2010年4月~2011年3月までの1年間の日外アソシエーツの出版物を振り
返ってみると、出版点数66点、合計本体価158万円。出版総数のうち、
65%が継続ものでした。
平成22度のわが国の書籍販売総額(推定)は前年比3.3%減の8213億円。
“出版不況”が叫ばれて久しい中、年々、市場規模は縮小しており、小
社も確実に採算の取れる継続出版に軸足を置いていますが、一方で「事
典 日本の大学ブランド商品」「アニメ作品事典」「福祉・介護レファ
レンスブック」「郷土ゆかりの人物総覧」など、タイムリーな新企画へ
のチャレンジも忘れておりません。
また、書籍のみならず、「日外e-レファレンス・ライブラリー」という
オンライン検索サービスや、紀伊國屋書店が提供する「NetLibrary」の
eBOOK メニューとしても提供中です。
“出版不況”の要因の一つに昨今のインターネットや携帯の普及拡大が
挙げられます。インターネットは元々参考図書との親和性が高く、小社
も注力している分野ですが、気がかりなのは、思うようにネットにアク
セスできない情報弱者が増えて格差が急速に広がっているのではないか
ということ。「国民の知る権利」に関わる由々しき問題です。
(基本的人権の一つとして)知る自由をもつ国民に資料と施設を提供す
ることを最重要任務としている図書館。“知”のセイフティネットとし
ての機能を果たすために多様な「参考図書」の整備を期待したいです。