「週刊読書人」2010年4月16日号(第2834号)にブックディレクター幅允
孝(はば・よしたか)さんのインタービュー記事が載ってました。
ブックディレクター…耳慣れない肩書きですが、書店や図書室、カフェ
など、本が必要な場所にその場のコンセプトやテーマに合わせて本を選
び、「本棚の編集」を請け負う新しい職業だそうです。
女性=料理、園芸、男性=車、スポーツといった既成の本のセグメント
(分類)を一旦解体し、その場に似つかわしいセグメントをやり直して
棚づくりすると、思いがけない本との偶然の出会いが生まれるそうです。
買いたい本が決まっていれば、アマゾンなどのネット書店で買うのが効
率的ですが、直線的な「検索」ではノイズに過ぎない「その他の本」も
リアルな本棚に収まれば、組み合わせ次第で新たなインスピレーション
を喚起させることがあります。欲しい本が決まってない人、あるいは本
を欲しいとも思っていない人の好奇心をいかに掻き立てるか、それがブ
ックディレクションの醍醐味なんだとか。
一方、ウェブ上に自分の仮想本棚をつくり、蔵書管理やレビューを行う
ことができるコミュニティ「ブクログ」(http://booklog.jp/)など、
本好きのソーシャルメディアも活況を呈しています。が、どうしても、
ネット探索は自分の関心空間に限られていき、結果として均質的なコミ
ュニティに向かう傾向があるようです。やっぱり異質なものと知的遭遇
体験は、リアルな本棚で本を手に取ることから生まれるのでしょうか。
有限会社バッハ(代表:幅允孝)
http://www.bach-inc.com/top.html
参考:ACROSS 幅允孝インタビュー(2009/02/23)
http://www.web-across.com/person/cnsa9a000002h1ag.html
(竹)