今年最後のレファクラ通信をお届けします。
この一年を振り返ると、グーグル・ブック検索の集団訴訟問題が耳目を
集めました。図書館に眠った書籍をデジタル化して再流通させようとい
うのは、権利ビジネスである出版業界からは生まれ得なかった、ITベン
チャー企業的発想です。「黒船」と言われる所以でしょう。そしてグー
グルの恐るべきところは、2004年の図書館プロジェクト開始以来、僅か
4年程で700万冊以上をデジタル化してしまったこと。夢のような途方も
ない話が一気に現実味を帯びてきました。
日本でも国立国会図書館を中心に書籍のデジタル化が少しずつ進められ
てきましたが、今年度は何と、前年の100倍の予算126億円が計上され、
6月の著作権法の改正で(国立国会図書館は)無許諾でデジタル化でき
るようになりました(2010年1月1日施行)。グーグルの影響は絶大です。
もっとも、新政権の事業仕分けで補正予算の見直しが入り、電子化予算
の行方も不透明…外圧による変革は早々と失速気味かもしれません。
現在、電子化する書籍を米・英・豪・加の4ヵ国の出版物に限定すると
いうグーグル和解修正案が11月にニューヨーク連邦地裁で仮承認され、
来年2月18日に最終承認のための公聴会が設定されています。日本の出
版物は和解案の対象外となりますが、今後ともグーグルの動向から目が
離せませんね。
よいお年を。
(竹)