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    ■ 「ノルシュテインの絵本づくり」展
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    「ノルシュテインの絵本づくり」展
     期間:開催中~2007年01月31日(水)
     時間:10:00~17:00
     会場:ちひろ美術館東京館
         〒177-0042 東京都練馬区下石神井4-7-2
              http://www.chihiro.jp/tokyo/
     料金:一般・大生:800円(高中小生:無料)
     休館日:月曜日(祝日開館、翌日休館)
     後援:駐日ロシア大使館/福音館書店/アエロフロート・ロシア航空

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 慶應義塾図書館の貴重書を展示
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     第20回慶應義塾図書館貴重書展示会
     「義塾図書館を読む~和・漢・洋の貴重書から~」

     期間:2007年1月26日(金)~1月31日(水)
     会場:丸善・丸の内本店 4階ギャラリー(入場無料)
      時間:9:00~21:00(最終日は17:00閉場)
      http://www.maruzen.co.jp/home/tenpo/keio/keio_top.html

     関連講演会:4階ギャラリー/各日とも14:30~16:00
     1月26日(金)
      佐々木孝浩(慶應義塾大学助教授)
        「和本の美容術」

     1月27日(土)
      井上進(名古屋大学大学院教授)
      「漢籍からたどる中国の伝統文化」

     1月28日(日)
      高宮利行(慶應義塾大学教授)
      「イングランドに輸入された中世写本と初期印刷本」

      1月29日(月)
      小秋元段(法政大学教授)
      「古活字本の誕生」

      1月30日(火)
      住吉朋彦(慶應義塾大学専任講師)
      「日本漢学の伝統」

      1月31日(水)
      松田隆美(慶應義塾大学教授)
      「挿絵とレイアウトからたどる西洋書物史」

    ……………………………………………………………………………………
    ■ アジア古籍保全講演会
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     「第2回アジア古籍保全講演会」
     日時:2007年1月23日(火)10:30~17:15
     会場:東京大学工学部2号館大講堂(213号室)
     申し込み〆切:2007年1月19日
     E-mailで受け付ける。詳細は下記で。
     http://institute.ioc.u-tokyo.ac.jp/%7Elibrary/news/asia_lec_no2.html

     10:30 開会挨拶:関本照夫(東京大学東洋文化研究所長)
     10:40 事例報告
         木部徹((有)資料保存器材)
         「東洋文化研究所所蔵漢籍・中国書の劣化調査と補修」
      11:20  小島浩之(東京大学経済学部図書館資料室助手)
             「アジア近現代資料の保存と利用-東京大学経済学部資料室の
             取り組み」
      13:30  講演
         周崇潤(中国国家図書館善本部図書保護係長)
         通訳:橋本 秀美(北京大学歴史系副教授)
         「中国古籍の保全と修復」
      15:00  木川りか(東京文化財研究所保存科学部主任研究官)
         「書籍・資料のカビとその対策」
     16:45 総合討論
         周崇潤/木川りか/橋本秀美/小島浩之/木部徹
         進行:鎌田繁(東京大学東洋文化研究所副所長)

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 劣化する戦後写真-地域資料としての行政所蔵写真の危機-
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     「劣化する戦後写真-地域資料としての行政所蔵写真の危機-」
     日時:2007年1月25日(木)13:00~17:00
     会場:尼崎市総合文化センター第2会議室(7階)
     主催:全国歴史資料保存利用機関連絡協議会近畿部会・資料保存委員会
     問い合わせ先:資料保存委員会事務局(兵庫県文書課歴史資料係) 
                   TEL.078-362-4133
     http://www.jsai.jp/iinkai/kinki/index.html#20061204

     13:00 開会
     13:15 基調報告(45分)
         大林賢太郎氏(京都造形芸術大学歴史遺産学科助教授)
             「写真資料の保全について-紙資料としての写真資料、プリ
             ントを中心に-」
        
      14:00 事例報告(45分)
             辻川敦氏、西村豪氏(尼崎市立地域研究史料館)
             「尼崎市立地域研究史料館における写真資料の保存・活用と
             ボランティア-広報写真の史料館受け入れを通じてー」
             
      15:15 技術紹介(20分)
             花島真太郎氏((株)ケイジェイ・イメージング)
             「戦後写真資料の劣化と保存対策-ネガフィルムのカビ除去、
             保全処置を中心に-」
            
      15:35 質疑応答
      16:50 閉会

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 子どもの本この1年を振り返って
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     「第7回子どもの本この1年を振り返って」
     主催:NPO図書館の学校
     後援:日本児童図書出版協会
     日時:2007年1月26日(金)10:30~16:30
      会場:国立オリンピックセンター記念青少年総合センター
           センター棟102
      定員:180名
      参加費:3,000円
      詳細:http://www.toshokan.or.jp/kodomo7-2.htm

      10:30~11:30 池上彰氏講演
      「週刊こどもニュースで伝えたかったこと~子どもたちにもっと
        "分かる"楽しさを~」
     13:00~16:30 2006年の子どもの本

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 「言葉の力・図書館を考える集い」
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     「言葉の力・図書館を考える集い」

     主催:活字文化議員連盟、図書議員連盟、子どもの未来を考える議員
        連盟、文字・活字文化推進機構設立世話人会
     日時:2007年2月14日(水)14:00~15:30
     会場:憲政記念館 講堂(千代田区永田町1-1-1)
     参加費:無料
     定員:500名程度(応募多数の場合は抽選となります)
     内容
      報告:国立国会図書館国際子ども図書館、滋賀県立図書館、学校図
      書館、NIE(新聞活用教育)
     申し込み方法:
      http://blue.tricorn.net/jpic/o.x?f=bc9e0ca9
     にてお申し込みを受け付けます。
      〆切:2007年1月31日(水)必着

     (ハガキ・FAXでの申し込み方法については
      http://www.jpic.or.jp/schedule/info_poster.html
     をご参照ください)

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    PR
    ■ 所蔵の和書を国別に分けたデータベース
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     所蔵の和書をDB 国名から検索  国連加盟50年で京都外大図書館

                        (京都新聞 2006.12.18)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 国立公文書館がA級戦犯資料を公開
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     A級戦犯資料の一部を公開 国立公文書館
                                            (朝日新聞 2006.12.27)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 東大医学部図書館で明治期の卒業アルバム発見
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     明治の「医療現場」発見、東大に写真1000枚超

                         (読売新聞 2007.1.1)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 富山大の「ドラえもん文庫」存続ピンチ
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     「ドラえもん文庫」存続ピンチ 富大の横山教授が今春退職 管理者
     不在に
                         (富山新聞 2007.1.1)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 図書検索の「癩」修正へ
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     図書検索の「癩」修正へ ハンセン病差別図書館放置
     元患者ら指摘 全国に要請拡大
                        (西日本新聞 2007.1.6)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 「ノーテレビデー」導入で読書推進へ
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      子の読書推進へ「ノーテレビデー」  駒ケ根市が導入計画案

                     (中日新聞 長野版 2007.1.9)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 市立図書館長を公募 伊那市
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     伊那市教委 図書館長を初めて公募
                       (信濃毎日新聞 2007.1.10)

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    http://www.reference-net.jp/
    └──────────────────────────────
     日外アソシエーツの袴田です。

     遅まきながら、新年おめでとうございます。
     2007年最初の「レファクラ通信」をお届けします。本年も、どうぞ
     宜しくお願い申し上げます。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―学校は変わらずにお前達を待っている...わけではない
    ■╋              『学校名変遷総覧 大学・高校編』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     日本人は名前を変えるのが好きです~云々、例えば地名、社名、商品
     名、野球のチーム名などなど。
     ましてや伝統も栄光もない場合、その変名行為(?)はもっと軽やか
     です。
     そういった意味でいうと学校の名前ももちろん例外ではありません。
     甲子園で優勝しようが、藩校として創立されて以来、多くの地元政財
     界リーダーを輩出していたとしても変わる場合があるのです。

     「いつでも困ったことがあったら帰ってこい。学校は変わらずにお前
     達を待っているぞ」
     恩師にたしかそんなことを卒業式でいわれた記憶があります。
     しかし、しかし・・・
     母校自体が廃校になってしまった。
     隣の女子校に吸収合併されて名前が変わってしまった。
     なんだかしらないが時の権力者が気分で名前を変えてしまった。
     なんてことがあちらこちらで行われているのです。
     その結果「~工業高校」なんていう武張った名前だった母校が、
     「翔」だの「陵」だの「館」だのがついたイマドキの校名に変わって
     いたりするのであります。

     さて、小社ではこの度『学校名変遷総覧 大学・高校編』を刊行いた
     しました。
     この本は、「現在日本に設置されている大学、短期大学、高等専門学
     校、高等学校6,481校の校名変遷を出来る限り遡って収録した」もの
     です。
     繰り返しになりますが、学校の名前は色々な事情によって変わります。
     しかし一方で、ある人物の経歴を調べようとした場合、必ず行き当た
     るのが学歴調査です。ですがその人物が卒業した学校が、現在は何と
     いう校名なのか?実はそれを知ることは容易ではないのです。
     教育関係の調査にとどまらず、地方史、社会史などなど校名を調査す
     る機会は少なくありません。本書がそういった調査のお役に少しでも
     立つことができればと願っています。

     ところで、かつてはダブダブの学ランを着用していたお父さん。
     チェックのスカート翻して女子高生が闊歩する変わり果てた母校を見
     てどうおもうでしょうか?
     そのことに少なからず興味があります。
                            (編集局・青木)

    『学校名変遷総覧 大学・高校編』
     日外アソシエーツ〔編〕 2006.11刊 B5・810p
      定価29,400円(本体28,000円) ISBN:4-8169-2012-9

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    ■ 神戸文学館がオープン
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     神戸市は、市立王子市民ギャラリーをリニューアルして、12月4日(月)
     に神戸文学館をオープンした。

     開館時間:10:00~18:00(月曜~金曜)
           9:00~17:00(土・日・祝日)
     休館日:毎週水曜と年末年始(12月28日~1月4日まで)
     入場無料
     〒657-0838  神戸市灘区王子町3-1-2
     TEL/FAX:078-882-2028

      http://www.city.kobe.jp/cityoffice/17/040/bungakukan01.html

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    ■ 多田進氏の装幀展
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     筑摩書房、本の雑誌社などの書籍を多く手がける装丁家・多田進氏の
     個展が、紀伊國屋書店・新宿本店4Fの紀伊國屋画廊で開催される。

     「装丁の仕事 1971-2006 多田進」展
     期間:12月21日(木)~26日(火)
      時間:10:00~18:30
     会場:紀伊國屋画廊(紀伊國屋書店・新宿本店4F)
        TEL.03-3354-7401
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 怪奇・幻想的探偵小説の挿絵展
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     江戸川乱歩、夢野久作、横溝正史らの怪奇・幻想的探偵小説の挿絵で
     知られる竹中英太郎の原画・掲載雑誌・装幀本などの展示会が、東京・
     文京区の弥生美術館で開催されている。

     「竹中英太郎と妖しの挿し絵」展
     期間:開催中~12月24日(日)
     時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
     休館日:月曜日(祝日開館、翌火曜日休館)
     料金:一般800円、大高生700円、中小生400円
     会場:弥生美術館
        〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-3
        http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 文字・活字文化シンポジウム
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     文字・活字文化シンポジウム
     第1回「日本の文化と図書館の役割」
     主催:財団法人日本文化生涯学習振興会21
     日時:2007年1月13日(土)13:00~16:00
     会場:日本出版クラブ会館 3階ホール(東京都新宿区袋町6)
     参加費:一般2,000円、学生1,000円(要学生証)
              資料代込み、当日支払い
     定員:150名(先着順)

     ◆プログラム
     13:00~ 基調講演「日本の文化と図書館の役割」
           大串夏身氏(昭和女子大学教授)
     14:30~ パネルディスカッション「図書館の可能性」
          ○パネリスト:小峰紀雄氏(日本書籍出版協会理事長)
                 東川久美子氏(大正小学校司書教諭)
                 江島弘志氏(わんや書店社長)
                 児玉ひろ美氏(JPIC読書アドバイザー)
          ○コーディネーター:大串夏身氏

     ◆申し込み方法
      郵便番号・住所・氏名・年齢・職業・電話番号を明記し、下記の
      申し込み先へ。

      財団法人日本文化生涯学習振興会21
      FAX.03-5924-7321
      ホームページ:http://www.bunka21.com/
      E-mail:info@cul-net.com

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    ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    □■ 第8回図書館総合展・日外アソシエーツ主催フォーラムを終えて
    ■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     「地域アーカイブズの保存と活用を考える
      ―ライブラリー、ミュージアム、アーカイブズの立場から―」
     └────────────────────────……………‥‥
    11/21(火)の小社フォーラムには多数ご参加いただき、有り難うござい
    ました。司会の高橋実先生(国文学研究資料館)は、Library, Museum,
    Archives の頭文字を取ってLMA(リーマ)の協力連携を訴えられま
    したが、今回はその端緒を開くセミナーでした。

    府中市立図書館職員として長いキャリアがある庄司さん、横浜開港資料
    館の西川さん、11月に開館したばかりの寒川文書館の高木さん、各々の
    立場から地域アーカイブズ(記録資料)の現状と課題が発表されました。

    LMAに共通するのは、地域アーカイブズの「利用のための保存」を考
    え、その活用を促す工夫が重要であるというスタンスでした。文字資料
    の多い横浜開港資料館も寒川文書館も、閲覧機能を重視している点では
    図書館に共通する面が多々あり、LMAのネットワーク作りや地域間協
    力の提言にも説得力があります。

    フォーラム参加者の方々にお願いしたアンケートの自由記述欄を拝見す
    ると、皆さまの地域アーカイブズに寄せる関心の高さが窺い知れます。
    ご意見・ご感想を少し抜粋紹介しましょう。

    ●LMA連携は今後も重要なテーマと考えているので、このようなシン
     ポジウム等の企画が継続的に開催されることを強く望む。LMAと学
     校教育とのつながりは今後もっと突っ込んで議論していくことが必要。

    ●市史、町史などを歴史教科書に組み込むことはできないだろうか。

    ●3人とも具体的な話をして下さり、とても参考になった。10年後、20
     年後のアーカイブズのあり方について、考えさせられた。

    ●大学の持っている資料も、長年、その地域の教育機関であったことか
     ら、郷土資料としての性格を持っているものも含まれる。それらをど
     のように活用していくべきかは、地域の公共図書館、文書館、博物館
     などと一緒に考えていきたい。

    ●郷土資料のデジタル化に関心がある。本来は現物をもつべきだが、保
     存・活用のスペースの問題上、やむを得ない面があると思う。

    ●郷土資料のインターネット上の“総合目録”化ができるとよい。

    中には「このセミナー、3人の時間をもう少し長く」といった嬉しいご
    要望までいただき、成功裏に終えることができました。

    * * *

    小社では、今秋から暮れにかけて関東地区の県史を対象とした『CD-県
    史誌』という電子索引を発売しました。インデックス作りのプロとして
    私共が長年培った技術がLMAの地域アーカイブズ活用の一助になれば
    幸いです、…‥‥と、さりげな~く宣伝。

                                  (竹)

    『CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編』 法人版特価49,350円(税込)
    『CD-県史誌 2 関東―近現代(通史/資料)編』法人版特価49,350円(税込)

    http://www.nichigai.co.jp/sales/cd-kenshishi.html

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    ■ 年間ベストセラーを発表
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     日本出版販売株式会社(日販)は、2006年度の年間ベストセラーを
     発表した。
     集計対象期間は2005年12月~2006年11月まで。

      http://www.honya-town.co.jp/hst/HT/best/year.html


     株式会社トーハンは、2006年年間ベストセラーを発表した。
     集計対象期間は2005年12月~2006年11月まで。

     http://www.tohan.jp/tohan-news/06-12-05.html

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 朝日新聞が記事と地図を連携する試み
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     朝日新聞社は、ニュースサイト「asahi.com」内のコラム「コリアう
     めーや!!」と「いい病院 2006 ランキング」で、記事と地図情報
     を組み合わせる試みを12月8日(金)から開始した。

      asahi.com「コリアうめーや!!」
       http://www.asahi.com/international/korea/

      asahi.com「いい病院 2006 ランキング」
       http://www.asahi.com/health/ranking/

    ……………………………………………………………………………………
    ■ 小児、産婦人科に図書貸し出しや読み聞かせ
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     [大分市民図書館] 図書貸し出しや読み聞かせ 小児、産婦人科に...
                      (大分合同新聞 2006.12.12)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ 教育再生会議委員の著書を展示
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     教育再生会議有識者委員の著書を展示 京都市中央図書館
                        (京都新聞 2006.12.12)
    ……………………………………………………………………………………
    ■ [福島大附属] 図書館など13図書館でネット検索
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     [福島大附属] 図書館など県内の13図書館でネット横断検索(予定)
                         (福島民報 2006.12.3)

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     日外アソシエーツの袴田です。

     この号のスポットライト・コラムでは『学校名変遷総覧』を取り上げ
     ていますが、私事ながら今年は母校に関するニュースが2つありまし
     た。

     1つは卒業した小学校が少子化のあおりを受けて、4月から近隣の学校
     と統廃合されて名前が変わったうえに、全面改築で校舎もなくなって
     しまったこと。
     1970年代半ばの児童急増期に新設されて、肥大化した既存校から分離
     したのですが、結局30年も経たないうちに廃校になってしまったわけ
     です。

     もう1つは朗報で、卒業した高校が、年末年始に開催される全国高校
     サッカー選手権の県代表になったことです。1回戦で当たる相手は、
     優勝候補ともいえる強豪校なのですが、ぜひとも1回戦突破ぐらいは
     してほしいものです。

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     日外アソシエーツの袴田です。

     12月になりました。今年も残すところ1ヶ月を切りました。
     毎年この時期になると、1年経つのが年々早く感じるのですが、今年は
     とりわけ早く感じたような気がします。

     至る所でクリスマスのイルミネーションが点灯されて、今ごろの時期
     の街並みの風物詩になっていますが、今年は11月の半ば過ぎに、早く
     も点灯している風景を見かけたせいで、年の瀬ムードを早く感じたの
     でしょう。

     しかしながら、一方では都内の紅葉は今からが見ごろという場所もあ
     るので、しばらくは晩秋ムードも一緒に味わえるのかもしれません。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   ―干支と和暦日とユリウス暦日を結びつけた月日対照表
    ■╋                      『古代中世暦』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     みなさまの中で、『日本書紀』や『続日本紀』など有名な史料でも、
     その原文をご覧になったことのある方は意外に少ないのではないで
     しょうか。紀伝体(エピソード中心)で書かれた『古事記』などと
     は異なり、『日本書紀』をはじめとする六国史は編年体(年月日順)
     で記述されています。例えばこんな具合です。

     (天平四年より)
      六月丁酉。新羅使還……
      己亥。此夏陽旱。百姓不佃。……

     このなかで「六月」はわかります。「丁酉」とか「己亥」もどこか
     で見たことがありますね。そう、「干支」っていうやつです。日本
     は中国の暦法の影響下にあり、昔から(そして今も)一日一日に対
     して「干支」を振りあてています。ですから上の文章は「6月の丁
     酉の日に新羅の使いが帰っていった」「同じ月の己亥の日、この夏
     は日照りなので……」というように、「干支」によって日付を表現
     しているのです。

     さて当然「丁酉」とは何日を指すか? 「己亥」とは何日のことか?
     
     という疑問が生じます。ところがこれは100%確定させることはでき
     ないことなのです。この時代の暦の対照表などというものは同時代
     史料としては残っていませんから。しかし実は史料の中に大きな手
     がかりがあります。例えば何行か前にこんな文章があります。

      夏五月壬寅朔。正六位下物部依羅連人會賜朝臣姓。

     「5月の壬寅の日、この日は“ついたち”で、正六位下の物部さん
     が…」という記述です。つまり、これによって5月1日は「壬寅」と
     いうことが確定できるわけです。ご承知のように「干支」は60種類
     が規則的に繰り返しますから、こういう記述があると、その周辺の
     日付は確定できるのです。また時代ごとに使われていた暦法の計算
     をできるだけ復元すると、大の月、小の月、閏月などもある程度わ
     かります。これらを組み合わせることによって、「日付」と「干支」
     をかなりの確率で結びつけることができるのです。

     かつて『日本暦日原典』(内田正男編、1975年、雄山閣出版)とい
     う、暦本としては画期的な書籍が刊行されました。この本は古史料
     における朔日の干支表記を徹底的に調査した労作で、今も古暦に関
     してはスタンダードとされています。ただ記述内容はかなり専門的
     で、朔日の干支だけが記載されているので、それ以外の日は数えて
     いかなくてはなりません。また現在では古書市場でも入手がとても
     難しくなっています。

     このたび小社より刊行した『古代中世暦』は、推古天皇即位の年
     (593年)から、天正10年(1582年)までの990年間にわたり、すべ
     ての日について「干支―和暦日―ユリウス暦日」を結びつけた月日
     対照表です(ちなみに天正10年(1582年)は、西欧でグレゴリオ暦
     が採用され始めた年で、日本では本能寺の変がありました)。

     本書の制作にあたっては、まず時代ごとに暦法の機械的計算(これ
     も多くは推定値に基づくので、かなり揺れがありますが)を行い、
     次にその結果のうち朔日について、上記の『日本暦日原典』の記述
     と照合していきした。そして異動に関しては古史料の該当箇所周辺
     で確認し、不明な所や『日本暦日原典』と異ならせた点などを、巻
     末に列挙して解説しています。

     たとえば本書の70ページを見ると、上記の天平四年六月について、
     「丁酉」は6月26日で、「己亥」は6月28日のことだった、それはユ
     リウス暦では732年7月22日(火)と24日(木)だった、ということが、
     すぐにわかります。史料を解読する際に、「いつ?」ということは
     極めて基本的なことです。

     小社では『日本暦西暦月日対照表』『20世紀暦』『21世紀暦』を刊
     行してきました 。本書は、これらの前の時代に遡るもので、これに
     より、古代から2100年までの暦表が揃ったことになります。本書を
     手軽に使える基本ツールとしてお役立て頂ければ幸いです。

                           (編集局・尾崎)

    『古代中世暦―和暦・ユリウス暦 月日対照表』
     日外アソシエーツ〔編〕 2006.9 A5・510p 
      定価5,250円(本体5,000円) ISBN:4-8169-1998-8

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     日外アソシエーツの原沢です。
     寒暖の差の激しい季節になりました。いかがお過ごしでしょうか。
     「寒暖の差」といえば、先日訪問した図書館で司書の方からこんな話
      を伺いました。

     「最近、うちの図書館の開館時間を延長したんですが、職員を増やす
     わけじゃないですから、時間差出勤で対応することにしたんですね。
     それはいいんですけど朝の11時出勤のときなんかは外が暖かいから、
     ついつい、薄着で出かけちゃうんですよ。
     それで夜、帰るときにすごく寒いことに気づいて、しまったーと思っ
     ても後の祭り。私はそれでこの前、風邪引いちゃったんです。
     でもそれ以来、一枚多め、ぷくぷくで出勤してますよ!」
     
     確かに時間差出勤の遅番の方は、洋服選びが難しいころですね。
     みなさんもぜひ、一枚多め、ぷくぷくでご自愛ください。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     膨大な郷土史料をすばやく検索!―「CD-県史誌 1」
    ■╋                         
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     「県史誌」とは「栃木県史」「神奈川県史」など、都道府県の歴史
     をまとめた書籍を指します。収集された資料をもとに学者や専門家
     が編纂をしており、すべての都道府県で「県史誌」が刊行されてい
     ます。
     例えば「群馬県史」の場合、「資料編」27巻と「通史編」10巻のあ
     わせて全37巻が刊行されています。他の都道府県でも同じくらいの
     量の「県史誌」が刊行されています。

     豊富かつ貴重な資料を収集し整理した「県史誌」は、調査・研究に
     欠かせないアイテムと言えます。「県史誌」は地域の歴史を知るの
     に必要な第一級の資料であり、特に「資料編」は様々な文書を活字
     化した重要な一次資料です。
     しかしそんな「県史誌」にも、問題が2つあります。1つは、現物を
     見られる場所が限定されること。もう1つは、何巻の何ページに自
     分の求める情報が掲載されているのかが調べにくいことです。

     極端な例ですが、近世時代の関東地方に関する事項を調べる場合、
     「通史編」12冊と「資料編」47冊の合計59冊をすべて見なければな
     らないわけです。
     巻末あるいは別巻に索引がついているものは少なく、全巻の目次を
     見るだけでも時間がかかってしまいます。また各地域の資料を見る
     ためには、それらを所蔵している図書館へわざわざ出向く必要があ
     ります。

     「CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編」は、そんな問題を解
     決するために作られた「総索引データベース」です。
     このCD-ROMには、関東1都6県の「県史誌」全59冊の内容細目を収録
     しています。巻頭の口絵のキャプション/所蔵者からはじまり、序
     文、凡例、本文の見出し、掲載されている図表・写真のキャプショ
     ン/出典、さらには、本文中に引用された資料名・論文タイトル、
     巻末・別巻索引に記載されている言葉、編纂委員名まで、「県史誌」
     に掲載されている主要な項目をほぼすべて収録しているのです。

     見出しについては、目次に記載されている章・節の他、目次に記載
     されていない小見出し(吊り見出し)までも収録しています。(た
     だし本文テキストそのものは収録しておりません。)

     「県史誌」1冊1冊の全ページから、内容情報を採録し入力していま
     すので、目次や索引にない言葉からも検索することができます。
     「県史誌」の現物に当たる前に、まずこのCD-ROMで検索しておき、
     調査対象を絞り込むことが可能になります。これがあれば「現物を
     調べに行ったが目的の内容が見つけられなかった」ということもあ
     りません。

     例えば、近世における各地の地震による被害状況を調べたい、とい
     う場合。検索窓に「地震」と入れるだけで、関東1都6県59冊の「県
     史誌」をあっという間に横断検索します。該当する項目は64件。

     「群馬県史」の資料編には「安政二年十二月 碓氷郡水沼村外旗本
     屋敷地震見舞献金願」「安政二年十月 江戸地震につき金古宿役人
     出府見聞書留」といった当時の文書が掲載されていることが分かり
     ますし、「新編埼玉県史」の通史編には安政大地震に関する記述が
     あり、なおかつ「安政2年大地震幸手領村々被害状況」という表が
     掲載されていることが分かります。
     「千葉県の歴史」には関係する写真が掲載されていることも、「東
     京百年史」には「安政大地震」「地震絵」という索引語が記載され、
     それぞれ第1巻の1490ページと1491ページを指していることも分かり
     ます。「神奈川県史」にはより多くの資料、図表が掲載されている
     ことが分かります。
     しかもそれらが何巻の何ページに掲載されているのか、そして前後
     にはどんな見出し・項目が記載されているのか、といったことまで
     調べることができてしまうのです。

     このCD-ROMを使えば、時間とお金を使って遠くの図書館へ行き、ど
     こにどんな情報が載っているかわからない書籍を何冊も確認する、
     という労力を軽減することができます。知りたい情報がどの「県史
     誌」のどこに掲載されているのかを、いつでも手軽に確認すること
     ができるのです。

     「CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編」は2006年10月に刊行
     し、好評発売中です。
     引き続き「CD-県史誌 2 関東―近現代(通史/資料)編」を2006年
     12月に刊行する予定で、現在鋭意制作中です。レファレンスに有用
     なこのCD-ROM、今なら発売記念特価でお安くお求めいただけます。
     ぜひこの機会にお買い求め下さい。
                                (星野)

     『CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編』【法人版】
      2006.10
        価格49,350円(本体47,000円 発売記念特価 2007年4月30日まで〉
      EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
        【対応機種】Win98SE/Me/NT4.0/2000/XP対応
        ISBN:4-8169-8192-6 JANコード:T4937695181973
        ※LAN価格もございますので、お問い合わせください。

     『CD-県史誌 1 関東―近世(通史/資料)編』【研究者版】
      2006.10
        価格36,750円(本体35,000円)
      EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
        【対応機種】Win98SE/Me/NT4.0/2000/XP対応
        ISBN:4-8169-8195-0 JANコード:T4937695181959

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     日外アソシエーツの袴田です。

     北海道日本ハムファイターズファンのみなさま、日本一おめでとうご
     ざいます。今年の千葉ロッテは早々にシーズン終了してしまったもの
     ですから、2軍(ファーム)が千葉県鎌ヶ谷市にある日ハムに便乗し
     て応援しておりました。

     ところで、ここ数年間は、

      2003年 福岡ダイエーホークス(当時)
      2004年 西武ライオンズ
      2005年 千葉ロッテマリーンズ
      2006年 北海道日本ハムファイターズ

     といったように、地元密着型の球団が日本シリーズを制していますね。

     この際、ジャイアンツは北陸あたり(故・正力松太郎氏は富山県出身)
     にフランチャイズを移した方が強くなるような気がしませんか?

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋           「グーグル未完の物語」
    ■╋                          北田敬子
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    あって当たり前というほどに生活の一部と化した、インターネット検索
    エンジン「グーグル」。便利さと引き替えに手放したものがあるようで
    少し恐ろしい。関連書籍の出版が相次ぐ中で、『Google誕生―ガレージ
    で生まれたサーチ・モンスター』(デビッド・ヴァイス/マーク・マル
    シード著 田村理香訳 イースト・プレス刊 2006)は、ラリー・ペイジ
    とサーゲイ・ブリンという「グーグルガイ」について、また急成長した
    グーグルという企業について詳細に物語る。現在進行形の物語の常とし
    て、ここに「めでたしめでたし」はない。いつマイクロソフトを始めと
    する巨大企業に行く手を阻まれるか、ヤフーのようなライバル企業に出
    し抜かれるか、あるいは国際政治や司法の壁、各国の特殊事情の前に屈
    せざるを得ないか、行く先に未知の部分はあまりに多い。

    ここに描かれた目眩くアメリカの富、優れた頭脳と強運に恵まれた集団、
    自由な市場競争の有り様を追っていると、グーグルが忌避する「邪悪な
    こと」など寄りつく島もないような錯覚に陥る。グーグルはインターネ
    ット上に分散する情報に幾通りもの「秩序」を与え、整理し尽くすアイ
    ディアの具現化に情熱を燃やす。その恩恵を遍く世界が享受出来るよう
    才能を集めてテクノロジーを開発し続けるというのだが、ひたすら上昇
    する姿に一抹の危うさも感じる。たとえば、数ある機能の中から「グー
    グルイメージ」を選んで自分の個人サイトの名を入れて検索してみると、
    10年足らずの間に掲載したイメージが瞬く間に10数ページにわたってサ
    ムネイルに羅列される。驚くべきは既に削除したはずのものまで含まれ
    ていること。こんな些細な個人サイトのものまでも、(制作者の意図に
    はお構いなく)一度存在したネット上のあらゆる情報を保存するという
    方針が貫かれているらしい。グーグルは世界に名だたる図書館の蔵書を
    データベース化し、いずれ遺伝子情報も提供する予定とのこと。また、
    中国政府の規制を受け入れて中国国内からの反政府運動に関するグーグ
    ル情報検索は不可能とする一方、外からの天安門事件の記録へのアクセ
    スはオープンだ。扱い方一つで情報の意味は変わる。知の組み替えがも
    たらす未来に歪みはないのか。

    IT関連企業の急速な栄枯盛衰が人々の耳目を集めるのは、主役たちの若
    さに一因がある。「その若さで」という世間の賞賛とやっかみがサクセ
    スストーリーを持ち上げ、凋落の際には「それ見たことか」と思う様こ
    き下ろす。Webの新時代におけるグーグルの意味を問い直す仕事はこれ
    から始まると確信させる一冊である。未完の物語にこそスリルとサスペ
    ンスは漲っている。

    【著者プロフィール】
       北田 敬子(きただ・けいこ)
      東洋学園大学・現代経営学部教授
      東京女子大学英文科卒業後、東京都立大学修士課程英文学専攻修了。
      バージニア大学教育学部にて在外研究。
      専門は英語文学、言語とコミュニケーション
      ホームページURL http://www.kitada.com/keiko/

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     日外アソシエーツの原沢です。
     秋も深まってきました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

     第8回図書館総合展において、日外アソシエーツは
     「地域アーカイブズの保存と活用を考える
      ―ライブラリー、ミュージアム、アーカイブズの立場から―」
     と題したセミナーを主催します。

     今回は、国文学研究資料館の高橋先生のコーディネートの下、
     ・庄司明由氏(府中市教育委員会・郷土資料担当)
     ・西川武臣氏(横浜開港資料館)
     ・高木秀彰氏(寒川町・町史編さん担当)
     の3名を講師にお招きして、地域アーカイブズの現状と未来について、
     皆さまと共に考えてまいりたいと思います。

     ご参集のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

     ●日時:2006年11月21日(火) 10時30分~12時00分(90分間)
     ●会場:パシフィコ横浜・アネックスホール 第3会場(F203)
     ●定員:200名(全自由席)

     お申込み・詳細については下記参照ください
     http://www.nichigai.co.jp/sales/seminar2006.html

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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   長い時代が、歴史に変わるとき
    ■╋                -読書案内『昭和』を知る本
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     昭和という時代が語られるのは、何か不思議な感じがします。昨日
     が今日は過去になっているような、さっきすれ違った人が思い出に
     変わっているような、そんな感覚。

     平成になってからもう18年が経つというのにそんなふうに思ってし
     まうのは、やはり昭和という時代がとてつもなく長かったからで
     しょうか。
     日本の元号の中でも最長だった昭和の64年間。昭和は長い時間の中
     に様々な面を持つ激動の時代でした。恐慌から太平洋戦争、奇跡の
     復興から高度経済成長、そしてバブルの狂乱から崩壊まで…。

     昭和後期に生まれた私にとって、戦争は手の届かない昔、バブルの
     頃の流行歌は耳馴れた歌。自分が生きた時間と歴史とを一つの時代
     として展望するから、どこか不思議な感覚があるのでしょうか。

     「読書案内『昭和』を知る本」は、そんな昭和時代を知るための
     ブックガイドです。「(1)政治」「(2)社会」「(3)文化」の全3冊か
     らの構成で、分野ごとに昭和を象徴する事項・人物・団体などの
     キーワードを選び、概要を理解するための解説とより深く知るため
     の参考文献を収録しています。

     例えば9月に刊行された「(1)政治」では、二・二六事件、GHQ、
     吉田茂、55年体制、リクルート事件など218のキーワードを取り
     上げ、7,098点の参考文献をリストアップしています。

     自分が生きた時間と歴史とが連なる時代として昭和を振り返る人は
     多いことでしょう。しかし次第にその人数は減っていきます。
     没落と絶頂を繰り返す中で多くのことを教えてくれる長い時代を次
     の世代に受け継いでこそ、昭和は確かな歴史となるのでしょう。
     平成生まれの中学生・高校生には特にすすめたいブックガイドです。

    「(2)社会」は10月刊行、「(3)文化」は11月刊行予定です。
                               (大橋)

    「読書案内『昭和』を知る本」日外アソシエーツ 編
     (1)政治―軍国主義から敗戦、そして戦後民主主義まで
      2006.9刊 A5・380p 定価7,140円(税込) 
      ISBN4-8169-1999-6

     (2)社会―金融恐慌・闇市から高度成長・バブル経済へ
      2006.10刊 A5・390p 定価7,140円(税込)
      ISBN4-8169-2000-5

     (3)文化―昭和を彩った科学・芸術・文学・風俗
      2006.11刊予定 A5・約400p 定価7,140円(税込) 
      ISBN4-8169-2001-3

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     日外アソシエーツの原沢です。
     先日、とある公共図書館を訪問したときのこと。
     事務室の奥の席に「館長」というネームプレートを首から下げた
     60~70センチほどの大きなキツネのぬいぐるみが座っておりました。

     商談中も気になって仕方ありませんでしたが「あれは…」と
     司書の方に水を向けても「館長です」と照れたように笑うのみ。

     そんなあんばいで真相をお伺いすることはできなかったのですが、
     児童書の収書に力を入れていた図書館だったので、子どもたちの
     館内見学用にディスプレイしていたのでしょうか?

     では実際の館長さんはいずこ…と推測するに、外で作業着で草むし
     りをしていた方、帰りしなに自家栽培の植木鉢を頂いたのですが、
     もしやあの方がそうだったのではないかと踏んでいます。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   選書にも役立つ!?出版情報源
    ■╋           “新刊ぶっくめ~る”自動配信サービス
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     出版不況が叫ばれる昨今、一冊当たりの刷り部数は減少傾向にある一
     方、新刊書籍の発行点数は右肩上がりに伸びている。2005年度は何と
     月間平均6,525点、年間78,304点もの新刊が出されている(出版年鑑
     2006調べ)。一体どんなタイトルが毎月出版されているのか、気にな
     る方も多いのではないだろうか。

     今回、ご紹介する小社“新刊ぶっくめ~る”は、新刊書籍データの自
     動配信サービスである。G-Search や@nifty経由で有料(100円/月)で
     提供しており、なかなか書店に足を運べない多忙な方々の“本の情報
     源”として好評を博している。サービス内容は大手取次書店にて日々
     現物採録した新刊書籍の概要データを毎週1回、33のテーマ毎にメール
     にて提供するというもの。

    「新刊ぶっくめ~る」配信テーマ
      1) グルメと食文化
      2) こころ・生活・人間関係
      3) ヘルスケア・家庭医学
      4) 医学・薬学
      5) 哲学・倫理学
      6) 宗教
      7) 就職活動に向けて
      8) 語学全般
      9) トラベル・最新版地図
     10) ゴルフ・釣り・登山・スキー・スノーボード
     11) ゲーム攻略本
     12) 芸能界・テレビ・映画・音楽
     13) バンド・ピアノスコア
     14) アート
     15) 占い・オカルト
     16) マルチメディア・ネットワーク
     17) コンピュータ・プログラミング
     18) 現代小説
     19) 歴史・時代小説
     20) ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
     21) SF・ホラー・ファンタジー
     22) 外国の小説
     23) ノンフィクション・エッセイ
     24) 詩句
     25) 学習用の本
     26) 物語・童話
     27) 絵本
     28) 経済・ビジネス
     29) マネー
     30) 政治・行政
     31) 法律
     32) 産業・労働
     33) OLライフ

     自分の興味のある分野の新刊情報だけを居ながらにして入手できるの
     で有り難い。個人でまとめ買いされる方の選書リストにも最適である。
     では、今週号の「物語・童話」の中から適当に抜粋してみよう。

    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・
    『金色の雲になったトラ―ファンタ爺さんの話の庭』
     つかごしつねじ【作】 つかごしていじ【絵】 小峰書店
     2006.8.31
     158p 21cm(A5) ¥1,500(税別)
     ISBN4-338-22501-7 
    【 内 容 】
     動物園のオリの前で、いつもトラとにらめっこしている少年サトルは、
    “虫歯”がきっかけで、トラの「ことば」がわかるようになった。サト
     ルは、トラのグールの大きな使命をしり、その手助けをしようと…。
     ファンタ爺さんが語る不思議な話の第一弾!「音読のための手引き」
     として、元NHKアナウンサーの著者が朗読するCD付き。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『父ちゃん 文学の散歩道』
     高橋秀雄【作】 宮本忠夫【絵】 小峰書店 2006.9.9
     207p 21cm(A5) ¥1,500(税別)
     ISBN4-338-22402-9 
    【 内 容 】
     家族の絆とは…少年の新しい父親はあまりにもやさしい人だった。父
     と子の心のつながり。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『GO!GO!チアーズ Dreamスマッシュ!〈15〉』
     工藤純子【作】 にしけいこ【絵】 ポプラ社 2006.9
     199p 19cm(B6) ¥840(税別)
     ISBN4-591-09418-9 
    【 内 容 】
    「え~っ!?あたしがチアガール??」転校していったばかりの学校で、
     いきなりチアリーディングをやることになった夏樹。しかも、リーダー
     はオトコ!?クラスのみんなはまとまらないし、ダンスだって上達しな
     い。でも本番までは、あとわずか!!―絶体絶命のピンチに、夏樹の
    「チア・スピリット」が燃えあがった。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-
    『NO.6(ナンバーシックス)#5 YA!ENTERTAINMENT』
     あさのあつこ【著】 講談社 2006.9.11
     204p 19cm(B6) ¥950(税別)
     ISBN4-06-269371-2
    【 内 容 】
    『人狩り』によって矯正施設へと送り込まれた紫苑とネズミ。そこは無
     数の人間の塊が蠢く、この世の地獄だった。生きて戻ることはできる
     のか。一方、救出を待つ沙布の身体には異変が起きていた―。この都
     市は、人間を支配しようとしている。無慈悲に人を食らう、支配欲に
     猛り狂った怪物だ。誰も気がついていないのだろうか。
     いよいよNO.6の暗部へ。
    ・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-

     配信登録した方は、専用サイトで過去4週間分の表紙イメージ付き書籍
     概要をブラウズすることもできる。たとえば「語学全般」というテー
     マの中には、こんな本が載っている。

     ・英語で名セリフ!―ドラマ、アニメの決めセリフ、英語にするとな
      んて言う?(祥伝社)
     ・図解 英語脳のつくり方(PHP研究所)
     ・I am a boyからはじめる中学英語でビジネス英語(中経
      出版)
     ・耳ぐら―世界一簡単な英文法(ジャパンタイムズ)
     ・ラテン語―英語とラテン語と君と(北星堂書店)
     ・英語が私を強くする!―著名人20名の私流勉強法(中経出版)
     ・最新ニュース英語常用事典(アポロコミュニケーション)
     ・小道迷子の中国語に夢中―迷上中国話(三修社)
     ・彼女のための韓国語(創拓社出版)

     う~ん、各社の編集者が智恵を絞った(であろう)タイトルを眺める
     だけでも思わず手に取ってみたくなる。“新刊ぶっくめ~る”で「こ
     れは!」と思う一冊を探し当てていただきたい。

     ◆G-Search「新刊ぶっくめ~る」
      http://db.g-search.or.jp/mag/info_db.html?id=WHON

     ◆@nifty「新刊ぶっくめ~る」
      http://www.nifty.com/WHON/
                                 (竹)

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    http://www.reference-net.jp/
    └──────────────────────────────
     日外アソシエーツの竹村です。

     先日、都内某所で“Google ブック検索”の説明会に参加しました。
     ご存知の方も多いかと思いますが、米国に倣い、日本でも Google が
     新たに始めようとしている書籍の内容の全文検索で、6月より出版社の
     参加を呼びかけています。

     Google の企業理念は「世界中の情報を組織化し、広くアクセス可能に
     して有益なものとする」ことだそうです。自らコンテンツを作らず、
     所有せず、ユーザーとコンテンツを“つなぐ”役割に徹するとのこと。
     出版社側の負担はただ Google(国内)に本を送るだけで済み、デジ
     タル化(検索用全文テキスト+表示用PDF)、データベース登録の費用
     等は全部 Google 側が持つそうです。

     オンライン・コンテンツ同様、オフライン・コンテンツ(書籍)をも
     検索対象に含めてしまおうという Google の壮大なビジョンに圧倒さ
     れました。著作権など色々な問題を抱えており、なかなか青写真通り
     には行かないでしょうが、ともかく走り出すパワーがスゴイ! 一利
     用者の立場から、書籍の全文検索が実現すれば、図書館レファレンス
     の世界も劇的に変わるような気がします。どうなりますやら、Google
     の動向から目が離せません。

      【Google ブック検索】
       http://books.google.co.jp/

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋   斯の道の為に、斯の言葉のために、
    ■╋      何人かその全力を尽くさざる―『NEW斎藤和英大辞典』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     
     昭和3年日英社刊『斎藤和英大辞典』が日外アソシエーツから復刻刊行
     されているのをご存知だろうか。わが国の学校英文法の原型を完成さ
     せたと言われる斎藤秀三郎(1866-1929)、渾身(最後)の著作である。
     旧字を新字に、旧仮名遣いを新仮名遣いに改め、見出しの排列もロー
     マ字表記のABC順からカナ表記の50音順に変更、より使い易い『NEW斎
     藤和英大辞典』として現代に甦った。

     ■ 英語“道”の達人

     斎藤秀三郎は、「明治英学の三大家」として井上十吉、神田乃武と共
     にその名が挙げられる。正則英語学校(現・正則学園高等学校)の創
     立者でもあり、その63年の生涯で、英和、和英辞典、英文法書(その
     ほとんどが英文)など200冊以上の著作を残している。全て独力で成し
     遂げており、寸刻を惜しんで英語の勉学に打ち込んだという。朝起き、
     食事をして学校で教鞭をとる。「その生活は時計よりも正確だ」と評
     されたそうである。

     意外なことに、斎藤は生涯に一度も海外渡航の経験がない。が、類を
     見ない読書量でカバーしたらしい。工部大学校(現・東大工学部)在
     学中、僅か3年間で図書館の英書を全て読破、ブリタニカ百科事典全
     35巻を2度通読したという「ホンマカイナ」と思える逸話もある。

     また、幼くして native 教師に発音を徹底的に叩き込まれ、自分の英
     語に絶対の自信を持っていた斎藤は、酔っ払ったある時、帝劇で日本
     公演中のシェークスピア劇団の英国人俳優の発音が間違っているのを
     見て、「お前らの英語はなっちゃいねぇ!」と英語で一喝したという。
     実に明治的豪傑らしい痛快なエピソードではないか。私も、電車の中
     でイマドキの茶髪のお姉さん方のドエライ会話を耳にすると、つい
    「お前らの日本語はなっちゃいねぇ!」と叫びたくなる。

     ■ グローバル時代の「和英辞典」

     斎藤の編んだ辞典は、グローバル時代の今なお廃れず、むしろ輝きを
     増しているかのようだ。翻訳不能と言われた、あの『フィネガンズ・
     ウェイク』(J. ジョイス)の完訳で知られる柳瀬尚紀氏は、同じく斎
     藤の代表的著作である『熟語本位英和中辞典』(岩波書店)について、
     高校時代、布団の中にもトイレにも持ち込んで使い倒し「私にとって
     英語の恩師だ。英語はもっぱらこの辞典から学んだ」と絶賛している。
     その魅力の一端は『斎藤和英大辞典』の序文の末尾にある次の言葉に
     表れているような気がするのである。

     In short, the English of the Japanese must, in a certain sense,
     be Japanized. (要するに、日本人の英語は、ある意味において、日本
     化されるべきなのだ)

     時は文明開化の路線をまっしぐら。西欧の学問知識を貪欲に吸収しよう
     という英語英学万能の時代風潮にありながら、自ら進取的に英語を学び
     取ろうとした斎藤は、一方で日本語・日本文化に対する“誇り”を見失
     わなかった。

     教え子に対して「西洋人のそばへ行つて“Sir, ...”なんて質問なんか
     して居るやうぢや駄目だ、『おい君』といふやうな対等の位置に安んじ
     得るやうに早く成つて呉れないぢや困るよ」(『英語の日本』第九巻第
     一七号)とこぼしたエピソードも実に彼らしい。

     斎藤“英学”の中核を成す概念に「イディオモロジー(idiomology)」
     というコトバがある。簡単に言ってしまえば「日英の熟語や慣用表現
     の比較研究」ということになるが、斎藤兆史氏(東京大学大学院助教
     授)は、次のように説明している。

    「その根底にあるのは、お日さまの下で同じように空気を吸って生きて
     いる人間が使う道具である以上、日本語にも英語にもかならず同じよ
     うな慣用表現が存在するはずだという認識である」
                     (『英語達人列伝』中央公論新社)

     斎藤は、日本語と英語の無数のイディオムの背後に息づく両国民の感
     じ方・考え方を捉え、表現しようとしたのだろう。「語はそれ自体に
     おいては無、結合において一切、構文ぬきの動詞は不動詞」という見
     地から、英語の慣用語法の解明に注いだ情熱が『斎藤和英大辞典』の
     血の通ったこなれた訳語となって見事に結実している。決して戦前の
     辞書とあなどれない出来映えなのである。サワリをいくつか抜粋して
     みよう。

     ◆人の噂も七十五日 “A wonder lasts but nine days.”

     ◆上手に上手あり “Diamond cut diamond.”

     ◆日本は東洋の英国の名に背かぬ
      Japan merits the name of “the England of the East.”

     ◆読書百遍義自ら通ず
      Read a hundred times over, and the meaning will become
      clear of itself.

     ◆百弊金銭より生ず Money is the root of all evils.

     ◆酒は百薬の長 Wine is the chief of all medicines.

     ◇老人の冷水 an old-man's indiscretion

     ◇一葉落ちて秋を知る “A straw shows which way the wind blows.”

     ◇男心と秋の空 Men are as fickle as autumn weather
      ―(西洋では)―“Woman is as fickle as April weather.”


     また斎藤は「英米人の文章の引用は、和英辞典にはのせるべきではな
     い」という考えの下、個人的主観、嗜好を大胆に取り入れ、和歌、俳
     句、都々逸、漢詩などの英訳を随所にちりばめたのである。異文化の
     翻訳という観点からみて、これが実に面白い。ちゃんと脚韻を踏んで
     いる。

     ◇古池や     Old garden lake!
      蛙飛び込む   The frog thy depths doth seek,
      水の音     And sleeping echoes wake.

     ◇三千世界の Throughout the world I'd kill
      烏を殺し  The cawing morning crow,
      主と朝寝が And sleep at morn my fill,
      して見たい With you as bed-fellow.

     ◇惚れて通えば  Love laughs at distance, Love!
      千里も一里   A thousand miles is one to love;
      会わずに帰れば But when I can not meet my love,
      又千里     A thousand is a thousand, Love.


     今日、英和辞典は沢山存在するのに対して、和英辞典は数が少なく、
     扱う語彙も限られている。これはわが国の英語教育が「英文解釈」中
     心に行われる現状を反映しているのかもしれない。が、今後の課題は、
     国際語である英語を理解しつつ、それを日本語でどのように理解し、
     表現するかということではないだろうか。すなわち、自国の文化に拠
     って立ちつつ、海外に向けて堂々と情報発信するスタンスが求められ
     る。そう、それは「斎藤和英大辞典」の編集理念そのものであり、今
     の時代を先取りしているとも言えよう。若い人にはぜひ一度、手に取
     って拾い読みして欲しい一冊である。本辞典を100%使い倒すには、
     和英だけでなく英和でも自在に検索できる CD-ROM 版がお奨め。


     斎藤秀三郎は生前、常に「天国に行ってからも英語丈は勉強するよ、
     人間が此世で成し遂げる事が出来る仕事って高の知れたものさ」と語
     っていたという。英語“道”奥深し。その一生を傾けた“人とコトバ”
     に対する関心と情熱には、ただただ頭が下がる。

                                 (竹)

    『NEW斎藤和英大辞典』斎藤秀三郎〔著〕
     1999.9 B5・1,400p 定価14,910円(税込) ISBN4-8169-1554-0
     http://www.tranradar.net/saito.html

    『NEW斎藤和英大辞典 普及版』斎藤秀三郎〔著〕
     2002.12 A5・1800p 定価7,140円(税込) ISBN4-8169-1754-3
     http://www.tranradar.net/book/saito_popular.html

    『CD-NEW斎藤和英大辞典』斎藤秀三郎〔著〕
     1999.9 価格18,900円(税込) ISBN4-8169-8078-4
     EPWING版CD-ROM(Windows対応検索ソフト付き)
     http://www.tranradar.net/saito.html

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     日外アソシエーツの原沢です。
     夏風邪を引いてしまいました。マスクをしたままこのメルマガを書
     いています。皆様もご自愛下さい。
     マスクといえば、私は以前、マスクをしたままとある大学図書館に
     伺ったことがあります。

     担当者の方が席を外されていたため、図書館内をブラついていたと
     ころ、こんな館内アナウンスが。

     『学生の皆様、身の回り品にはくれぐれもご注意下さい』

     ふと事務室を見ると、ガラス越しに私を怪訝そうに見ながらマイク
     に向かっている女性がおりました。
     私は不審者と間違われてしまったようです。なんてことだ…。

     あれは私のマスク&メガネ姿が怪しかったのであって、私本体が怪
     しかったのではない…そう主張したい今日この頃です。

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     日外アソシエーツの袴田です。

     先日、弊社出版物の現物見計らい販売のために、茨城県内の某図書館
     を訪問しました。

     持参した出版物の中に、前号のスポットライト・コラムでご紹介した
     『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』が含まれていたのですが、
     本書に目を通していた司書の皆様は、自分の生まれ年に起こったトピ
     ックスを読み上げては「へぇ~」と感心したり、「千代の富士って誰
     ですか?」とつぶやいた新米司書の方に全員がツッコミを入れたりと、
     休館日の館内では1冊の本の内容で、たいそう盛り上がったのでした。

     もちろん、その図書館には同書をお買い上げいただきました。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        40年間のスポーツの歴史を通覧する
    ■╋          『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     
     イチローが打った、オシムが選ばれた、欽ちゃんが謝った。
     私たちの周りには常にスポーツニュースが溢れています。

     スポーツの嫌いな知人は言います。

     「スポーツ観戦に夢中になる人の気持ちがわからない。
      あんなの、ちっぽけな自分を選手に自己投影して悦に入ってるだ
      けでしょ。それよりまず自分の人生をがんばって欲しいね」

     きつい、きついよ知人。
     私が寅さんだったら「それを言っちゃあおしまいよ」と言うところ
     です。

     そんな彼に反論する言葉も見つからないまま『日本スポーツ事典 ト
     ピックス 1964-2005』のコラムを書くことになり、ページをめくって
     みました。

     『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』は、東京オリンピック
     が開かれた1964年から2005年までの42年間に起った、日本スポーツ
     界のトピックス5,700件を年表形式で記載した事典です。

     プロ・アマを問わずあらゆるスポーツが対象で、収録競技は野球、
     相撲、マラソン、ラグビー、サッカー、ボクシング、卓球など多岐
     にわたるのが大きな特徴です。

     古い時代から見てまず目に入ったのがこれ

    >1984.7.28~8.12 〔オリンピック〕ロサンゼルス五輪開催

     開会式で宇宙飛行士が飛び回る演出は今でも鮮明に覚えています。
     私が見たスポーツ番組の中で、一番古い記憶です。

    >1998.10.8 〔プロ野球〕横浜がリーグ優勝
     
     38年ぶりの優勝。ベイスターズファンの私はこの試合、甲子園まで
     見に行きました。

    >1977.5.22 〔大相撲〕若三杉が初優勝

     私を妊娠中だった母のお腹を撫でてくれた力士(栃赤城)が初の敢
     闘賞を受賞した場所。
     おかげで健康(だけがとりえ)な成人になりました。


     上記、つらつらと私事を書き連ねました。
     スポーツは公に向けて発せられたものであるのに、受け取る人間の
     心や状況によって、それは極めて私的なものになるのだなぁとあら
     ためて思いました。

     震災の年にオリックスが優勝したのは究極の例ですが、そこまでで
     なくとも、敬遠球を打ち返した新庄を見て「とりあえずバットを振
     る」ことの大事さを知り、好きな女の子に告白する勇気をもらった
     男の子がいたかもしれません。

     千代の富士が「体力の限界っ」と言って引退するのを見て、「俺は
     まだそこまでがんばってないなぁ。がんばらないとなぁ」と気合を
     入れなおした人もいたかもしれません。

     ちっぽけな自己投影かもしれませんが、スポーツには多くの人を
     ちょっとだけ勇気付ける、そんな魔法が秘められてることをこの本
     を読んで思い出しました。
     冒頭の知人にもそんなことを言おうかと思っています。
                                (原沢)

      ◆『日本スポーツ事典 トピックス 1964-2005』
                ――――本体価(税込):12,000円(12,600円)
     http://www.nichigai.co.jp/sales/nihon_sports.html

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     日外アソシエーツの原沢です。

     先週の土曜日、隅田川の花火を見に、両国に出かけました。
     群衆の中、待つこと3時間。日光に焼かれ、タバコの煙にまみれ、い
     ざ花火が見えた頃には疲れ果てて寝てしまいました。

     そういえば先日訪問した某大学の司書さんは
     「この新図書館からは隅田川の花火がよく見えそうなんです」
     と言っていました。

     今春、キャンパスごと隅田川の近くに移転したばかりのその図書館
     は、高層ビルの上層階に入っており、外壁は全面ガラス張り。
     確かに隅田川花火を見るのにこれ以上ない環境といえました。

     その図書館は花火大会の当日も開館していたようです。
     当日、勤務だった人は同僚の方からうらやましがられたのではない
     でしょうか?今度伺ったときに尋ねてみたいと思います。

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