記録を立体的に描く
    ■╋                  「鉄道・航空機事故全史」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     私が小学生の頃、三河島事故、というものが起きました。テレビが家
     に入って数年、いまから思えば映像も粗かったでしょう、しかしアナ
     ウンサーの声と多重事故の映像が鮮明に残っています。
     この事故について、『文藝春秋』の特集(2005.10)で、柳田邦男・
     畑村洋太郎両先生が「三河島事故 過去に学ばない日本人」として対
     談されています。
     内容は、三河島事故は、昭和18年に起こった土浦事故と同じ様相・経
     緯であり、どうしてこれを学ばなかったのか、と両事故のシーンを細
     かく語られています。

     わたしはこの事故を調べていくうちに、『空白の五分間―三河島事故
     ある運転士の受難』という書物に出会い、事故当日、ボクサー・ファ
     イティング原田の世界タイトルマッチがテレビ放映されていた時間と
     関係していることを知りました。その番組を事故現場の近くの人が見
     ていた・・・。その時間帯が裁判の証拠となっていきます。面白い、
     といっては事故に遭った方には申し訳ないのですが、このような経緯
     を事故はみせてくれます。

     そこで一つの事故を、事故の経緯、経過、被害者の数、裁判、碑文、
     参考文献、コラムと立体的に描こうと腐心いたしました。
     第I部はこのような比較的資料のある53件を解説し、第II部では、総
     件数2,298件を網羅しております。
     総説・I部の執筆は、災害情報センターです。読まれれば分かるとお
     り、あらゆる資料を精査して、事故の時間は、分・秒までの記述に
     なっております。
     第II部は、『昭和災害史事典』と『平成災害史事典』が弊社の既刊と
     してあり、これを再編集しております。
     さらに柳田邦男氏の推薦文「水平展開の宝庫」を頂きました。

     この書籍が刊行されて間もなく、JR宝塚線脱線事故の調査に当たった、
     国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、今後トラブルや失敗事例を
     収集し、事故の未然防止に積極的に取り組みたい、国土交通相に建議
     する、としたようです。
     航空分野の収集は進んでいるようですが、鉄道は遅れている、とのこ
     と。本書の活用が望まれます。

     過去に学ばない、台風一過、のどもと過ぎれば、と言う風土が昔から
     言われます。本書が利用されることによって、事故が身近な愛する人
     を奪わないよう、願って已みません。
                            (編集局・朝日)

     ●鉄道・航空機事故全史(シリーズ 災害・事故史 1)
        <日外選書 Fontana>
      災害情報センター、日外アソシエーツ共編
        定価8,400円(税込) A5・510p 2007年5月刊
      http://www.nichigai.co.jp/sales/accident.html

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■「書評館―日外アソシエーツ・ブックレビュー」オープン!!

     日外アソシエーツは、創業以来、書誌・索引、辞書・事典など、所謂、
    「物さがし」のツールを中心に出版してまいりましたが、5月に「日外
     選書 Fontana」というシリーズを創刊しました(フォンターナ=イタ
     リア語で“泉”の意)。

     日外選書 Fontana
      http://www.nichigai.co.jp/sales/fontana.html

     Fontana には、従来の弊社の枠に収まりきらない選りすぐりのテーマ
     の単行本(読み物)も含まれます。お陰さまで、なかなか好評でして
     いろいろな新聞や雑誌などで紹介されました。というわけで Fontana
     以外の出版物も含め、比較的最近の書評を集めて転載許諾を得た上で
     ブログ化した「書評館」がオープンしました。中には著者に「自著を
     語る」として寄稿していただいた記事もあります。

     書評館―日外アソシエーツ・ブックレビュー
      http://nichigai.blog.shinobi.jp/

    “選書”やご購入の参考に、弊社ブックレビューをご一読いただければ
     幸いです。また、皆さまからのコメントを心よりお待ちしております。

     追記(裏話):

     ブログのネーミングに苦労しました。紀伊國屋書店さんの「書評空間」
     のような格好Eタイトルにしようと、社内公募の結果、さまざまな案
     が出ましたが...洒落たタイトルはググってみると既にそういうサイト
     が存在していたりします。

     ・書評処
     ・書評箋
     ・書評の泉
     ・書評の杜
     ・書評無常
     ・書評の缶詰

     で、結局、落ち着いたのが「書評館」でした。書評の缶詰でなくて
     よかった...。

                                 (竹)

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―澤井繁男氏、自著を語る。
    ■╋                     「教育パパ血風録」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      みなさんこんにちは。教育ママならぬ教育パパです。これは、娘が
     ふざけてぼくのことを呼んだのですが、ぼくじしんそういう気がなき
     にしもあらずなので、否定もせず、笑ってうけいれてしまいました。

      我が家では、こと「学校」関係のこととなると、母親よりも、父親
     のぼくのほうが関心がたかく、口をだすことが多かったのでした。ぼ
     くはしたい放題の教育方針でした。上の娘が中学二年生の二学期もお
     わりのころ、はじめてまじめに、将来を尋ねてみました。高校に進む
     かどうかです。娘は高校進学と、ついでに大学も行きたいと応えまし
     た。

      「そうか、それなら、パパの経験が役に立つから、すこし言うこと
     をきいてみるかい?」

      そう言いますと、素直に頷くので、はじめて塾というものに通うこ
     とを勧めました。こんな調子で父娘の二人三脚がはじまりました。塾
     も最初は近所の塾、そして予備校へと、だんだん広げていって、いま
     の自分の力をその都度確認させました。

      ぼくが大学受験の予備校で教えていたものですから、中・高校生の
     学力から、彼らを教えている「先生」の力がみえてきていました。

      この本は、「先生」はみな物知りで、学力があると錯覚している人
     たちに向けてかかれています。先生の当たり外れ、というのはよく耳
     にする話ですが、まさに、その「外れ」の先生について、それでいい
     のか、そんな教え方でいいのか、と父親の立場から批判している内容
     です。ちょっぴりきついことがかかれているかもしれませんが、胸の
     つかえが取れたと思う方もおられるかもしれません。

      母親でなく、父親が言うところに意義があるのではないか、と考え
     て書いたものです。父親不在に対しても意見をしているのはもちろん
     です。

                    (さわい・しげお 関西大学教授)

          <聖教新聞 2007.6.27 7面「きのうきょう」より転載>

     ●教育パパ血風録 <日外選書 Fontana>
      澤井繁男著 定価1,680円(税込) 四六判・200p 2007年5月刊
      http://www.nichigai.co.jp/sales/education_papa.html

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―植物好きは面白い。
    ■╋                    「植物文化人物事典」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     このたび、「植物文化人物事典」の制作を担当しました。この事典は
     「植物」をテーマに、江戸本草学、近代植物学、園芸学、農学、文学、
     美術、保護など分野を越えて人物を収録した、ちょっと類のない人物
     事典です。当方、植物学者といえば牧野富太郎くらいしか知らなかっ
     た文系人間なのですが、作業を進めるにつれ、その奥深さにどんどん
     魅了されました。なぜならば…

     「植物好きって変な人が多いのです」

     編者・大場秀章先生のお言葉ですが、まさにその通り。牧野の植物一
     直線の人生はつとに有名ですが、その他にも、ノルディックスキーの
     先駆者でもあった水産植物学者・遠藤吉三郎、2000年前のハスの実か
     ら開花させた大賀一郎、清貧で“植物道楽学者”と“尊敬”された大
     沼宏平、クロレラ研究の権威にしてチェロの名手でもあった田宮博、
     わが国初の女性理学博士保井コノ、ノーベル賞の恩人といわれた稲塚
     権次郎、トリカブトの毒で死んだといわれる白井光太郎などなど、人
     生が個性的で、世に知られていないなんて勿体無い!と思わせる人物
     が多数なのです。人生が読み物のような彼ら。この人たちをもっと世
     に知らしめたい!と次第に編集に熱が入りました。

     1割にあたる120人には肖像(写真・絵)も掲載しました。著名植物学
     者から、無名植物研究家、さらには黒髪の牧野富太郎、お茶目なポー
     ズのシーボルト、編者の大場先生が自身で撮影された伊藤洋(昭和天
     皇の植物の相談相手を務めた方)、などなど貴重な図版も多数ありま
     す。適当な頁からめくって眺めて読むだけでも、「へー!」と楽しめ
     る人物事典になりました。

     もっともただ収録して五十音順に並べただけでは能がありませんし、
     今回多分野・多数の人物を収録しましたので、検索に役立つように索
     引を二種類ご用意しました。

     (1)人名索引
     別称、旧称は勿論、「キノコ博士」「昭和の花咲かじいさん」「コシ
     ヒカリの父」などのあだ名から、さらに、家族や師弟など、収録人物
     と関係のあった人物からも引くことができます。例えば、正宗白鳥→
     弟で植物学者・正宗巌敬、サトウハチロー→祖父でリンゴの権威・佐
     藤弥六、中井英夫→父で植物学者・中井猛之進に祖父で農学者・堀誠
     太郎、アインシュタイン→一緒に東北大学の壁にサインしたモーリッ
     シュ、東郷平八郎→息子で宮中植木屋・東郷彪、という具合。有名人
     の意外な関係者を見つけることができます。また、収録されている人
     物が、他のどの人物の記述に出てくるかもわかります。例えば、植物
     学の研究でも著名だった昭和天皇。彼に進講を行ったり、相談相手と
     なった人物で、本書に収録されている人物は朝比奈泰彦、南方熊楠ら
     なんと28人もいるのですが、それが一目瞭然。つまり“植物に関する
     横のつながり”も簡単に知ることができます。

     (2)事項名索引
     学問分類、植物名、団体・企業名などから人名を引くことができます。
     例えば「サクラ」からは、日本画家の跡見玉枝、研究を行った大井次
     三郎、匿名でサクラを寄付して“サクラのあしながおじさん”と呼ば
     れた瀬川弥太郎、開花予想の発表を始めた気象庁職員の大後美保、サ
     クラの名所を作った将軍吉宗、保護に努めた船津静作など、という具
     合。また、地方で採集・調査に励み、他の人名事典には掲載されてい
     ないけれども、斯界の研究に貢献したアマチュア研究家も、その地方・
     県名から調べることが可能です。例えば「植物研究(兵庫)」からは
     大上宇市、樋口繁一など。郷土の偉人調査にも有用です。
     ちなみにネットではほとんど引けません(そもそもWikipediaの「日
     本の植物学者」カテゴリには20人しかいないのですが)。

     本文からも索引からも楽しめる人物事典。是非じっくり読み込んでい
     ただけたら幸いです。 
                            (編集部・岩崎)

     『植物文化人物事典―江戸から近現代・植物に魅せられた人々』
       大場秀章〔編〕 A5・640p 定価7,980円(本体7,600円)
       2007.4刊 ISBN978-4-8169-2026-4
       http://www.nichigai.co.jp/sales/botany.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   こつこつと収集・吟味を重ねた専門用語集―
    ■╋               「英和/和英対訳 最新軍事用語集」
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    日外アソシエーツより「英和/和英対訳 最新軍事用語集」(税込\8,800)
    が発売となりました。
    この用語集は自身が翻訳者である金森國臣さんが長年に亘ってこつこつ
    と収集・吟味を重ねたものです。
    ここでは編者の思いを込めた「序文」をご紹介いたします。

    ◆はじめに

     この『英和/和英対訳 最新軍事用語集』の編纂は、情報公開制度とイ
    ンターネットによって可能になったと言える。収録している用語はすべ
    て公開情報に基づいている。制度を利用して入手した資料に、公式のホ
    ームページから得た情報を追加し、補完している。一種の集成集であり、
    言わば「統合用語集」の体裁になっている。検証作業にはもっぱらイン
    ターネットの検索サイトであるGoogleを活用した。こうした軍事用語集
    の出版は、おそらく初めてであろう。

     もともとは翻訳の必要のために行った用語収集が端緒になっている。
    まったくの門外漢であったがために、軍事用語に対する基礎知識もなく、
    最初は一般用語との違いにさえ戸惑った。代表的なものには、迎撃→要
    撃、パトリオット→ペトリオットなどがある。大いに混乱したのは、自
    衛隊固有の表現であり、護衛艦が駆逐艦であることは何となく想像でき
    たとしても、観測ヘリコプターが偵察ヘリコプターであるらしいことが
    分かるまでには時間を要した。各自衛隊による表記や概念の違いにも悩
    まされた。

     これを解決する手段として自分自身のために始めたことなのであるが、
    用語を整理して提供すれば、他の人たちにも役立つのではないかと考え、
    電子媒体(PDF形式)で頒布することにした。詳しい経緯は省くが、こ
    れが編集者の目にとまって今回の出版に至った。

     まだ読者の目に触れていない段階での自己評価は避けるべきではある
    と思うが、本年7月にハワイ沖で実施されたリムパック(環太平洋合同
    演習)では、米海軍中将を補佐する語学将校が利用し、報せによると問
    題なく使えたとのことであった。いままでの感触ともあわせると、幹部
    レベルでの使用には大体において役立つようである。目指すところは、
    現場での実用に耐え得る用語集であるが、編集作業を終えてみると、そ
    れはまだ遥かに先のことだと実感する。

     米軍が提唱して実践する「軍事における革命(RMA)」は、さまざま
    な方面に影響を及ぼしている。軍の統合的運用もそのひとつであるが、
    軍事用語という観点でみると、それは「情報の共有」に行き着くように
    感じられる。各軍種が一体的に行動するには、必要な情報がタイムリー
    に共有されていなければならない。

     部外者でもあり、これは想像するしかないのであるが、具体的には陸
    海空の当事者が同一内容を表示するコンピュータ画面を同時にモニタリ
    ングするということであろう。そこでは共通の概念を持つ調整された用
    語が使われていなければならず、おそらくそこには本書のような「統合
    用語集」の必要性が生じるものと考える。

     なお最後にお断りしておかなければならないことがある。編集作業が
    大詰めを迎えた段階で防衛庁から防衛省への昇格に関する法案が国会を
    通過した。分かる範囲内で対応はしているが、まだ施行以前の段階にあ
    り不確定な点もある。諸事情をご理解いただければ幸いである。

                                                             金森國臣
                                             2006年12月 (尾道にて)

    ===================================
    ☆【英和/和英対訳 最新軍事用語集】 価格¥8,800(税込)
        金森國臣〔編〕 日外アソシエーツ〔発行〕 2007.2 A5・1,020p

    独自の訳語が多い軍事・防衛関係の用語を英和38,718語/和英39,703語
    収録した英和・和英対訳辞典。軍事関係の専門用語はもちろん、一般的
    な単語であっても軍事に特化した訳語を持つものや、関連領域の単語ま
    で幅広く収録。同じ単語でも使われる機関・団体によって訳語が異なる
    場合は、その機関・団体名まで明記。

    詳しくは↓をご覧ください
    http://www.tranradar.net/military_terms.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋    お正月の風物詩を漢字で書くと―
    ■╋               『CD-30万語よみ方書き方辞典』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     年末年始はいかがお過ごしでしたか。
     毎年この時期になると、どのようなお雑煮を食べて育ってきたか、と
     いうことが社内でも話題になるのですが、お正月の習慣というのは
     地方や家庭によって特に変化があって、面白いものです。

     我が家では、お雑煮はおすましに焼いた角餅で、具は鶏肉と小松菜で
     す。門松は小さいものを門扉に簡単にくくりつけて終了。おせちの内
     容は年によって色々ですが、毎年定番なのはエビや黒豆、数の子にお
     煮しめなどです。元旦は、家族揃ってお屠蘇を飲んで、仏壇にお線香
     を上げ、破魔矢を近くの神社に納めに行ったり、年賀状が誰から届い
     たか親に見られないよう自ら進んで仕分け役を買って出たりと、毎年
     同じ事をしながら過ぎていきます。

     お正月の飾り物はやはり土地や家庭によって様々なのでしょうが、よ
     く使われるものは「ユズリハ」「サカキ」「裏白」「橙」などのよう
     です。門松や玉飾りに、鏡餅にと大活躍です。
     これらの縁起物の中でも「ユズリハ」と「サカキ」には驚くほどたく
     さんの種類の漢字表記があるのをご存じでしょうか。その木がどれだ
     け親しまれてきたかを感じることができます。いくつの書き方を思い
     つくことができますか?

     難読語のよみ方や、他にどのような漢字表記があるかを、素早く調べ
     るのにお薦めなのが「CD-30万語よみ方書き方辞典」です。

     調べたい漢字やよみを入力して検索すれば、一瞬で語が表示されます。
     その語が使われる分野でも検索できますので、例えば「植物」と「サ
     ワラ」をかけあわせて検索することで、魚や地名の「サワラ」とは区
     別して調べることもできます。

     ちなみに「サワラ(植物)」にはこれだけ、書き方の種類があるようで
     す。

     花柏  佐和良  佐和羅  弱椿  弱檜  椹

     動物や植物名の他に、「地名・駅名」「季語季題」「近代文学・古典
     文学」「歌舞伎・浄瑠璃の外題」「寺院」「歴史民俗」などの分野も
     収録していますので、インターネットや普通の難読語辞典では検索で
     きない、一味違った語も調べることができます。

     それぞれの語には、分野の他に簡単な説明が付けられていますので、
     その意味についても造詣を深めることができます。

     例えば「屠蘇」で検索すると。

     屠蘇  トソ(toso)〔季語季題〕
      [季節]新年  [分類]人事  [説明]酒に浸して新年に飲む薬。
      サンショウ、ボウフウ、ニッケイ、キキョウ、ビャクジュツ、ミカ
      ンの皮、赤アズキなど調合したもの。

     ただ甘めにしたお酒なのかと思っていましたが、色々なものが入った
     薬なんですね。このように、漢字とよみを羅列しただけの読み方辞書
     ではないので、説明文からの新たな発見も期待できます。

     前述の「ユズリハ」「サカキ」については、心底「へえ!」と思うよ
     うな書き方があります。中には、まさにお正月のお飾りらしい、縁起
     の良さそうな字が当てられているものもあり、興味深いです。
     また、屠蘇の説明文で挙げられている、「サンショウ」「ビャクジュ
     ツ」など7種類の調合薬の書き方も、こちらのCDにはすべて収録されて
     います。「ボウフウ」などを見るとこれまたいかにもな漢字で、一年
     中カゼを引かずに過ごせそうな気持ちになれます。
     是非このツールをご使用になって、それぞれ確認してみてください。

     「ユズリハ」「サカキ」の書き方は、このメルマガの終わりでチェッ
     クしてくださいね。
                            (編集局・松本)

    『CD-30万語よみ方書き方辞典』
      日外アソシエーツ〔編集〕 2006.11発売
       価格9,975円(本体9,500円) ISBN:4-8169-8194-2
      http://www.nichigai.co.jp/sales/cd-30manyomi.html




    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    「ユズリハ」の書き方

     弓擢羽
     由豆利葉
     交譲木
     交譲葉
     杠
     杠葉
     楪
     譲り葉
     譲羽
     譲葉木

    ------------------------
    「サカキ」の書き方

     佐加岐
     坂樹
     栄樹
     神木
     神樹
     楊桐
     榊
     賢木

      ―「CD-30万語よみ方書き方辞典」より―

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―学校は変わらずにお前達を待っている...わけではない
    ■╋              『学校名変遷総覧 大学・高校編』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     日本人は名前を変えるのが好きです~云々、例えば地名、社名、商品
     名、野球のチーム名などなど。
     ましてや伝統も栄光もない場合、その変名行為(?)はもっと軽やか
     です。
     そういった意味でいうと学校の名前ももちろん例外ではありません。
     甲子園で優勝しようが、藩校として創立されて以来、多くの地元政財
     界リーダーを輩出していたとしても変わる場合があるのです。

     「いつでも困ったことがあったら帰ってこい。学校は変わらずにお前
     達を待っているぞ」
     恩師にたしかそんなことを卒業式でいわれた記憶があります。
     しかし、しかし・・・
     母校自体が廃校になってしまった。
     隣の女子校に吸収合併されて名前が変わってしまった。
     なんだかしらないが時の権力者が気分で名前を変えてしまった。
     なんてことがあちらこちらで行われているのです。
     その結果「~工業高校」なんていう武張った名前だった母校が、
     「翔」だの「陵」だの「館」だのがついたイマドキの校名に変わって
     いたりするのであります。

     さて、小社ではこの度『学校名変遷総覧 大学・高校編』を刊行いた
     しました。
     この本は、「現在日本に設置されている大学、短期大学、高等専門学
     校、高等学校6,481校の校名変遷を出来る限り遡って収録した」もの
     です。
     繰り返しになりますが、学校の名前は色々な事情によって変わります。
     しかし一方で、ある人物の経歴を調べようとした場合、必ず行き当た
     るのが学歴調査です。ですがその人物が卒業した学校が、現在は何と
     いう校名なのか?実はそれを知ることは容易ではないのです。
     教育関係の調査にとどまらず、地方史、社会史などなど校名を調査す
     る機会は少なくありません。本書がそういった調査のお役に少しでも
     立つことができればと願っています。

     ところで、かつてはダブダブの学ランを着用していたお父さん。
     チェックのスカート翻して女子高生が闊歩する変わり果てた母校を見
     てどうおもうでしょうか?
     そのことに少なからず興味があります。
                            (編集局・青木)

    『学校名変遷総覧 大学・高校編』
     日外アソシエーツ〔編〕 2006.11刊 B5・810p
      定価29,400円(本体28,000円) ISBN:4-8169-2012-9

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―干支と和暦日とユリウス暦日を結びつけた月日対照表
    ■╋                      『古代中世暦』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     みなさまの中で、『日本書紀』や『続日本紀』など有名な史料でも、
     その原文をご覧になったことのある方は意外に少ないのではないで
     しょうか。紀伝体(エピソード中心)で書かれた『古事記』などと
     は異なり、『日本書紀』をはじめとする六国史は編年体(年月日順)
     で記述されています。例えばこんな具合です。

     (天平四年より)
      六月丁酉。新羅使還……
      己亥。此夏陽旱。百姓不佃。……

     このなかで「六月」はわかります。「丁酉」とか「己亥」もどこか
     で見たことがありますね。そう、「干支」っていうやつです。日本
     は中国の暦法の影響下にあり、昔から(そして今も)一日一日に対
     して「干支」を振りあてています。ですから上の文章は「6月の丁
     酉の日に新羅の使いが帰っていった」「同じ月の己亥の日、この夏
     は日照りなので……」というように、「干支」によって日付を表現
     しているのです。

     さて当然「丁酉」とは何日を指すか? 「己亥」とは何日のことか?
     
     という疑問が生じます。ところがこれは100%確定させることはでき
     ないことなのです。この時代の暦の対照表などというものは同時代
     史料としては残っていませんから。しかし実は史料の中に大きな手
     がかりがあります。例えば何行か前にこんな文章があります。

      夏五月壬寅朔。正六位下物部依羅連人會賜朝臣姓。

     「5月の壬寅の日、この日は“ついたち”で、正六位下の物部さん
     が…」という記述です。つまり、これによって5月1日は「壬寅」と
     いうことが確定できるわけです。ご承知のように「干支」は60種類
     が規則的に繰り返しますから、こういう記述があると、その周辺の
     日付は確定できるのです。また時代ごとに使われていた暦法の計算
     をできるだけ復元すると、大の月、小の月、閏月などもある程度わ
     かります。これらを組み合わせることによって、「日付」と「干支」
     をかなりの確率で結びつけることができるのです。

     かつて『日本暦日原典』(内田正男編、1975年、雄山閣出版)とい
     う、暦本としては画期的な書籍が刊行されました。この本は古史料
     における朔日の干支表記を徹底的に調査した労作で、今も古暦に関
     してはスタンダードとされています。ただ記述内容はかなり専門的
     で、朔日の干支だけが記載されているので、それ以外の日は数えて
     いかなくてはなりません。また現在では古書市場でも入手がとても
     難しくなっています。

     このたび小社より刊行した『古代中世暦』は、推古天皇即位の年
     (593年)から、天正10年(1582年)までの990年間にわたり、すべ
     ての日について「干支―和暦日―ユリウス暦日」を結びつけた月日
     対照表です(ちなみに天正10年(1582年)は、西欧でグレゴリオ暦
     が採用され始めた年で、日本では本能寺の変がありました)。

     本書の制作にあたっては、まず時代ごとに暦法の機械的計算(これ
     も多くは推定値に基づくので、かなり揺れがありますが)を行い、
     次にその結果のうち朔日について、上記の『日本暦日原典』の記述
     と照合していきした。そして異動に関しては古史料の該当箇所周辺
     で確認し、不明な所や『日本暦日原典』と異ならせた点などを、巻
     末に列挙して解説しています。

     たとえば本書の70ページを見ると、上記の天平四年六月について、
     「丁酉」は6月26日で、「己亥」は6月28日のことだった、それはユ
     リウス暦では732年7月22日(火)と24日(木)だった、ということが、
     すぐにわかります。史料を解読する際に、「いつ?」ということは
     極めて基本的なことです。

     小社では『日本暦西暦月日対照表』『20世紀暦』『21世紀暦』を刊
     行してきました 。本書は、これらの前の時代に遡るもので、これに
     より、古代から2100年までの暦表が揃ったことになります。本書を
     手軽に使える基本ツールとしてお役立て頂ければ幸いです。

                           (編集局・尾崎)

    『古代中世暦―和暦・ユリウス暦 月日対照表』
     日外アソシエーツ〔編〕 2006.9 A5・510p 
      定価5,250円(本体5,000円) ISBN:4-8169-1998-8

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     膨大な郷土史料をすばやく検索!―「CD-県史誌 1」
    ■╋                         
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     「県史誌」とは「栃木県史」「神奈川県史」など、都道府県の歴史
     をまとめた書籍を指します。収集された資料をもとに学者や専門家
     が編纂をしており、すべての都道府県で「県史誌」が刊行されてい
     ます。
     例えば「群馬県史」の場合、「資料編」27巻と「通史編」10巻のあ
     わせて全37巻が刊行されています。他の都道府県でも同じくらいの
     量の「県史誌」が刊行されています。

     豊富かつ貴重な資料を収集し整理した「県史誌」は、調査・研究に
     欠かせないアイテムと言えます。「県史誌」は地域の歴史を知るの
     に必要な第一級の資料であり、特に「資料編」は様々な文書を活字
     化した重要な一次資料です。
     しかしそんな「県史誌」にも、問題が2つあります。1つは、現物を
     見られる場所が限定されること。もう1つは、何巻の何ページに自
     分の求める情報が掲載されているのかが調べにくいことです。

     極端な例ですが、近世時代の関東地方に関する事項を調べる場合、
     「通史編」12冊と「資料編」47冊の合計59冊をすべて見なければな
     らないわけです。
     巻末あるいは別巻に索引がついているものは少なく、全巻の目次を
     見るだけでも時間がかかってしまいます。また各地域の資料を見る
     ためには、それらを所蔵している図書館へわざわざ出向く必要があ
     ります。

     「CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編」は、そんな問題を解
     決するために作られた「総索引データベース」です。
     このCD-ROMには、関東1都6県の「県史誌」全59冊の内容細目を収録
     しています。巻頭の口絵のキャプション/所蔵者からはじまり、序
     文、凡例、本文の見出し、掲載されている図表・写真のキャプショ
     ン/出典、さらには、本文中に引用された資料名・論文タイトル、
     巻末・別巻索引に記載されている言葉、編纂委員名まで、「県史誌」
     に掲載されている主要な項目をほぼすべて収録しているのです。

     見出しについては、目次に記載されている章・節の他、目次に記載
     されていない小見出し(吊り見出し)までも収録しています。(た
     だし本文テキストそのものは収録しておりません。)

     「県史誌」1冊1冊の全ページから、内容情報を採録し入力していま
     すので、目次や索引にない言葉からも検索することができます。
     「県史誌」の現物に当たる前に、まずこのCD-ROMで検索しておき、
     調査対象を絞り込むことが可能になります。これがあれば「現物を
     調べに行ったが目的の内容が見つけられなかった」ということもあ
     りません。

     例えば、近世における各地の地震による被害状況を調べたい、とい
     う場合。検索窓に「地震」と入れるだけで、関東1都6県59冊の「県
     史誌」をあっという間に横断検索します。該当する項目は64件。

     「群馬県史」の資料編には「安政二年十二月 碓氷郡水沼村外旗本
     屋敷地震見舞献金願」「安政二年十月 江戸地震につき金古宿役人
     出府見聞書留」といった当時の文書が掲載されていることが分かり
     ますし、「新編埼玉県史」の通史編には安政大地震に関する記述が
     あり、なおかつ「安政2年大地震幸手領村々被害状況」という表が
     掲載されていることが分かります。
     「千葉県の歴史」には関係する写真が掲載されていることも、「東
     京百年史」には「安政大地震」「地震絵」という索引語が記載され、
     それぞれ第1巻の1490ページと1491ページを指していることも分かり
     ます。「神奈川県史」にはより多くの資料、図表が掲載されている
     ことが分かります。
     しかもそれらが何巻の何ページに掲載されているのか、そして前後
     にはどんな見出し・項目が記載されているのか、といったことまで
     調べることができてしまうのです。

     このCD-ROMを使えば、時間とお金を使って遠くの図書館へ行き、ど
     こにどんな情報が載っているかわからない書籍を何冊も確認する、
     という労力を軽減することができます。知りたい情報がどの「県史
     誌」のどこに掲載されているのかを、いつでも手軽に確認すること
     ができるのです。

     「CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編」は2006年10月に刊行
     し、好評発売中です。
     引き続き「CD-県史誌 2 関東―近現代(通史/資料)編」を2006年
     12月に刊行する予定で、現在鋭意制作中です。レファレンスに有用
     なこのCD-ROM、今なら発売記念特価でお安くお求めいただけます。
     ぜひこの機会にお買い求め下さい。
                                (星野)

     『CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編』【法人版】
      2006.10
        価格49,350円(本体47,000円 発売記念特価 2007年4月30日まで〉
      EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
        【対応機種】Win98SE/Me/NT4.0/2000/XP対応
        ISBN:4-8169-8192-6 JANコード:T4937695181973
        ※LAN価格もございますので、お問い合わせください。

     『CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編』【研究者版】
      2006.10
        価格36,750円(本体35,000円)
      EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
        【対応機種】Win98SE/Me/NT4.0/2000/XP対応
        ISBN:4-8169-8195-0 JANコード:T4937695181959

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋           「グーグル未完の物語」
    ■╋                          北田敬子
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    あって当たり前というほどに生活の一部と化した、インターネット検索
    エンジン「グーグル」。便利さと引き替えに手放したものがあるようで
    少し恐ろしい。関連書籍の出版が相次ぐ中で、『Google誕生―ガレージ
    で生まれたサーチ・モンスター』(デビッド・ヴァイス/マーク・マル
    シード著 田村理香訳 イースト・プレス刊 2006)は、ラリー・ペイジ
    とサーゲイ・ブリンという「グーグルガイ」について、また急成長した
    グーグルという企業について詳細に物語る。現在進行形の物語の常とし
    て、ここに「めでたしめでたし」はない。いつマイクロソフトを始めと
    する巨大企業に行く手を阻まれるか、ヤフーのようなライバル企業に出
    し抜かれるか、あるいは国際政治や司法の壁、各国の特殊事情の前に屈
    せざるを得ないか、行く先に未知の部分はあまりに多い。

    ここに描かれた目眩くアメリカの富、優れた頭脳と強運に恵まれた集団、
    自由な市場競争の有り様を追っていると、グーグルが忌避する「邪悪な
    こと」など寄りつく島もないような錯覚に陥る。グーグルはインターネ
    ット上に分散する情報に幾通りもの「秩序」を与え、整理し尽くすアイ
    ディアの具現化に情熱を燃やす。その恩恵を遍く世界が享受出来るよう
    才能を集めてテクノロジーを開発し続けるというのだが、ひたすら上昇
    する姿に一抹の危うさも感じる。たとえば、数ある機能の中から「グー
    グルイメージ」を選んで自分の個人サイトの名を入れて検索してみると、
    10年足らずの間に掲載したイメージが瞬く間に10数ページにわたってサ
    ムネイルに羅列される。驚くべきは既に削除したはずのものまで含まれ
    ていること。こんな些細な個人サイトのものまでも、(制作者の意図に
    はお構いなく)一度存在したネット上のあらゆる情報を保存するという
    方針が貫かれているらしい。グーグルは世界に名だたる図書館の蔵書を
    データベース化し、いずれ遺伝子情報も提供する予定とのこと。また、
    中国政府の規制を受け入れて中国国内からの反政府運動に関するグーグ
    ル情報検索は不可能とする一方、外からの天安門事件の記録へのアクセ
    スはオープンだ。扱い方一つで情報の意味は変わる。知の組み替えがも
    たらす未来に歪みはないのか。

    IT関連企業の急速な栄枯盛衰が人々の耳目を集めるのは、主役たちの若
    さに一因がある。「その若さで」という世間の賞賛とやっかみがサクセ
    スストーリーを持ち上げ、凋落の際には「それ見たことか」と思う様こ
    き下ろす。Webの新時代におけるグーグルの意味を問い直す仕事はこれ
    から始まると確信させる一冊である。未完の物語にこそスリルとサスペ
    ンスは漲っている。

    【著者プロフィール】
       北田 敬子(きただ・けいこ)
      東洋学園大学・現代経営学部教授
      東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
      バージニア大学教育学部にて在外研究。
      専門は英語文学、言語とコミュニケーション
      ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   長い時代が、歴史に変わるとき
    ■╋                -読書案内『昭和』を知る本
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     昭和という時代が語られるのは、何か不思議な感じがします。昨日
     が今日は過去になっているような、さっきすれ違った人が思い出に
     変わっているような、そんな感覚。

     平成になってからもう18年が経つというのにそんなふうに思ってし
     まうのは、やはり昭和という時代がとてつもなく長かったからで
     しょうか。
     日本の元号の中でも最長だった昭和の64年間。昭和は長い時間の中
     に様々な面を持つ激動の時代でした。恐慌から太平洋戦争、奇跡の
     復興から高度経済成長、そしてバブルの狂乱から崩壊まで…。

     昭和後期に生まれた私にとって、戦争は手の届かない昔、バブルの
     頃の流行歌は耳馴れた歌。自分が生きた時間と歴史とを一つの時代
     として展望するから、どこか不思議な感覚があるのでしょうか。

     「読書案内『昭和』を知る本」は、そんな昭和時代を知るための
     ブックガイドです。「(1)政治」「(2)社会」「(3)文化」の全3冊か
     らの構成で、分野ごとに昭和を象徴する事項・人物・団体などの
     キーワードを選び、概要を理解するための解説とより深く知るため
     の参考文献を収録しています。

     例えば9月に刊行された「(1)政治」では、二・二六事件、GHQ、
     吉田茂、55年体制、リクルート事件など218のキーワードを取り
     上げ、7,098点の参考文献をリストアップしています。

     自分が生きた時間と歴史とが連なる時代として昭和を振り返る人は
     多いことでしょう。しかし次第にその人数は減っていきます。
     没落と絶頂を繰り返す中で多くのことを教えてくれる長い時代を次
     の世代に受け継いでこそ、昭和は確かな歴史となるのでしょう。
     平成生まれの中学生・高校生には特にすすめたいブックガイドです。

    「(2)社会」は10月刊行、「(3)文化」は11月刊行予定です。
                               (大橋)

    「読書案内『昭和』を知る本」日外アソシエーツ 編
     (1)政治―軍国主義から敗戦、そして戦後民主主義まで
      2006.9刊 A5・380p 定価7,140円(税込) 
      ISBN4-8169-1999-6

     (2)社会―金融恐慌・闇市から高度成長・バブル経済へ
      2006.10刊 A5・390p 定価7,140円(税込)
      ISBN4-8169-2000-5

     (3)文化―昭和を彩った科学・芸術・文学・風俗
      2006.11刊予定 A5・約400p 定価7,140円(税込) 
      ISBN4-8169-2001-3

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   選書にも役立つ!?出版情報源
    ■╋           “新刊ぶっくめ~る”自動配信サービス
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     出版不況が叫ばれる昨今、一冊当たりの刷り部数は減少傾向にある一
     方、新刊書籍の発行点数は右肩上がりに伸びている。2005年度は何と
     月間平均6,525点、年間78,304点もの新刊が出されている(出版年鑑
     2006調べ)。一体どんなタイトルが毎月出版されているのか、気にな
     る方も多いのではないだろうか。

     今回、ご紹介する小社“新刊ぶっくめ~る”は、新刊書籍データの自
     動配信サービスである。G-Search や@nifty経由で有料(100円/月)で
     提供しており、なかなか書店に足を運べない多忙な方々の“本の情報
     源”として好評を博している。サービス内容は大手取次書店にて日々
     現物採録した新刊書籍の概要データを毎週1回、33のテーマ毎にメール
     にて提供するというもの。

    「新刊ぶっくめ~る」配信テーマ
      1) グルメと食文化
      2) こころ・生活・人間関係
      3) ヘルスケア・家庭医学
      4) 医学・薬学
      5) 哲学・倫理学
      6) 宗教
      7) 就職活動に向けて
      8) 語学全般
      9) トラベル・最新版地図
     10) ゴルフ・釣り・登山・スキー・スノーボード
     11) ゲーム攻略本
     12) 芸能界・テレビ・映画・音楽
     13) バンド・ピアノスコア
     14) アート
     15) 占い・オカルト
     16) マルチメディア・ネットワーク
     17) コンピュータ・プログラミング
     18) 現代小説
     19) 歴史・時代小説
     20) ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
     21) SF・ホラー・ファンタジー
     22) 外国の小説
     23) ノンフィクション・エッセイ
     24) 詩句
     25) 学習用の本
     26) 物語・童話
     27) 絵本
     28) 経済・ビジネス
     29) マネー
     30) 政治・行政
     31) 法律
     32) 産業・労働
     33) OLライフ

     自分の興味のある分野の新刊情報だけを居ながらにして入手できるの
     で有り難い。個人でまとめ買いされる方の選書リストにも最適である。
     では、今週号の「物語・童話」の中から適当に抜粋してみよう。

    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・
    『金色の雲になったトラ―ファンタ爺さんの話の庭』
     つかごしつねじ【作】 つかごしていじ【絵】 小峰書店
     2006.8.31
     158p 21cm(A5) ¥1,500(税別)
     ISBN4-338-22501-7 
    【 内 容 】
     動物園のオリの前で、いつもトラとにらめっこしている少年サトルは、
    “虫歯”がきっかけで、トラの「ことば」がわかるようになった。サト
     ルは、トラのグールの大きな使命をしり、その手助けをしようと…。
     ファンタ爺さんが語る不思議な話の第一弾!「音読のための手引き」
     として、元NHKアナウンサーの著者が朗読するCD付き。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『父ちゃん 文学の散歩道』
     高橋秀雄【作】 宮本忠夫【絵】 小峰書店 2006.9.9
     207p 21cm(A5) ¥1,500(税別)
     ISBN4-338-22402-9 
    【 内 容 】
     家族の絆とは…少年の新しい父親はあまりにもやさしい人だった。父
     と子の心のつながり。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『GO!GO!チアーズ Dreamスマッシュ!〈15〉』
     工藤純子【作】 にしけいこ【絵】 ポプラ社 2006.9
     199p 19cm(B6) ¥840(税別)
     ISBN4-591-09418-9 
    【 内 容 】
    「え~っ!?あたしがチアガール??」転校していったばかりの学校で、
     いきなりチアリーディングをやることになった夏樹。しかも、リーダー
     はオトコ!?クラスのみんなはまとまらないし、ダンスだって上達しな
     い。でも本番までは、あとわずか!!―絶体絶命のピンチに、夏樹の
    「チア・スピリット」が燃えあがった。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『NO.6(ナンバーシックス)#5 YA!ENTERTAINMENT』
     あさのあつこ【著】 講談社 2006.9.11
     204p 19cm(B6) ¥950(税別)
     ISBN4-06-269371-2
    【 内 容 】
    『人狩り』によって矯正施設へと送り込まれた紫苑とネズミ。そこは無
     数の人間の塊が蠢く、この世の地獄だった。生きて戻ることはできる
     のか。一方、救出を待つ沙布の身体には異変が起きていた―。この都
     市は、人間を支配しようとしている。無慈悲に人を食らう、支配欲に
     猛り狂った怪物だ。誰も気がついていないのだろうか。
     いよいよNO.6の暗部へ。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-

     配信登録した方は、専用サイトで過去4週間分の表紙イメージ付き書籍
     概要をブラウズすることもできる。たとえば「語学全般」というテー
     マの中には、こんな本が載っている。

     ・英語で名セリフ!―ドラマ、アニメの決めセリフ、英語にするとな
      んて言う?(祥伝社)
     ・図解 英語脳のつくり方(PHP研究所)
     ・I am a boyからはじめる中学英語でビジネス英語(中経
      出版)
     ・耳ぐら―世界一簡単な英文法(ジャパンタイムズ)
     ・ラテン語―英語とラテン語と君と(北星堂書店)
     ・英語が私を強くする!―著名人20名の私流勉強法(中経出版)
     ・最新ニュース英語常用事典(アポロコミュニケーション)
     ・小道迷子の中国語に夢中―迷上中国話(三修社)
     ・彼女のための韓国語(創拓社出版)

     う~ん、各社の編集者が智恵を絞った(であろう)タイトルを眺める
     だけでも思わず手に取ってみたくなる。“新刊ぶっくめ~る”で「こ
     れは!」と思う一冊を探し当てていただきたい。

     ◆G-Search「新刊ぶっくめ~る」
      http://db.g-search.or.jp/mag/info_db.html?id=WHON

     ◆@nifty「新刊ぶっくめ~る」
      http://www.nifty.com/WHON/
                                 (竹)

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   斯の道の為に、斯の言葉のために、
    ■╋      何人かその全力を尽くさざる―『NEW斎藤和英大辞典』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     
     昭和3年日英社刊『斎藤和英大辞典』が日外アソシエーツから復刻刊行
     されているのをご存知だろうか。わが国の学校英文法の原型を完成さ
     せたと言われる斎藤秀三郎(1866-1929)、渾身(最後)の著作である。
     旧字を新字に、旧仮名遣いを新仮名遣いに改め、見出しの排列もロー
     マ字表記のABC順からカナ表記の50音順に変更、より使い易い『NEW斎
     藤和英大辞典』として現代に甦った。

     ■ 英語“道”の達人

     斎藤秀三郎は、「明治英学の三大家」として井上十吉、神田乃武と共
     にその名が挙げられる。正則英語学校(現・正則学園高等学校)の創
     立者でもあり、その63年の生涯で、英和、和英辞典、英文法書(その
     ほとんどが英文)など200冊以上の著作を残している。全て独力で成し
     遂げており、寸刻を惜しんで英語の勉学に打ち込んだという。朝起き、
     食事をして学校で教鞭をとる。「その生活は時計よりも正確だ」と評
     されたそうである。

     意外なことに、斎藤は生涯に一度も海外渡航の経験がない。が、類を
     見ない読書量でカバーしたらしい。工部大学校(現・東大工学部)在
     学中、僅か3年間で図書館の英書を全て読破、ブリタニカ百科事典全
     35巻を2度通読したという「ホンマカイナ」と思える逸話もある。

     また、幼くして native 教師に発音を徹底的に叩き込まれ、自分の英
     語に絶対の自信を持っていた斎藤は、酔っ払ったある時、帝劇で日本
     公演中のシェークスピア劇団の英国人俳優の発音が間違っているのを
     見て、「お前らの英語はなっちゃいねぇ!」と英語で一喝したという。
     実に明治的豪傑らしい痛快なエピソードではないか。私も、電車の中
     でイマドキの茶髪のお姉さん方のドエライ会話を耳にすると、つい
    「お前らの日本語はなっちゃいねぇ!」と叫びたくなる。

     ■ グローバル時代の「和英辞典」

     斎藤の編んだ辞典は、グローバル時代の今なお廃れず、むしろ輝きを
     増しているかのようだ。翻訳不能と言われた、あの『フィネガンズ・
     ウェイク』(J. ジョイス)の完訳で知られる柳瀬尚紀氏は、同じく斎
     藤の代表的著作である『熟語本位英和中辞典』(岩波書店)について、
     高校時代、布団の中にもトイレにも持ち込んで使い倒し「私にとって
     英語の恩師だ。英語はもっぱらこの辞典から学んだ」と絶賛している。
     その魅力の一端は『斎藤和英大辞典』の序文の末尾にある次の言葉に
     表れているような気がするのである。

     In short, the English of the Japanese must, in a certain sense,
     be Japanized. (要するに、日本人の英語は、ある意味において、日本
     化されるべきなのだ)

     時は文明開化の路線をまっしぐら。西欧の学問知識を貪欲に吸収しよう
     という英語英学万能の時代風潮にありながら、自ら進取的に英語を学び
     取ろうとした斎藤は、一方で日本語・日本文化に対する“誇り”を見失
     わなかった。

     教え子に対して「西洋人のそばへ行つて“Sir, ...”なんて質問なんか
     して居るやうぢや駄目だ、『おい君』といふやうな対等の位置に安んじ
     得るやうに早く成つて呉れないぢや困るよ」(『英語の日本』第九巻第
     一七号)とこぼしたエピソードも実に彼らしい。

     斎藤“英学”の中核を成す概念に「イディオモロジー(idiomology)」
     というコトバがある。簡単に言ってしまえば「日英の熟語や慣用表現
     の比較研究」ということになるが、斎藤兆史氏(東京大学大学院助教
     授)は、次のように説明している。

    「その根底にあるのは、お日さまの下で同じように空気を吸って生きて
     いる人間が使う道具である以上、日本語にも英語にもかならず同じよ
     うな慣用表現が存在するはずだという認識である」
                     (『英語達人列伝』中央公論新社)

     斎藤は、日本語と英語の無数のイディオムの背後に息づく両国民の感
     じ方・考え方を捉え、表現しようとしたのだろう。「語はそれ自体に
     おいては無、結合において一切、構文ぬきの動詞は不動詞」という見
     地から、英語の慣用語法の解明に注いだ情熱が『斎藤和英大辞典』の
     血の通ったこなれた訳語となって見事に結実している。決して戦前の
     辞書とあなどれない出来映えなのである。サワリをいくつか抜粋して
     みよう。

     ◆人の噂も七十五日 “A wonder lasts but nine days.”

     ◆上手に上手あり “Diamond cut diamond.”

     ◆日本は東洋の英国の名に背かぬ
      Japan merits the name of “the England of the East.”

     ◆読書百遍義自ら通ず
      Read a hundred times over, and the meaning will become
      clear of itself.

     ◆百弊金銭より生ず Money is the root of all evils.

     ◆酒は百薬の長 Wine is the chief of all medicines.

     ◇老人の冷水 an old-man's indiscretion

     ◇一葉落ちて秋を知る “A straw shows which way the wind blows.”

     ◇男心と秋の空 Men are as fickle as autumn weather
      ―(西洋では)―“Woman is as fickle as April weather.”


     また斎藤は「英米人の文章の引用は、和英辞典にはのせるべきではな
     い」という考えの下、個人的主観、嗜好を大胆に取り入れ、和歌、俳
     句、都々逸、漢詩などの英訳を随所にちりばめたのである。異文化の
     翻訳という観点からみて、これが実に面白い。ちゃんと脚韻を踏んで
     いる。

     ◇古池や     Old garden lake!
      蛙飛び込む   The frog thy depths doth seek,
      水の音     And sleeping echoes wake.

     ◇三千世界の Throughout the world I'd kill
      烏を殺し  The cawing morning crow,
      主と朝寝が And sleep at morn my fill,
      して見たい With you as bed-fellow.

     ◇惚れて通えば  Love laughs at distance, Love!
      千里も一里   A thousand miles is one to love;
      会わずに帰れば But when I can not meet my love,
      又千里     A thousand is a thousand, Love.


     今日、英和辞典は沢山存在するのに対して、和英辞典は数が少なく、
     扱う語彙も限られている。これはわが国の英語教育が「英文解釈」中
     心に行われる現状を反映しているのかもしれない。が、今後の課題は、
     国際語である英語を理解しつつ、それを日本語でどのように理解し、
     表現するかということではないだろうか。すなわち、自国の文化に拠
     って立ちつつ、海外に向けて堂々と情報発信するスタンスが求められ
     る。そう、それは「斎藤和英大辞典」の編集理念そのものであり、今
     の時代を先取りしているとも言えよう。若い人にはぜひ一度、手に取
     って拾い読みして欲しい一冊である。本辞典を100%使い倒すには、
     和英だけでなく英和でも自在に検索できる CD-ROM 版がお奨め。


     斎藤秀三郎は生前、常に「天国に行ってからも英語丈は勉強するよ、
     人間が此世で成し遂げる事が出来る仕事って高の知れたものさ」と語
     っていたという。英語“道”奥深し。その一生を傾けた“人とコトバ”
     に対する関心と情熱には、ただただ頭が下がる。

                                 (竹)

    『NEW斎藤和英大辞典』斎藤秀三郎〔著〕
     1999.9 B5・1,400p 定価14,910円(税込) ISBN4-8169-1554-0
     http://www.tranradar.net/saito.html

    『NEW斎藤和英大辞典 普及版』斎藤秀三郎〔著〕
     2002.12 A5・1800p 定価7,140円(税込) ISBN4-8169-1754-3
     http://www.tranradar.net/book/saito_popular.html

    『CD-NEW斎藤和英大辞典』斎藤秀三郎〔著〕
     1999.9 価格18,900円(税込) ISBN4-8169-8078-4
     EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
     http://www.tranradar.net/saito.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        40年間のスポーツの歴史を通覧する
    ■╋          『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     
     イチローが打った、オシムが選ばれた、欽ちゃんが謝った。
     私たちの周りには常にスポーツニュースが溢れています。

     スポーツの嫌いな知人は言います。

     「スポーツ観戦に夢中になる人の気持ちがわからない。
      あんなの、ちっぽけな自分を選手に自己投影して悦に入ってるだ
      けでしょ。それよりまず自分の人生をがんばって欲しいね」

     きつい、きついよ知人。
     私が寅さんだったら「それを言っちゃあおしまいよ」と言うところ
     です。

     そんな彼に反論する言葉も見つからないまま『日本スポーツ事典 ト
     ピックス 1964-2005』のコラムを書くことになり、ページをめくって
     みました。

     『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』は、東京オリンピック
     が開かれた1964年から2005年までの42年間に起った、日本スポーツ
     界のトピックス5,700件を年表形式で記載した事典です。

     プロ・アマを問わずあらゆるスポーツが対象で、収録競技は野球、
     相撲、マラソン、ラグビー、サッカー、ボクシング、卓球など多岐
     にわたるのが大きな特徴です。

     古い時代から見てまず目に入ったのがこれ

    >1984.7.28~8.12 〔オリンピック〕ロサンゼルス五輪開催

     開会式で宇宙飛行士が飛び回る演出は今でも鮮明に覚えています。
     私が見たスポーツ番組の中で、一番古い記憶です。

    >1998.10.8 〔プロ野球〕横浜がリーグ優勝
     
     38年ぶりの優勝。ベイスターズファンの私はこの試合、甲子園まで
     見に行きました。

    >1977.5.22 〔大相撲〕若三杉が初優勝

     私を妊娠中だった母のお腹を撫でてくれた力士(栃赤城)が初の敢
     闘賞を受賞した場所。
     おかげで健康(だけがとりえ)な成人になりました。


     上記、つらつらと私事を書き連ねました。
     スポーツは公に向けて発せられたものであるのに、受け取る人間の
     心や状況によって、それは極めて私的なものになるのだなぁとあら
     ためて思いました。

     震災の年にオリックスが優勝したのは究極の例ですが、そこまでで
     なくとも、敬遠球を打ち返した新庄を見て「とりあえずバットを振
     る」ことの大事さを知り、好きな女の子に告白する勇気をもらった
     男の子がいたかもしれません。

     千代の富士が「体力の限界っ」と言って引退するのを見て、「俺は
     まだそこまでがんばってないなぁ。がんばらないとなぁ」と気合を
     入れなおした人もいたかもしれません。

     ちっぽけな自己投影かもしれませんが、スポーツには多くの人を
     ちょっとだけ勇気付ける、そんな魔法が秘められてることをこの本
     を読んで思い出しました。
     冒頭の知人にもそんなことを言おうかと思っています。
                                (原沢)

      ◆『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』
                ――――本体価(税込):12,000円(12,600円)
     http://www.nichigai.co.jp/sales/nihon_sports.html

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        地名にあたりをつける
    ■╋                『外国地名レファレンス事典』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     先日読んだ本に『モーイラナの国立図書館に』という記述があり、
     モーイラナってどこだ?という疑問を持ちました。

     語感的にインドっぽさを感じます。アフリカかもしれません。

     「モーイラナ」でググりましたが、個人のブログが1件引っかかるだ
     けで、よくわかりません。
     次に「ネットで百科」で検索しましたが引っかかりませんでした。

     このときはこれであきらめたのですが、今回小社より「外国地名レ
     ファレンス事典」が出版されることを受け、再度調べてみました。

    ---------------------------------------------------
     モ・イ・ラナ Mo i Rana ノルウェーの都市名(日大22)
     (「外国地名レファレンス事典」より引用)
    ---------------------------------------------------

     ノルウェーの町とのこと。さらにモの後に音引き(ー)はありませ
     んでした。グーグルで引っかからないわけです。日本語表記にゆら
     ぎがある場合、ネットは弱いです。

     そこで(日大22)こと日本大百科全書の22巻をあたってみました。
     下記引用します。

     ---------------------------------------------------
     モ・イ・ラナ Mo i Rana
     ノルウェー西岸にあるラナ郡の中心都市。
     人口2万5317(2002)。北極圏のすぐ南のラナフィヨルドの湾奥に位
     置する。1955年に生産開始したノルウェー最大の国営製鉄所があり、
     数回に及ぶ設備拡張がなされ、銑鉄および鋼鉄をそれぞれ年間70万
     トン生産している。スウェーデンのウーメオとの間に道路が通じる。
     [竹内清文]
     (「日本大百科全書」22巻 小学館 より引用)
    ---------------------------------------------------

     記述は思ったより短いですが「そんなに大きな都市じゃない」とい
     うことはわかりました。

     さらに米Wikipediaで「Mo i Rana」を引いてみました。
     >Mo i Rana houses the National Library of Norway.
     とあるとおり、確かに国立図書館は建っているようです。

     それにしても、国立図書館を建てるのに、2万人の町「モ・イ・ラナ」
     がなぜ選ばれたのでしょうか。本館は首都オスロにあるようですが。

     今後はその謎を探るべく、関連文献に当たってみようと思っています。
                               (原沢)

     『外国地名レファレンス事典』
     ISBN 4-8169-1992-9
     本体価(税込):42,000円(44,100円)

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        新聞に見る輝ける外国人たち
    ■╋                      『CD-毎日新聞』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     昼休みに、部長がおもしろいサイトを教えてくれました。
     「どらく」http://doraku.asahi.com/index.html
     "朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンタテインメント
     サイト"ということで、がっちりハートをつかまれたようです。

     部長のお薦めはフロントランナーのページ。第一回目は桝一市村酒
     造場取締役セーラ・マリ・カミングスさんが取り上げられています。

     "酒造りの誇りを蘇らせた米国人「台風娘」"とあるように、強い信
     念と行動力で創業250年の造り酒屋・桝一再興の原動力となった人。

     おやじさん、日本の伝統文化が廃れてもいいのですか!!と次々に
     アイディアを実現させていく経緯は圧巻です。ただでさえ目立つ金
     髪・碧眼の彼女。社内の反対は相当なものだったらしいのに、熱意
     と結果で周囲を納得させていく姿に胸がすっとします。

     このページ、もとは朝日新聞be「フロントランナー」に掲載された
     もの。新聞はその時その時に輝いていた人の姿をも伝えます。
     日本の伝統文化を愛し、活躍している外国人をもっと知りたいと思
     い、『CD-毎日新聞』を使って検索してみました。

     検索対象には2001年版から2004年版を選び、専用検索ソフトを使っ
     て串刺し検索。日本、文化、伝統、外国人などキーワードを組み合
     わせて検索していくと、次々に輝いている外国人たちの記事がヒッ
     トしました。

     ネット検索とほとんど同じ要領ですが、典拠がしっかりした情報が
     得られるところに新聞ならではの強みがあります。記事中から関連
     書籍、専門家などをピックアップしておけば調査の幅も広がります。

     検索結果の中で再びセーラ・カミングスさんと遭遇。なんとこの人
     は「ウーマンズ・オブ・ザ・イヤー2002」も受賞した人でした。

     本当に好きなことに打ちこみ、困難を乗り越えて輝く人たちの姿。
     励みになり、勇気を与えてくれます。

                               (大橋)
     『CD-毎日新聞』著作権者:毎日新聞
      ◇CD-毎日新聞’91~’95 各20,184円(税込)
      ◇CD-毎日新聞’96~2003 各20,160円(税込)
      ◇CD-毎日新聞2004~2005 各25,200円(税込)

     『HD32ビット毎日新聞』Windows対応 31,500円(税込)
      ハードディスクに各年分をインストールし、何年分でも素早く
      串刺し検索できる専用検索ソフトです。ぜひご一緒に!

     『CD-5yrs.毎日新聞』
      ◇CD-5yrs.毎日新聞’91~’95 102,900円(税込)
      ◇CD-5yrs.毎日新聞1996-2000  102,900円(税込)
      ◇CD-5yrs.毎日新聞2001-2005  102,900円(税込)
     
     さらに詳しい情報はこちら↓↓
     http://www.nichigai.co.jp/sales/mainichi/cdmai.html

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        そのキーワード、誰がどれくらい検索したの?
    ■╋                     『Google  Trends』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     「Google  Trends」が面白いです。(本メルマガVol.34で紹介)
     http://www.google.com/trends

     これは特定のキーワードについて、どこの人がどれくらい検索した
     かグラフで確認できるサービスです。

     例えば『図書館』と入力してみます。
     1位 つくば市;2位 文京区;3位 岡山市;4位 仙台市、でした。

     1位、2位はさもありなん、といった印象。
     3位の岡山市は、県立図書館の新設(2005年度全国最多の入場者数)
      が、反映された形です。
     時期的には『図書館』の検索件数が最も多いのは、夏場のようです。

     『Library』を調べてみます。
     1位 Columbus(US);2位 Pleasanton(US);3位 Salt Lake City
      (US)。
     有名な図書館がColumbus市にはあるのでしょうか??
     こちらは8月に検索が増加する傾向はありません。クリスマス休暇で
     大きく減少するのが英語圏らしいといえばらしいですが。

     『Reference』では
     1位 Bangalore(India);2位 Hong Kong (Hong Kong);
     3位 Vancouver(Canada);4位 Washington, DC (US)。
     インドが1位とは失礼ながら予想外でした。

     コンマ(or 読点)で区切れば検索結果の比較も可能です。
     発想が貧困で恐縮ですが、『Reference,Mcdonald』と入力すれば、
     レファレンスとマクドナルドの異種格闘技戦さえ実現します。

     一時期話題になった単語や人の名前などを入力すれば、栄枯盛衰の
     感を抱くこと、必定です。

     皆さんもぜひいろいろお試しください。

                                (原沢)

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋       どこかで見たことがある写真はどこにある?
    ■╋          ―『写真レファレンス事典 人物・肖像篇』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     作家・太宰治が写っている有名な写真がある。どこかのバーのカウン
     ター席で、太宰が丸い椅子の上にあぐらをかいている姿を、下から見
     上げるように撮ったものだ。撮影者は写真界では有名な方らしいが、
     残念ながら名前がわからない。この写真が載っている写真集を探した
     いのだが...という問い合わせがあったら、どのように調べたらよい
     だろうか?
     そういえば、どこかで見たことがある写真だと思い当たる方も多いだ
     ろう。

     従来の調査手順としては、その有名な写真が載っていると思われる文
     学関連書籍、例えば『新潮日本文学アルバム 太宰治』や個人全集の
     口絵写真などを繰ってみて撮影者名が判明したところで、改めてその
     写真家の写真集を探し始めるのではないだろうか?

     このような写真集に収録された人物・肖像写真を、被写体の人名から
     すぐに検索できる初の写真索引が、この3月に刊行された『写真レファ
     レンス事典 人物・肖像篇』である。

     本書には主要な写真全集・人物写真集176冊に掲載された7,071人の写
     真(18,902点)の撮影年、撮影者名、写真集の書名・掲載頁、構図な
     どのデータを収録しているので、件の"太宰治の有名な写真"がどれな
     のか、あたりをつけることができる。

     さっそく、被写体である"太宰治"で引いてみると、その写真は1946年
     に写真家・林忠彦が撮影したもので、1990年以降に刊行された何種類
     かの写真集にも収録されていることがわかる。
     更には、撮影地が銀座の酒場「ルパン」であることや、写真の初出が
     文芸雑誌『小説新潮』1948年1月号に掲載されていることも、ここから
     読み取れるのである。

    ----------------------------------------------------
      太宰治〔1909~1948 小説家〕
     《1946年 林忠彦》
     『林忠彦写真全集』平凡社 1992.8 37cm
      ◇p143 モノクロ 撮影地:銀座・酒場<ルパン>
        1人 1/5ページ以下 全身 斜め
       *『小説新潮』昭和23年1月号

     (中略)

     『日本現代写真史 1945~95』平凡社 2000.3 26cm
      ◇p143 No.218 モノクロ 「太宰治 銀座・酒場
         ルパン」 1人 1/2ページ 全身 斜め

     (中略)

     『日本の写真家 25』岩波書店 1998.1 23×23cm
      ◇No.26 モノクロ 撮影地:銀座・酒場「ルパン」
         1人 1/3ページ 全身 斜め
       *『小説新潮』1948年1月号掲載
       *林忠彦作品研究室蔵
    ----------------------------------------------------

     また、逆に撮影者名がはっきりとしている場合、例えば"篠山紀信が撮
     影した作家の写真"を探すには、「写真家名索引」から検索すると便利
     だ。篠山氏が手がけた被写体数は750人にも上るので根気がいる作業に
     なるのだが、50音順に青木玉、青島幸男、赤川次郎から柳美里、結城昌
     治、吉行淳之介、渡辺淳一に至るまで、被写体となった作家名を拾い上
     げていくことができる。

     通常のレファレンスツールとしてだけでなく、企画展示などで人物写
     真を探す際にも、積極的に活用していただきたい一冊である。

                                 (袴田)
     『写真レファレンス事典 人物・肖像篇』
      東京都写真美術館〔監修〕 定価44,100円 (税込)
       B5・880頁 ISBN4-8169-1904-X 2006年3月刊行

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋      あの短編は、どの本に収録されているの?
    ■╋     ―『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレンス』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ノーベル賞作家の川端康成は、自らの短編小説を「掌(たなごころ)の
    小説」と名づけた。掌にのるような小品という意味だが、長編小説には
    ない独特の魅力があり、味わい深いものである。

    芥川龍之介、志賀直哉、中勘助、中島敦、向田邦子など、短編小説の名
    手と呼ばれる作家がいる。松本清張も300編ほどの短編を残している。
    海外では、O・ヘンリー、モーパッサン、エドガー・アラン・ポー、ロ
    アルド・ダール、レイ・ブラッドベリなどが有名だろうか...。

    ある短編小説(作品)を読みたい時、どの全集や単行本に収録されてい
    るか、というのが問題となる。一冊一冊目次を調べるのは手間だ。そん
    な時にお奨めなのが『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレン
    ス』である。

    読みたい作品名や著者名を入力して検索ボタンをクリックすれば、瞬時
    に該当する図書データが表示される。掲載図書名や出版社、出版年月か
    ら検索することもできるし、勿論、それらを掛け合わせての“AND検索”
    も可能だ。

    たとえば、芥川龍之介の、南京の夜の町に働く娼婦のお話を探す場合。
    タイトルが多少うろ覚えでも“作品名”欄に「南京」というキーワード
    を、“著者名”欄に「芥川龍之介」と入れて検索(前方一致)すると、
    ちゃんと以下の結果が得られる。

     南京の基督(芥川龍之介)
      『芥川龍之介全集 3』筑摩書房 1986.12(ちくま文庫)
      『芥川龍之介小説集 4 怪奇小説篇』岩波書店 1987.9
      『大導寺信輔の半生・手巾・湖南の扇 他十二篇』岩波書店 1990.10
      (岩波文庫)
      『芥川龍之介全集 第6巻 南京の基督 杜子春』岩波書店 1996.4
      『羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 他十八篇』文藝春秋 1997.2(文春文庫)
      『ザ・龍之介 芥川龍之介全一冊 増補新版』第三書館 2000.7


    翻訳作品の場合は、邦題にバラつきがあるので、あまり絞り込まずに広
    く網を掛ける方が有効だ。ポーの有名な短編『アッシャー家の崩壊』は
    “作品名”欄は空白、“著者名”欄に「エドガーアランポー」と入れて
    検索すれば、作品名の五十音順に(先頭にまとまって)表示される。

     アシャー家の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『アモンティラードの樽 その他』小学館  1998.3(地球人ライブラ
      リー)
     アシャー館の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『世界の文学セレクション36 12 ホーソン・ポー〔新装版〕』
      中央公論社
     アッシャア家の没落(エドガー・アラン・ポー)
      『ポオ小説全集 2 幻怪小説 新装版』春秋社 1998.9
     アッシャア屋形崩るるの記(エドガー・アラン・ポー)
      『ゴシック名訳集成西洋伝奇物語 伝奇ノ匣 7』学習研究社 
      2004.6(学研M文庫)
     アッシャー館の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『集英社ギャラリー「世界の文学」 16 アメリカ 1』集英社 1991.1
      『黒猫』集英社 1992.5(集英社文庫)
      『ポーの黒夢城』大栄出版 1996.7(STORY REMIX)


    当CD-ROMは、1986~2005年に刊行された図書2.2万冊に掲載されている
    短編小説作品18万タイトルを収録している。巨匠の全集から傑作選、
    アンソロジーなど幅広い図書の内容を検索できる。

    公共図書館で購入された場合、登録法人機関内で同時に5人までご利用
    可能。すなわち、本館と分館で共同利用できる。カウンターのクイック
    レファレンスに是非ご活用いただきたい。

                                  (竹)

    『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレンス』
      発売記念特価:33,600円(本体32,000円)
      2006年2月 日外アソシエーツ発売 ISBN4-8169-8188-8
      Windows 対応検索ソフト ViewIng Ver.2.43 収録
      http://www.nichigai.co.jp/sales/short-novel.html

    * 書籍版「短編小説12万作品名目録」(2001年)の増補改訂版です!

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋      “ビジネス英文”作成の虎の巻
    ■╋          ―『CD-ビジネス技術 実用英語大辞典 第4版』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     翻訳者の間で絶大なる人気を誇る英語辞典がある。通称“海野(うん
     の)さんの辞書”として親しまれている『CD-ビジネス技術 実用英語
     大辞典』(海野文男・海野和子編)だ。

     自らも翻訳者である海野夫妻が、翻訳作業をする中で「既存の辞書で
     はあまりにも役に立たない表現が多く、それならばというので自分達
     で日本の辞書に載っていない表現を集め始めた」のがきっかけ。まだ
     パソコンも普及していない頃からこつこつと溜め込んだデータが大学
     ノート30冊を超えたところで、満を持して大手出版社に出版企画を持
     ち込んだが、残念ながら商品性を見極められず敢えなくボツに。

     しかし、寝食を惜しんで努力する者にチャンスは訪れ、報われる。朝
     日新聞に掲載された「辞書づくり」という海野夫妻の記事を目にした
     日外アソシエーツ編集部K氏はその価値にピンと来た。速攻でコンタ
     クトを取ると1994年1月、初版(書籍版)の刊行に至ったのである。

     「豊富な用例文」がこの辞書の最大のウリだが、そのデータソースは、
     英語圏の書籍や雑誌、英語国企業によって作成された文書などである。
     自然な生の英文を用例に取り込むことで、どのような前置詞、動詞、
     形容詞と連語を成すか(コロケーション)、加算名詞なのか不可算名
     詞なのか、主語や目的語にどのようなものをとるか、などといった英
     文の実際の組み立て方を確認できる。

     「英語を外国語とする日本人が、文法の知識だけを頼りに英作文する
     ことはしょせん無理があります。英語のネイティブが使っている実例
     文をそのまま応用するのが、もっとも確実で手っとり早い方法です。」
     という海野さんの序文の言葉には、深く頷ける。

     私自身“うんのさんの辞書”の愛用者である。データベース関連の仕
     事上、海外の図書館と英文メールのやり取りをすることも少なくない。
     会社のPCには、リーダーズ+プラスV2(研究社)、ジーニアス英和
     大辞典(大修館書店)などがインストールされているが、やっぱり一
     番よく使うのは“うんのさんの辞書”だ。

     たとえば、「円建てで支払いをお願いします」という表現。「円建て」
     を英語でどう表現するか...46万語を誇る『リーダーズ』を検索しても、
     以下のような項目が引っ掛かるのみで間に合わない。

     samurai bond
      円建て外債, サムライボンド《日本の債券市場で円貨表示により発
      行された外国発行者の債券》.
     yenbond
      -n 円建て債《日本政府機関などが海外で発行する円建ての債券》.

     一方、『ビジネス技術 実用英語大辞典』を「円建て」という言葉で
     全文検索するとこんな表現がすぐに見つかる。探し求めていた表現だ。

     denominate
      vt. ~に名前をつける, 命名する, 称する
      ◆yen-denominated goods  円建て[円ベース]で値が付けられている
       製品[商品]
     yen
      a ~ 1円 (pl. yen); the ~ (日本)円
      ◆an amount denominated in yen  円建て金額
      ◆on a yen basis  円ベース[円建て]で


     最新版の“うんのさんの辞書”には、英和と和英に分かれた書籍版と
     1枚の CD-ROM 版がある。英和/和英どちらからでも縦横無尽に検索
     できる CD-ROM 版の方が使い勝手がいい。気になる表現はコピー&
     ペーストで、すぐに自分の文書に応用できるのがまたいい。

     図書館のレファレンス関係の出版物が多い日外アソシエーツにとって、
     この辞書は異質な商品であるが、海野さんが「特に日本語表現を英語
     表現に訳している部分は、翻訳者の命をかけてつくっている」と自負
     するだけあって、またたく間に市井の評判を博し、第4版を数える今も
     ロングセラー商品となっている。

     待望の改訂第5版の準備も始まっている。ビジネス支援を打ち出した
     公共図書館にはぜひ、書架に揃えて欲しい一枚(一冊)である。

                                 (竹)

     『CD-ビジネス技術 実用英語大辞典 第4版』
      海野文男・海野和子編著 発行・発売:日外アソシエーツ
      価格11,550円(税込) ISBN 4-8169-8155-1 2003年1月発売
      http://www.nichigai.co.jp/translator/unno4_2.html

     『ビジネス技術 実用英和大辞典』
      海野文男・海野和子編 定価5,040円(税込)
      A5・約1,330頁 ISBN4-8169-1743-8 2002年11月刊行

     『ビジネス技術 実用和英大辞典』
      海野文男・海野和子編 定価5,460円(税込)
      A5・約1,210頁 ISBN4-8169-1744-6 2002年12月刊行

      http://www.nichigai.co.jp/translator/unno4.html

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋           「e-レファレンス/ツール」は超使える!
    ■╋    ―「人物レファレンス事典」で揺らぎを確認してみる 編
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     モンゴル帝国建国800周年ということで、チンギス・カンがちょっと
     したブームになっています。

     日経新聞では堺屋太一氏が小説「世界を創った男 チンギス・ハン」
     を連載。
     日蒙合作映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」の製作も進行中で、
     反町隆史がチンギスハーンを演じるとのこと。
     大相撲三月場所で優勝したモンゴル人横綱の朝青龍もこの映画に出
     たいと言っていましたね。
     
     と、ここまで書いて気が付いたんですが、チンギスくらい、日本語
     表記の揺らぎが多い偉人も珍しいですね。

     チンギス、ジンギス、カン、ハン、あまり統一されていない印象が
     あります。下記に簡単に列挙してみます

     ●姓 :「チンギス」or「ジンギス」or「チンギズ」
     ●中点:「・有」or「・無」
     ●称号:「ハン」or「カン」or「ハーン」or「カーン」

     上記3×2×4=24で、単純に考えて24通りの組み合わせがあります。
     どれが正しいのでしょう。

     こんな時、「e-レファレンス/ツール」の「人物レファレンス事典」
     を引いてみます。

    ┌─────────────────────────────┐
    │                             │
    │ 「人物レファレンス事典」は日外アソシエーツが刊行している│
    │ その人物が「どの事典(人物事典・百科事典・歴史事典)にどう│
    │ いう見出しで掲載されているか」を明示した人物調査の定番書│
    │ 籍です。                        │
    │                             │
    │ 「e-レファレンス/ツール」はそれをネットで調べられるよう │
    │ にした料金定額サービスです。(さりげなく説明&アピール)│
    └─────────────────────────────┘

     e-レファレンス/ツール検索の結果、チンギス・カンは世界史上の人
     物だけあって18冊もの事典に掲載されていることがわかりました。
     下記、一部転記します。

    > Chinggis Khan 〈12・13世紀〉 
    > モンゴル帝国の建設者。初代ハン(在位1206~27)。
    > 【掲載事典】
    > ◎岩波=ケンブリッジ世界人名辞典
    > チンギス・ハーン 1162-1227
    > ◎外国人名事典
    > チンギス・ハーン 1167頃-1227
    > ◎ブリタニカ国際大百科事典
    > チンギス・ハン 1162?-1227.8 


     「太祖」と漢字で掲載されている2つを除いた、各表記の掲載数は

    (1)「チンギス」13冊 「ジンギス」2冊 「チンギズ」1冊
    (2)「・有」  14冊 「・無」    2冊 「=」      1冊
    (3)「ハン」   9冊 「カン」    3冊 「ハーン」  3冊
       「カーン」 0冊

     という結果でした。

     「チンギス・ハン」という表記が(事典類に限っていえば)一般的
     なようです。

     また、上記引用を見る限り「チンギス・ハン」には別の未確定要素
     があります。
     それは出生年。1167年と、1162年の二説あるのです。
     草原から成り上がった人物だけに、信頼できる史料に乏しいのが
     その理由かと思われます。

     こちらについても「人物レファレンス事典」の検索結果をカウント
     してみます。
     すると1167年説を採っている事典は10冊、1162生年説を採っている
     のは8冊でした。この二説は、意見がほぼ均等に割れているんですね。

     もちろん、これだけの調査でどれが正しい、とするのは乱暴です。
     読み方にせよ生年にせよ、正確を期する場合は最新の研究や諸資料に
     あたり総合的に判断する必要があります。
     
     しかし人物の(特に著名な人の)表記の揺らぎや生没年の諸説を確認
     する際の最初のとっかかりとしてまず「人物レファレンス事典」を見
     るというのはかなり効率のいいやり方だなと感じました。

                                (原沢)

     <e-レファレンス/ツール 法人料金/年間>
     「人物レファレンス事典 日本/外国」
      基本ライセンス(1ID)   \95,550(本体\91,000)
      同時アクセス追加    \23,625(本体\22,500) 

     <e-レファレンス/ツール 個人料金/年間>
     「人物レファレンス事典 日本」
                 \12,600(本体\12,000)
     「人物レファレンス事典 外国」
                 \11,025(本体\10,500)

     【e-レファレンス/ツール/案内ページ】
      http://www.e-reftool.jp/

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋       人事は棺を蓋うて定まる
    ■╋             ―4月新刊『追悼記事索引 1991-2005』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     中国の古くからのことわざに「蓋棺事定」(がいかんじてい)という
     のがある。「蓋棺論定」ともいい、一個の人間の是非善悪や価値は、
     亡くなって初めて明らかになるという意味。唐代の詩人・杜甫がその
     書簡の中で繰り返し使ったそうである。

     人の死にあたって、故人の業績や人柄を偲び、あらためてその生涯を
     総括するというのは自然な行為であろう。著名人の場合は、新聞・雑
     誌に追悼記事や特集記事が組まれることが多い。同時代の関係者によ
     って書かれた追悼記事は、故人の生き様を生き生きと物語る、貴重な
     「人物情報源」である。特に物故直後に出た記事は生前の評価を知る
     唯一の資料となるケースも少なくないという。

     本書は、過去15年間に物故した約5,700名の追悼記事(没後3年以内)
     の情報を集め、故人名の50音順に排列した総索引だ。各記事の執筆者
     名からも引くことができる。概ね1910年代に生を受け、高度経済成長
     期から安定成長期に至る日本社会を担った各界のキーパーソンを幅広
     くカバーしている。

     まだ市場に出回っていない新刊本の「版下」にいち早く目を通すこと
     ができるのは、出版社勤めの役得。早速、編集局から拝借した大事な
     版下をつらつらと眺めてみると、作家、政治家、思想家、経済人、芸
     術家、芸能人、アスリートなどなど、収録対象は思いの外、バラエテ
     ィに富んでいる。

     たとえば、紀州熊野(和歌山県新宮市)出身の芥川賞作家、中上健次。
     1992年に46歳の若さで亡くなっている。『追悼記事索引 1991-2005』
     を開くと、「中上健次」の見出しの下には実に130名以上の人々が書い
     た追悼記事の情報がぶら下がっている。各タイトルを追うだけでも記
     事の中身をある程度、伺い知ることができるので、文献調査の有力な
     足掛かりとなるだろう。また、地方紙までちゃんと目配りが利いてい
     る。

     《井口 時男》
     ◇中上健次が遺したもの―80年代の意味問う/言葉の「貧しさ」あら
      わに 「西日本新聞」 1993.10.7朝 p19
     《尹 興吉》
     ◇童心と魔性―中上健次のこと 「新潮」90(3) 1993.3 p236~242
     《梅原 猛》
     ◇中上健次の死―果たせなかった熊野対談、霊は人の魂を魅惑し続け
      る(思うままに) 「中日新聞」 1992.8.24夕 p9
     《島田 雅彦》
     ◇追悼中上健次―地の果ての「王」最後の作家 「週刊朝日」97(35)
      1992.8.28 p34~36
     《立松 和平》
     ◇「無人の野を独りで歩いていたあいつ」―前夜までペン、壮絶な中
      上健次の死 「アサヒグラフ」 3665号 1992.8.28 p20
     《蓮実 重彦》
     ◇‘92文芸時評―中上健次の死は、無慈悲なまでに抽象的である(追
      悼 中上健次〈特集〉) 「文藝」31(4) 1992.11 p224~231
     《ビートたけし》
     ◇中上健次は“最後の小説家”だったぜ(たけしの場外乱闘〔44〕)
      「週刊文春」34(34) 1992.9.10 p56
     《都 はるみ》
     ◇中上健次さん「あなたは頼りになる兄でした」(付グラビア)(REQUI
      EM)「サンデー毎日」71(36) 1992.8.30 p31
     《安岡 章太郎》
     ◇中上、いま死なれたらたまらんよ(付グラビア)(追悼特集・46歳
      の夏、中上健次逝く) 「週刊ポスト」24(34) 1992.9.4 p52~55
     《吉本 隆明》
     ◇比類のない文学思想―中上健次氏を悼む 「京都新聞」 1992.8.13
      朝 p14

          <『追悼記事索引 1991-2005』本文よりランダムに抜粋>

     本書を繙くと、どんな人が追悼記事を寄せているか、ざっと一覧でき
     るので、故人の交友関係が浮き彫りとなって興味深い。もうひとつ、
     「ジャイアント馬場」の項を見てみよう。阿川佐和子、アントニオ猪
     木、内館牧子、香山リカ、黒鉄ヒロシ、関根勤、馳星周、ビートたけ
     し、スタン・ハンセン、辺見庸、夢枕貘など、蒼々たる名前が並んで
     いる。熱烈な馬場ファンも多いようだ。中でも格闘技好きな私が個人
     的に気になったのは、以下の《無署名ほか》の記事である。

     ◇油絵と司馬遼太郎を愛したジャイアント馬場の「がん死」 「週刊
      文春」 41(6) 1999.2.11 p170~172

     簡潔な追悼記事には、故人の「人となり」がよく現れる。何だかプロ
     レスラー馬場の本当の素顔を垣間見る思いがするではないか。早速、
     日曜に図書館へ出掛けよう。

                                 (竹)

     『追悼記事索引 1991-2005』
      紀田順一郎〔監修〕 定価33,600円(本体32,000円) 2006.4刊
      日外アソシエーツ B5判 952頁 ISBN4-8169-1968-6

     【案内ページ】
      http://www.nichigai.co.jp/sales/tribute.html

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