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■╋■╋ レファレンスクラブ新企画
╋■╋ 「公共図書館OPAC総合目録データベース」
■╋ アンケート結果について
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データベース企画アンケートにご協力いただき、有り難うございました。
「定期的に貴館の OPAC の ISBN データをご提供願えますか? と訊か
れても、私の一存では何とも答えようが…」と戸惑う方も多かったので
は、と推察しています。
ご回答の皆さまからは、具体的なご提案などもいただきました。以下、
簡単にまとめてみました。
「公共図書館 OPAC 総合目録データベース」は、現在、OPAC を公開中
の公共図書館様から定期的に ISBN データのご提供を受け、小社の図書
データベースに取り込んで書誌情報+所在情報を示すというシンプルな
ものです。
都道府県レベルでは「東京都内公立図書館横断検索」など、OPAC の横
断検索システムの公開が進んでいますが、当企画の趣旨とは少し異なり
ます。大学図書館を対象とした NACSIS Webcat(NII)のように、統一
的な公共図書館の“総合目録”はまだありません。
“総合目録データベース”は、参加館数が少ないと機能しませんので、
多くの公共図書館の協賛が前提です。そもそもボトムアップ的手法で
足並みを揃えるのは難しいのではないか、とのご意見がありました。
そして、一番の問題は、“総合目録データベース”を検索して所在が
わかった後の、次のステップ、即ち、ILL(相互貸借)です。
「図書館法」第三条にある通り、ILL は図書館サービスの基本ですが、
ILL にかかる流通経費の問題は小さくないようです。
「公共図書館間資料相互貸借指針」によると、資料の送付に要する経費
は、原則、借受館が負担するものだそうですが、現状、貸出時は貸出館、
返却時は借受館の負担とするケースもあるようです。
日図協は「図書館法の見直しにあたっての意見」(2007年10月2日)の
中で以下のように指摘しています。
> 利用者の多様な資料、情報の要求は、図書館間の資料の相互貸借を
> 増大させている。このための流通経費は年々増大しているが、厳しい
> 地方財政により相互貸借を規制しているところも少なくない。利用者
> に負担を求めることは無料利用の原則に触れることであり、合理的な
> 仕組みをつくる必要がある。
> 特に県を越えた図書館の相互貸借については、所蔵資料のデータの
> 公開・共有化が進められ、連携協力が必要となっている今日、国レベ
> ルでの仕組みづくり、施策の実施が必要である。
ある図書館からは、こういうご意見が寄せられました。「公共図書館
OPAC 総合目録データベース」は、参加館の相互貸借ネットワークづく
りも含めて考えないと、成立しないのではないかと。
同館では、基本的に貸出時は“着払い”、返却時には“発払い”であ
れば、全国どこからでも貸出対応可能とのこと。
その相互貸借の送料をレファレンスクラブ、または、そのスポンサー
企業などの広告収入によって賄えないだろうか、というご提案です。
データベースを中心とした巨大な公共図書館協力ネットワークの構築
は、まさに“レファレンスクラブ”の名に相応しい壮大な計画です。
皆さまのご意見、ご感想をお待ちしています。
(ネット販促課・竹村)