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「レファクラ通信」(1日配信)のバックナンバー記事です。原則として、各記事は配信当時の内容です。リンク切れなど、予めご了承ください。 「レファクラ通信」の配信を希望される方は、事前に会員登録をお願いいたします。 レファレンスクラブの会員登録/退会は自由です(無料)。お名前と所属機関名、「会員希望」または「退会希望」と書いて reference-club@nichigai.co.jp までメールをお送りください。       
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    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        地名にあたりをつける
    ■╋                『外国地名レファレンス事典』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     先日読んだ本に『モーイラナの国立図書館に』という記述があり、
     モーイラナってどこだ?という疑問を持ちました。

     語感的にインドっぽさを感じます。アフリカかもしれません。

     「モーイラナ」でググりましたが、個人のブログが1件引っかかるだ
     けで、よくわかりません。
     次に「ネットで百科」で検索しましたが引っかかりませんでした。

     このときはこれであきらめたのですが、今回小社より「外国地名レ
     ファレンス事典」が出版されることを受け、再度調べてみました。

    ---------------------------------------------------
     モ・イ・ラナ Mo i Rana ノルウェーの都市名(日大22)
     (「外国地名レファレンス事典」より引用)
    ---------------------------------------------------

     ノルウェーの町とのこと。さらにモの後に音引き(ー)はありませ
     んでした。グーグルで引っかからないわけです。日本語表記にゆら
     ぎがある場合、ネットは弱いです。

     そこで(日大22)こと日本大百科全書の22巻をあたってみました。
     下記引用します。

     ---------------------------------------------------
     モ・イ・ラナ Mo i Rana
     ノルウェー西岸にあるラナ郡の中心都市。
     人口2万5317(2002)。北極圏のすぐ南のラナフィヨルドの湾奥に位
     置する。1955年に生産開始したノルウェー最大の国営製鉄所があり、
     数回に及ぶ設備拡張がなされ、銑鉄および鋼鉄をそれぞれ年間70万
     トン生産している。スウェーデンのウーメオとの間に道路が通じる。
     [竹内清文]
     (「日本大百科全書」22巻 小学館 より引用)
    ---------------------------------------------------

     記述は思ったより短いですが「そんなに大きな都市じゃない」とい
     うことはわかりました。

     さらに米Wikipediaで「Mo i Rana」を引いてみました。
     >Mo i Rana houses the National Library of Norway.
     とあるとおり、確かに国立図書館は建っているようです。

     それにしても、国立図書館を建てるのに、2万人の町「モ・イ・ラナ」
     がなぜ選ばれたのでしょうか。本館は首都オスロにあるようですが。

     今後はその謎を探るべく、関連文献に当たってみようと思っています。
                               (原沢)

     『外国地名レファレンス事典』
     ISBN 4-8169-1992-9
     本体価(税込):42,000円(44,100円)

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    http://www.reference-net.jp/
    └──────────────────────────────
     日外アソシエーツの袴田です。

     すでに梅雨明けをしたかのような連日の猛暑から一転して、鬱陶しい
     雨降りの日々が続いています。
     各地では大水や浸水、土砂崩れなどの災害が起きています。まだまだ
     警戒が必要ですね。被害に遭われた皆さまには、心より御見舞い申し
     上げます。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        新聞に見る輝ける外国人たち
    ■╋                      『CD-毎日新聞』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     昼休みに、部長がおもしろいサイトを教えてくれました。
     「どらく」http://doraku.asahi.com/index.html
     "朝日新聞がビートルズ世代に贈る、こだわりエンタテインメント
     サイト"ということで、がっちりハートをつかまれたようです。

     部長のお薦めはフロントランナーのページ。第一回目は桝一市村酒
     造場取締役セーラ・マリ・カミングスさんが取り上げられています。

     "酒造りの誇りを蘇らせた米国人「台風娘」"とあるように、強い信
     念と行動力で創業250年の造り酒屋・桝一再興の原動力となった人。

     おやじさん、日本の伝統文化が廃れてもいいのですか!!と次々に
     アイディアを実現させていく経緯は圧巻です。ただでさえ目立つ金
     髪・碧眼の彼女。社内の反対は相当なものだったらしいのに、熱意
     と結果で周囲を納得させていく姿に胸がすっとします。

     このページ、もとは朝日新聞be「フロントランナー」に掲載された
     もの。新聞はその時その時に輝いていた人の姿をも伝えます。
     日本の伝統文化を愛し、活躍している外国人をもっと知りたいと思
     い、『CD-毎日新聞』を使って検索してみました。

     検索対象には2001年版から2004年版を選び、専用検索ソフトを使っ
     て串刺し検索。日本、文化、伝統、外国人などキーワードを組み合
     わせて検索していくと、次々に輝いている外国人たちの記事がヒッ
     トしました。

     ネット検索とほとんど同じ要領ですが、典拠がしっかりした情報が
     得られるところに新聞ならではの強みがあります。記事中から関連
     書籍、専門家などをピックアップしておけば調査の幅も広がります。

     検索結果の中で再びセーラ・カミングスさんと遭遇。なんとこの人
     は「ウーマンズ・オブ・ザ・イヤー2002」も受賞した人でした。

     本当に好きなことに打ちこみ、困難を乗り越えて輝く人たちの姿。
     励みになり、勇気を与えてくれます。

                               (大橋)
     『CD-毎日新聞』著作権者:毎日新聞
      ◇CD-毎日新聞’91~’95 各20,184円(税込)
      ◇CD-毎日新聞’96~2003 各20,160円(税込)
      ◇CD-毎日新聞2004~2005 各25,200円(税込)

     『HD32ビット毎日新聞』Windows対応 31,500円(税込)
      ハードディスクに各年分をインストールし、何年分でも素早く
      串刺し検索できる専用検索ソフトです。ぜひご一緒に!

     『CD-5yrs.毎日新聞』
      ◇CD-5yrs.毎日新聞’91~’95 102,900円(税込)
      ◇CD-5yrs.毎日新聞1996-2000  102,900円(税込)
      ◇CD-5yrs.毎日新聞2001-2005  102,900円(税込)
     
     さらに詳しい情報はこちら↓↓
     http://www.nichigai.co.jp/sales/mainichi/cdmai.html

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     日外アソシエーツの原沢です。

     司書であり「The Internet Archive」の設立者でもあるブリュース
     ター・カール氏のインタビュー記事を、読者の方からご紹介いただ
     きました。

      ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
     「TechRepublic」(英文)
     “Brewster Kahle's modest mission: Archiving everything”
     http://techrepublic.com.com/2100-9592_11-6087167.html
      ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

     「The Internet Archive」は、1996年10月以降の世界中のWebページ
     を収集している団体です。
     Yahoo!やHPなどの企業が結成したコンソーシアムOpen Content
     Allicance(OCA)の運営団体でもあります。
     
     OCAの目的は、世界中の書籍と公文書をデジタル化し、どのサーチ
     エンジンからでも検索可能にしようというもの。

     著作権に関して「パブリックドメイン(著作権放棄されたもの)に
     限る」と慎重な姿勢を示しており、同様の試みを行なおうとしてい
     るGoogleなどに比べ、出版社・大学・企業・図書館もおおむね歓迎
      ムードのようです。
     
     ブリュースター・カール氏はこれらの試みにより「第二のアレキサ
     ンドリア図書館」の建設を夢見ているとのことです。

     また上記インタビューでカール氏がお金のことについて言及してお
     りますが、この「知の保存」に成功した企業は、IT業界の今後の企
     業間競争において大きな優位に立つと見られています。

     これまでパソコンの世界ではIBMがハードウェアで、MicrosoftがOS
     で、Googleがサーチエンジンで覇を唱えてきました。次代の覇権の
     行方はこの「知のアーカイブ合戦」がその鍵を握っているといって
     も過言ではないようです。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋        そのキーワード、誰がどれくらい検索したの?
    ■╋                     『Google  Trends』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     「Google  Trends」が面白いです。(本メルマガVol.34で紹介)
     http://www.google.com/trends

     これは特定のキーワードについて、どこの人がどれくらい検索した
     かグラフで確認できるサービスです。

     例えば『図書館』と入力してみます。
     1位 つくば市;2位 文京区;3位 岡山市;4位 仙台市、でした。

     1位、2位はさもありなん、といった印象。
     3位の岡山市は、県立図書館の新設(2005年度全国最多の入場者数)
      が、反映された形です。
     時期的には『図書館』の検索件数が最も多いのは、夏場のようです。

     『Library』を調べてみます。
     1位 Columbus(US);2位 Pleasanton(US);3位 Salt Lake City
      (US)。
     有名な図書館がColumbus市にはあるのでしょうか??
     こちらは8月に検索が増加する傾向はありません。クリスマス休暇で
     大きく減少するのが英語圏らしいといえばらしいですが。

     『Reference』では
     1位 Bangalore(India);2位 Hong Kong (Hong Kong);
     3位 Vancouver(Canada);4位 Washington, DC (US)。
     インドが1位とは失礼ながら予想外でした。

     コンマ(or 読点)で区切れば検索結果の比較も可能です。
     発想が貧困で恐縮ですが、『Reference,Mcdonald』と入力すれば、
     レファレンスとマクドナルドの異種格闘技戦さえ実現します。

     一時期話題になった単語や人の名前などを入力すれば、栄枯盛衰の
     感を抱くこと、必定です。

     皆さんもぜひいろいろお試しください。

                                (原沢)

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    http://www.reference-net.jp/
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     日外アソシエーツの原沢です。
     寒暖の差の激しい日が続きます。いかがお過ごしでしょうか。

     大学を訪問した際の昼食は、学食でとることが多いです。
     栄養豊富で安価なので、とても重宝しています。

     先日、千葉のとある図書館でそんな話が出た際に、
     「学食もいいけど、もっとウマイ店があるよ」
     と職員さんに教えていただいた近所の洋食屋さんが美味しくて感動。

     ここで言うことでもないんですが、本当にありがとうございました。
     割引券、使わせていただきました。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋       どこかで見たことがある写真はどこにある?
    ■╋          ―『写真レファレンス事典 人物・肖像篇』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     作家・太宰治が写っている有名な写真がある。どこかのバーのカウン
     ター席で、太宰が丸い椅子の上にあぐらをかいている姿を、下から見
     上げるように撮ったものだ。撮影者は写真界では有名な方らしいが、
     残念ながら名前がわからない。この写真が載っている写真集を探した
     いのだが...という問い合わせがあったら、どのように調べたらよい
     だろうか?
     そういえば、どこかで見たことがある写真だと思い当たる方も多いだ
     ろう。

     従来の調査手順としては、その有名な写真が載っていると思われる文
     学関連書籍、例えば『新潮日本文学アルバム 太宰治』や個人全集の
     口絵写真などを繰ってみて撮影者名が判明したところで、改めてその
     写真家の写真集を探し始めるのではないだろうか?

     このような写真集に収録された人物・肖像写真を、被写体の人名から
     すぐに検索できる初の写真索引が、この3月に刊行された『写真レファ
     レンス事典 人物・肖像篇』である。

     本書には主要な写真全集・人物写真集176冊に掲載された7,071人の写
     真(18,902点)の撮影年、撮影者名、写真集の書名・掲載頁、構図な
     どのデータを収録しているので、件の"太宰治の有名な写真"がどれな
     のか、あたりをつけることができる。

     さっそく、被写体である"太宰治"で引いてみると、その写真は1946年
     に写真家・林忠彦が撮影したもので、1990年以降に刊行された何種類
     かの写真集にも収録されていることがわかる。
     更には、撮影地が銀座の酒場「ルパン」であることや、写真の初出が
     文芸雑誌『小説新潮』1948年1月号に掲載されていることも、ここから
     読み取れるのである。

    ----------------------------------------------------
      太宰治〔1909~1948 小説家〕
     《1946年 林忠彦》
     『林忠彦写真全集』平凡社 1992.8 37cm
      ◇p143 モノクロ 撮影地:銀座・酒場<ルパン>
        1人 1/5ページ以下 全身 斜め
       *『小説新潮』昭和23年1月号

     (中略)

     『日本現代写真史 1945~95』平凡社 2000.3 26cm
      ◇p143 No.218 モノクロ 「太宰治 銀座・酒場
         ルパン」 1人 1/2ページ 全身 斜め

     (中略)

     『日本の写真家 25』岩波書店 1998.1 23×23cm
      ◇No.26 モノクロ 撮影地:銀座・酒場「ルパン」
         1人 1/3ページ 全身 斜め
       *『小説新潮』1948年1月号掲載
       *林忠彦作品研究室蔵
    ----------------------------------------------------

     また、逆に撮影者名がはっきりとしている場合、例えば"篠山紀信が撮
     影した作家の写真"を探すには、「写真家名索引」から検索すると便利
     だ。篠山氏が手がけた被写体数は750人にも上るので根気がいる作業に
     なるのだが、50音順に青木玉、青島幸男、赤川次郎から柳美里、結城昌
     治、吉行淳之介、渡辺淳一に至るまで、被写体となった作家名を拾い上
     げていくことができる。

     通常のレファレンスツールとしてだけでなく、企画展示などで人物写
     真を探す際にも、積極的に活用していただきたい一冊である。

                                 (袴田)
     『写真レファレンス事典 人物・肖像篇』
      東京都写真美術館〔監修〕 定価44,100円 (税込)
       B5・880頁 ISBN4-8169-1904-X 2006年3月刊行

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     日外アソシエーツの袴田です。

     職場の近くに、牛丼の全国チェーン「S家」が最近開店したのですが、
     開店から間もなく、その新しい店舗に車が突っ込んで、入口のガラス
     が大破してしまいました。
     開店早々で休業に追い込まれるとはお気の毒と思っていたら、翌朝に
     は入口が修復され、何事もなかったかのように営業しているではあり
     ませんか。恐るべし、オージー・ビーフ・パワー。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋      あの短編は、どの本に収録されているの?
    ■╋     ―『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレンス』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ノーベル賞作家の川端康成は、自らの短編小説を「掌(たなごころ)の
    小説」と名づけた。掌にのるような小品という意味だが、長編小説には
    ない独特の魅力があり、味わい深いものである。

    芥川龍之介、志賀直哉、中勘助、中島敦、向田邦子など、短編小説の名
    手と呼ばれる作家がいる。松本清張も300編ほどの短編を残している。
    海外では、O・ヘンリー、モーパッサン、エドガー・アラン・ポー、ロ
    アルド・ダール、レイ・ブラッドベリなどが有名だろうか...。

    ある短編小説(作品)を読みたい時、どの全集や単行本に収録されてい
    るか、というのが問題となる。一冊一冊目次を調べるのは手間だ。そん
    な時にお奨めなのが『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレン
    ス』である。

    読みたい作品名や著者名を入力して検索ボタンをクリックすれば、瞬時
    に該当する図書データが表示される。掲載図書名や出版社、出版年月か
    ら検索することもできるし、勿論、それらを掛け合わせての“AND検索”
    も可能だ。

    たとえば、芥川龍之介の、南京の夜の町に働く娼婦のお話を探す場合。
    タイトルが多少うろ覚えでも“作品名”欄に「南京」というキーワード
    を、“著者名”欄に「芥川龍之介」と入れて検索(前方一致)すると、
    ちゃんと以下の結果が得られる。

     南京の基督(芥川龍之介)
      『芥川龍之介全集 3』筑摩書房 1986.12(ちくま文庫)
      『芥川龍之介小説集 4 怪奇小説篇』岩波書店 1987.9
      『大導寺信輔の半生・手巾・湖南の扇 他十二篇』岩波書店 1990.10
      (岩波文庫)
      『芥川龍之介全集 第6巻 南京の基督 杜子春』岩波書店 1996.4
      『羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 他十八篇』文藝春秋 1997.2(文春文庫)
      『ザ・龍之介 芥川龍之介全一冊 増補新版』第三書館 2000.7


    翻訳作品の場合は、邦題にバラつきがあるので、あまり絞り込まずに広
    く網を掛ける方が有効だ。ポーの有名な短編『アッシャー家の崩壊』は
    “作品名”欄は空白、“著者名”欄に「エドガーアランポー」と入れて
    検索すれば、作品名の五十音順に(先頭にまとまって)表示される。

     アシャー家の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『アモンティラードの樽 その他』小学館  1998.3(地球人ライブラ
      リー)
     アシャー館の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『世界の文学セレクション36 12 ホーソン・ポー〔新装版〕』
      中央公論社
     アッシャア家の没落(エドガー・アラン・ポー)
      『ポオ小説全集 2 幻怪小説 新装版』春秋社 1998.9
     アッシャア屋形崩るるの記(エドガー・アラン・ポー)
      『ゴシック名訳集成西洋伝奇物語 伝奇ノ匣 7』学習研究社 
      2004.6(学研M文庫)
     アッシャー館の崩壊(エドガー・アラン・ポー)
      『集英社ギャラリー「世界の文学」 16 アメリカ 1』集英社 1991.1
      『黒猫』集英社 1992.5(集英社文庫)
      『ポーの黒夢城』大栄出版 1996.7(STORY REMIX)


    当CD-ROMは、1986~2005年に刊行された図書2.2万冊に掲載されている
    短編小説作品18万タイトルを収録している。巨匠の全集から傑作選、
    アンソロジーなど幅広い図書の内容を検索できる。

    公共図書館で購入された場合、登録法人機関内で同時に5人までご利用
    可能。すなわち、本館と分館で共同利用できる。カウンターのクイック
    レファレンスに是非ご活用いただきたい。

                                  (竹)

    『デスクで調べるCD 短編小説クイックレファレンス』
      発売記念特価:33,600円(本体32,000円)
      2006年2月 日外アソシエーツ発売 ISBN4-8169-8188-8
      Windows 対応検索ソフト ViewIng Ver.2.43 収録
      http://www.nichigai.co.jp/sales/short-novel.html

    * 書籍版「短編小説12万作品名目録」(2001年)の増補改訂版です!

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     日外アソシエーツの原沢です。

     先日、九州のI市立図書館を訪問したときのこと。

     その図書館ではブログ(WEB上の日記)を運営しており、また更新も
     毎日であることから「更新、大変ではないですか?」と水を向けた
     ところ「お察しください…。」と苦笑されました。

     「でも」と司書さんは続けます。

     「図書館のホームページに何か変化を付けたかったんですよ。
     更新もなく代わり映えがしないと、せっかくページを訪問して
     くれたお客様がつまらないと思いまして。それに数人の職員が持ち
     回りで投稿しているので、それほど大変ではないですよ。」

     その後、商談も終わり、立ち去ろうとしている私に司書さんは
     ハワイ土産のコナ・コーヒーをいれてくださいました。
     その気遣いに恐縮していると、司書さんはにっこり笑って言い
     ました。

     「コーヒーの代わりというわけではないですが、ぜひうちのブログ
     をちょくちょく見に来て、アクセス数を増やしてくださいね。
     担当者のやる気に繋がりますので。」
     
     以来、そのブログを愛読しています。
     
     投稿者名は全てハンドルネームですが、この人はどの方かな、と
     想像するのが楽しいです。

    拍手[0回]

    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋      “ビジネス英文”作成の虎の巻
    ■╋          ―『CD-ビジネス技術 実用英語大辞典 第4版』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     翻訳者の間で絶大なる人気を誇る英語辞典がある。通称“海野(うん
     の)さんの辞書”として親しまれている『CD-ビジネス技術 実用英語
     大辞典』(海野文男・海野和子編)だ。

     自らも翻訳者である海野夫妻が、翻訳作業をする中で「既存の辞書で
     はあまりにも役に立たない表現が多く、それならばというので自分達
     で日本の辞書に載っていない表現を集め始めた」のがきっかけ。まだ
     パソコンも普及していない頃からこつこつと溜め込んだデータが大学
     ノート30冊を超えたところで、満を持して大手出版社に出版企画を持
     ち込んだが、残念ながら商品性を見極められず敢えなくボツに。

     しかし、寝食を惜しんで努力する者にチャンスは訪れ、報われる。朝
     日新聞に掲載された「辞書づくり」という海野夫妻の記事を目にした
     日外アソシエーツ編集部K氏はその価値にピンと来た。速攻でコンタ
     クトを取ると1994年1月、初版(書籍版)の刊行に至ったのである。

     「豊富な用例文」がこの辞書の最大のウリだが、そのデータソースは、
     英語圏の書籍や雑誌、英語国企業によって作成された文書などである。
     自然な生の英文を用例に取り込むことで、どのような前置詞、動詞、
     形容詞と連語を成すか(コロケーション)、加算名詞なのか不可算名
     詞なのか、主語や目的語にどのようなものをとるか、などといった英
     文の実際の組み立て方を確認できる。

     「英語を外国語とする日本人が、文法の知識だけを頼りに英作文する
     ことはしょせん無理があります。英語のネイティブが使っている実例
     文をそのまま応用するのが、もっとも確実で手っとり早い方法です。」
     という海野さんの序文の言葉には、深く頷ける。

     私自身“うんのさんの辞書”の愛用者である。データベース関連の仕
     事上、海外の図書館と英文メールのやり取りをすることも少なくない。
     会社のPCには、リーダーズ+プラスV2(研究社)、ジーニアス英和
     大辞典(大修館書店)などがインストールされているが、やっぱり一
     番よく使うのは“うんのさんの辞書”だ。

     たとえば、「円建てで支払いをお願いします」という表現。「円建て」
     を英語でどう表現するか...46万語を誇る『リーダーズ』を検索しても、
     以下のような項目が引っ掛かるのみで間に合わない。

     samurai bond
      円建て外債, サムライボンド《日本の債券市場で円貨表示により発
      行された外国発行者の債券》.
     yenbond
      -n 円建て債《日本政府機関などが海外で発行する円建ての債券》.

     一方、『ビジネス技術 実用英語大辞典』を「円建て」という言葉で
     全文検索するとこんな表現がすぐに見つかる。探し求めていた表現だ。

     denominate
      vt. ~に名前をつける, 命名する, 称する
      ◆yen-denominated goods  円建て[円ベース]で値が付けられている
       製品[商品]
     yen
      a ~ 1円 (pl. yen); the ~ (日本)円
      ◆an amount denominated in yen  円建て金額
      ◆on a yen basis  円ベース[円建て]で


     最新版の“うんのさんの辞書”には、英和と和英に分かれた書籍版と
     1枚の CD-ROM 版がある。英和/和英どちらからでも縦横無尽に検索
     できる CD-ROM 版の方が使い勝手がいい。気になる表現はコピー&
     ペーストで、すぐに自分の文書に応用できるのがまたいい。

     図書館のレファレンス関係の出版物が多い日外アソシエーツにとって、
     この辞書は異質な商品であるが、海野さんが「特に日本語表現を英語
     表現に訳している部分は、翻訳者の命をかけてつくっている」と自負
     するだけあって、またたく間に市井の評判を博し、第4版を数える今も
     ロングセラー商品となっている。

     待望の改訂第5版の準備も始まっている。ビジネス支援を打ち出した
     公共図書館にはぜひ、書架に揃えて欲しい一枚(一冊)である。

                                 (竹)

     『CD-ビジネス技術 実用英語大辞典 第4版』
      海野文男・海野和子編著 発行・発売:日外アソシエーツ
      価格11,550円(税込) ISBN 4-8169-8155-1 2003年1月発売
      http://www.nichigai.co.jp/translator/unno4_2.html

     『ビジネス技術 実用英和大辞典』
      海野文男・海野和子編 定価5,040円(税込)
      A5・約1,330頁 ISBN4-8169-1743-8 2002年11月刊行

     『ビジネス技術 実用和英大辞典』
      海野文男・海野和子編 定価5,460円(税込)
      A5・約1,210頁 ISBN4-8169-1744-6 2002年12月刊行

      http://www.nichigai.co.jp/translator/unno4.html

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    └──────────────────────────────
     日外アソシエーツの袴田です。

     ゴールデンウィークの真っ只中ですね。
     今年はカレンダーの並び具合から長い人で9連休も取れるとか。職場
     のあるビルの1Fに店を構えるスナックも9連休にしたようで、いつも
     ならば午後になるとカラオケ教室を開いて賑やかなのですが、今日は
     変に静かで気が抜けたような感じです。

     思い切って遠出をするのもよし、読書に没頭するのもよし、ひたすら
     ボーっとするのもよし(笑)、素敵なゴールデンウィークをお過ごし下
     さい。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋           「e-レファレンス/ツール」は超使える!
    ■╋    ―「人物レファレンス事典」で揺らぎを確認してみる 編
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     モンゴル帝国建国800周年ということで、チンギス・カンがちょっと
     したブームになっています。

     日経新聞では堺屋太一氏が小説「世界を創った男 チンギス・ハン」
     を連載。
     日蒙合作映画「蒼き狼~地果て海尽きるまで~」の製作も進行中で、
     反町隆史がチンギスハーンを演じるとのこと。
     大相撲三月場所で優勝したモンゴル人横綱の朝青龍もこの映画に出
     たいと言っていましたね。
     
     と、ここまで書いて気が付いたんですが、チンギスくらい、日本語
     表記の揺らぎが多い偉人も珍しいですね。

     チンギス、ジンギス、カン、ハン、あまり統一されていない印象が
     あります。下記に簡単に列挙してみます

     ●姓 :「チンギス」or「ジンギス」or「チンギズ」
     ●中点:「・有」or「・無」
     ●称号:「ハン」or「カン」or「ハーン」or「カーン」

     上記3×2×4=24で、単純に考えて24通りの組み合わせがあります。
     どれが正しいのでしょう。

     こんな時、「e-レファレンス/ツール」の「人物レファレンス事典」
     を引いてみます。

    ┌─────────────────────────────┐
    │                             │
    │ 「人物レファレンス事典」は日外アソシエーツが刊行している│
    │ その人物が「どの事典(人物事典・百科事典・歴史事典)にどう│
    │ いう見出しで掲載されているか」を明示した人物調査の定番書│
    │ 籍です。                        │
    │                             │
    │ 「e-レファレンス/ツール」はそれをネットで調べられるよう │
    │ にした料金定額サービスです。(さりげなく説明&アピール)│
    └─────────────────────────────┘

     e-レファレンス/ツール検索の結果、チンギス・カンは世界史上の人
     物だけあって18冊もの事典に掲載されていることがわかりました。
     下記、一部転記します。

    > Chinggis Khan 〈12・13世紀〉 
    > モンゴル帝国の建設者。初代ハン(在位1206~27)。
    > 【掲載事典】
    > ◎岩波=ケンブリッジ世界人名辞典
    > チンギス・ハーン 1162-1227
    > ◎外国人名事典
    > チンギス・ハーン 1167頃-1227
    > ◎ブリタニカ国際大百科事典
    > チンギス・ハン 1162?-1227.8 


     「太祖」と漢字で掲載されている2つを除いた、各表記の掲載数は

    (1)「チンギス」13冊 「ジンギス」2冊 「チンギズ」1冊
    (2)「・有」  14冊 「・無」    2冊 「=」      1冊
    (3)「ハン」   9冊 「カン」    3冊 「ハーン」  3冊
       「カーン」 0冊

     という結果でした。

     「チンギス・ハン」という表記が(事典類に限っていえば)一般的
     なようです。

     また、上記引用を見る限り「チンギス・ハン」には別の未確定要素
     があります。
     それは出生年。1167年と、1162年の二説あるのです。
     草原から成り上がった人物だけに、信頼できる史料に乏しいのが
     その理由かと思われます。

     こちらについても「人物レファレンス事典」の検索結果をカウント
     してみます。
     すると1167年説を採っている事典は10冊、1162生年説を採っている
     のは8冊でした。この二説は、意見がほぼ均等に割れているんですね。

     もちろん、これだけの調査でどれが正しい、とするのは乱暴です。
     読み方にせよ生年にせよ、正確を期する場合は最新の研究や諸資料に
     あたり総合的に判断する必要があります。
     
     しかし人物の(特に著名な人の)表記の揺らぎや生没年の諸説を確認
     する際の最初のとっかかりとしてまず「人物レファレンス事典」を見
     るというのはかなり効率のいいやり方だなと感じました。

                                (原沢)

     <e-レファレンス/ツール 法人料金/年間>
     「人物レファレンス事典 日本/外国」
      基本ライセンス(1ID)   \95,550(本体\91,000)
      同時アクセス追加    \23,625(本体\22,500) 

     <e-レファレンス/ツール 個人料金/年間>
     「人物レファレンス事典 日本」
                 \12,600(本体\12,000)
     「人物レファレンス事典 外国」
                 \11,025(本体\10,500)

     【e-レファレンス/ツール/案内ページ】
      http://www.e-reftool.jp/

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    └──────────────────────────────
    日外アソシエーツの営業マン・原沢です。

     春は別れの季節です。
     図書館様にアポの電話を入れてみると、これまで何年もお世話に
     なっていた選書担当の方が他部署(他施設)に突然異動されていて、
     少し寂しい思いをすることもしばしばです。

     そんな中「また今年もよろしくお願いします」と電話口に出てくだ
     さる方もおり、そんな時はとても嬉しくなります。

     新しい出会いをおろそかにするわけではもちろんないのですが、
     「今年もお会いできる喜び」をかみしめつつ、春先の営業活動に励
     もうと思っています。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋       人事は棺を蓋うて定まる
    ■╋             ―4月新刊『追悼記事索引 1991-2005』
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     中国の古くからのことわざに「蓋棺事定」(がいかんじてい)という
     のがある。「蓋棺論定」ともいい、一個の人間の是非善悪や価値は、
     亡くなって初めて明らかになるという意味。唐代の詩人・杜甫がその
     書簡の中で繰り返し使ったそうである。

     人の死にあたって、故人の業績や人柄を偲び、あらためてその生涯を
     総括するというのは自然な行為であろう。著名人の場合は、新聞・雑
     誌に追悼記事や特集記事が組まれることが多い。同時代の関係者によ
     って書かれた追悼記事は、故人の生き様を生き生きと物語る、貴重な
     「人物情報源」である。特に物故直後に出た記事は生前の評価を知る
     唯一の資料となるケースも少なくないという。

     本書は、過去15年間に物故した約5,700名の追悼記事(没後3年以内)
     の情報を集め、故人名の50音順に排列した総索引だ。各記事の執筆者
     名からも引くことができる。概ね1910年代に生を受け、高度経済成長
     期から安定成長期に至る日本社会を担った各界のキーパーソンを幅広
     くカバーしている。

     まだ市場に出回っていない新刊本の「版下」にいち早く目を通すこと
     ができるのは、出版社勤めの役得。早速、編集局から拝借した大事な
     版下をつらつらと眺めてみると、作家、政治家、思想家、経済人、芸
     術家、芸能人、アスリートなどなど、収録対象は思いの外、バラエテ
     ィに富んでいる。

     たとえば、紀州熊野(和歌山県新宮市)出身の芥川賞作家、中上健次。
     1992年に46歳の若さで亡くなっている。『追悼記事索引 1991-2005』
     を開くと、「中上健次」の見出しの下には実に130名以上の人々が書い
     た追悼記事の情報がぶら下がっている。各タイトルを追うだけでも記
     事の中身をある程度、伺い知ることができるので、文献調査の有力な
     足掛かりとなるだろう。また、地方紙までちゃんと目配りが利いてい
     る。

     《井口 時男》
     ◇中上健次が遺したもの―80年代の意味問う/言葉の「貧しさ」あら
      わに 「西日本新聞」 1993.10.7朝 p19
     《尹 興吉》
     ◇童心と魔性―中上健次のこと 「新潮」90(3) 1993.3 p236~242
     《梅原 猛》
     ◇中上健次の死―果たせなかった熊野対談、霊は人の魂を魅惑し続け
      る(思うままに) 「中日新聞」 1992.8.24夕 p9
     《島田 雅彦》
     ◇追悼中上健次―地の果ての「王」最後の作家 「週刊朝日」97(35)
      1992.8.28 p34~36
     《立松 和平》
     ◇「無人の野を独りで歩いていたあいつ」―前夜までペン、壮絶な中
      上健次の死 「アサヒグラフ」 3665号 1992.8.28 p20
     《蓮実 重彦》
     ◇‘92文芸時評―中上健次の死は、無慈悲なまでに抽象的である(追
      悼 中上健次〈特集〉) 「文藝」31(4) 1992.11 p224~231
     《ビートたけし》
     ◇中上健次は“最後の小説家”だったぜ(たけしの場外乱闘〔44〕)
      「週刊文春」34(34) 1992.9.10 p56
     《都 はるみ》
     ◇中上健次さん「あなたは頼りになる兄でした」(付グラビア)(REQUI
      EM)「サンデー毎日」71(36) 1992.8.30 p31
     《安岡 章太郎》
     ◇中上、いま死なれたらたまらんよ(付グラビア)(追悼特集・46歳
      の夏、中上健次逝く) 「週刊ポスト」24(34) 1992.9.4 p52~55
     《吉本 隆明》
     ◇比類のない文学思想―中上健次氏を悼む 「京都新聞」 1992.8.13
      朝 p14

          <『追悼記事索引 1991-2005』本文よりランダムに抜粋>

     本書を繙くと、どんな人が追悼記事を寄せているか、ざっと一覧でき
     るので、故人の交友関係が浮き彫りとなって興味深い。もうひとつ、
     「ジャイアント馬場」の項を見てみよう。阿川佐和子、アントニオ猪
     木、内館牧子、香山リカ、黒鉄ヒロシ、関根勤、馳星周、ビートたけ
     し、スタン・ハンセン、辺見庸、夢枕貘など、蒼々たる名前が並んで
     いる。熱烈な馬場ファンも多いようだ。中でも格闘技好きな私が個人
     的に気になったのは、以下の《無署名ほか》の記事である。

     ◇油絵と司馬遼太郎を愛したジャイアント馬場の「がん死」 「週刊
      文春」 41(6) 1999.2.11 p170~172

     簡潔な追悼記事には、故人の「人となり」がよく現れる。何だかプロ
     レスラー馬場の本当の素顔を垣間見る思いがするではないか。早速、
     日曜に図書館へ出掛けよう。

                                 (竹)

     『追悼記事索引 1991-2005』
      紀田順一郎〔監修〕 定価33,600円(本体32,000円) 2006.4刊
      日外アソシエーツ B5判 952頁 ISBN4-8169-1968-6

     【案内ページ】
      http://www.nichigai.co.jp/sales/tribute.html

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    http://www.reference-net.jp/
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     日外アソシエーツの袴田です。
     
     今号の図書館関連ニュースにもありますが、電気用品の安全性を示す
     「PSEマーク」のない製品の販売を禁止する電気用品安全法(通称:
     PSE法)の完全施行に対しては、リサイクル業者やミュージシャンな
     どの反対運動に端を発して、経済産業省が施行の直前に一転して基準
     を緩和するなど混迷が続いていますね。
     
     図書館や学校が所蔵している録音・映像資料の中には、古くはSP/EP/
     LP盤のアナログレコードやカセットテープ、8ミリ/16ミリフィルムな
     どから、最近ではベータマックス/VHSビデオテープやVHD/レーザーデ
     ィスクに至るまで、今では製造されていない専用装置がないと再生で
     きないものが、意外と残っているのではないでしょうか?

     そういえば弊社の保養所にも、VHD方式のカラオケ機がホコリをかぶ
     ったまま置いてありましたっけ。(笑)

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     『新訂増補 海を越えた日本人名事典』
    ■╋            
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     武庫川女子大学・高階時子さんから、弊社刊『新訂増補 海を越えた
     日本人名事典』の投稿コラムをいただきました!

    ……………………………………………………………………………………
     ◆楽しい事典の話
     
     読者の中にはNHKテレビで毎週水曜日に放映される「その時歴史が動
     いた」を見ている方も多いのではないだろうか。
     「その時歴史が動いた」は、歴史上のある事件に焦点をあててドラ
     マ仕立てにしたものである。
     わずか45分という限られた時間のため、ちょっともの足りない気も
     するが新しい情報を得ることが多く、私の見たい番組のひとつになっ
     ている。
     
     ↓下記URLで全文をご覧いただけます。
      http://www.reference-net.jp/column/posted_column001.html

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    http://www.reference-net.jp/
    └──────────────────────────────
     日外アソシエーツの原沢です。
     
     「レファレンスクラブ;全国の図書館」
     http://www.reference-net.jp/lib_link.html
     がおかげさまで好評です。アクセスも毎月伸びています。

     ただいわゆる「平成の大合併」が今年3月にピークを迎えるため、
     データの更新に担当者達はおおわらわです。
     
     「この図書館、改名後に市立・町立の『立』は入るのかなぁ?」

     「ここ明らかに合併してるはずなのに、町のホームページが変わっ
      てないぞ。ソースがないと、データ変更できないんだよなぁ…」

     そんな担当者たちの血と汗と涙…血と涙は言い過ぎですけれど、
     汗を感じながら、愛用いただければ幸いです。
     そして感想やお気づきの点があれば、メールを頂戴できればと思い
     ます。

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    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     鉄鋼王カーネギーとニューヨーク公共図書館
    ■╋             3月新刊『世界の図書館百科』斜め読み
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ◆「官か民か」

    指定管理者制度やPFI(Private Finance Initiative)の流れを受けて、
    わが国でも従来にない「民営」の図書館が見受けられるようになった。

    北九州市立戸畑図書館は、元経営コンサルタントが館長を務め、昨年
    5月から司書が地元FM局でお薦めの本と図書館をPRしたり、8月から閉
    館後に月一ペースで起業希望者向けビジネス支援講座を始めていると
    いう。

    民営化は時代の大きな趨勢であるが、無料サービスを前提とする図書
    館の運営に民間委託には馴染まないとする反発も根強い。

    官か民か・・・それが日本の問題だ。が、図書館先進国のアメリカに
    目を向けると、公共図書館に対する固定観念を打ち破るような別次元
    の発想に驚かされる。

    ◆ ニューヨーク公共図書館は「NPO」

    ニューヨーク公共図書館は、ご存知の通り、世界でもトップクラスの
    図書館で、専門分野に特化した4つの研究図書館(Research Library)
    と85の地域分館(Branch  Library)からなる複合体であるが、意外な
    ことに州や市が運営する公立図書館ではなく、非営利民間団体(NPO)
    が運営する Public Library なのである。理事会によって運営され、
    研究図書館の費用の大半は慈善家、団体、企業など民間からの寄付金
    によって賄われている。

    3月に日外アソシエーツより刊行される『世界の図書館百科』(藤野幸
    雄 編著)で「ニューヨーク公共図書館」の項を見てみると、その歴史
    的経緯がよくわかる。

    19世紀のニューヨークにあった個人のアスター図書館とレノックス図
    書館をニューヨーク州知事のサミュエル・ティルデンが統合し、「市
    民のための公共図書館」を作ることを提案する。その後、ティルデン
    財団の仲介で1895年、ニューヨーク公共図書館(New York Public
    Library)が創設された。

    新興都市ニューヨークをヨーロッパ並みの文化的な都市にするためには、
    誰もが自由に学べる環境作りが必要不可欠と考えた市のリーダーたちは
    市民に開かれた図書館の充実に尽力する。「設立時の性格がそのまま後
    に引き継がれた」とあるのは、即ち、資産家が近代国家の基礎的インフ
    ラとして資金を提供して発足した図書館ということだろう。

    1901年からは図書館の重要性を訴えた鉄鋼王アンドリュー・カーネギー
    が大口寄付を申し出る。ニューヨーク公共図書館の分館の半数近くは、
    カーネギーの資金援助を受けて拡大していったそうである。

    『世界の図書館百科』には、「アンドリュー・カーネギー」も別項目と
    して立っている。以下、少し長いが、抜粋してみよう。

    ----------------------------------------------------------------
    1901年に会社を5億ドルでモーガンに売り渡したカーネギーは、かねて
    から決心していた慈善事業に資産をつぎこむことにした。なかでも図書
    館に対する支援は優先順位が高かった。彼が図書館に関心を寄せた理由
    は、父の影響で幼いころから読書にあこがれていたが、その機会がなか
    ったこと、ピッツバーグという開拓前線の町で移民たちに図書館が提供
    できる楽しみと知識獲得の場、ここが将来性の最も大きな場所だったか
    らであろう。
      ~略~
    こうした寄付はアメリカの図書館を機能面で変えていた。飾りの多い無
    駄なスペースの建設は許されなかったからである。さらにカーネギーの
    寄付行為は繁栄を迎えたアメリカで他の多くの慈善事業家の引き金にな
    っていた。20世紀の初頭に寄付により実現した図書館の数は多い。
    カーネギーの遺志をついだカーネギー財団は,図書館発展の新たな時期
    に、さらに実質的な支援を行った。調査と勧告に基づいて、寄付行為の
    方向転換をおこない、図書館員養成の教育を学問の規律のうえに乗せ、
    さらに、図書館間の協力の実現のためにアメリカ図書館協会を支援する
    方向に向かったのである。
    ----------------------------------------------------------------
    アメリカの公共図書館とその活動に資産をつぎこむ篤志家の関係は特筆
    に値する。多文化国家のアメリカには、個人が社会の中でその才能を開
    花させる機会は平等に誰にでも与えられるべきだという確固たる思想が
    あるようだ。

    ◆ Public Library の意味するもの

    カーネギーら資産家の寄付が原動力となって、ニューヨーク公共図書館
    は、市民による市民のための「知的インフラ」として整備されていった。
    菅谷明子氏(*)は『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』
    の中で次のように述べている。

    図書館とは、「過去の人類の偉業を大切に受け継ぎ、新しいものを生み
    出すための素材を提供する。やる気とアイディアと好奇心溢れる市民を
    豊潤なコレクション(所蔵資料)に浸らせ、個人の能力を最大限に引き
    出すために惜しみない援助を与える」ところだといい、これまで実際に
    多くの人材を育ててきたニューヨーク公共図書館は「アメリカの繁栄を
    支える大きな柱」となっているという。

    個人が力をつけ活躍することが、やがては社会全体を潤すことにつなが
    るというビジョンの下、図書館を上手に活用してキャリアを強化し成功
    を収めた者は、寄付という形で図書館活動にその結果を還元する。公共
    図書館は「市民が主役」の情報社会の拠点なのである。

    public 本来の「一般公衆に対して開かれた」という意味合いを今一度、
    噛みしめたい。

                                 (竹)

    <Bibliography>
     『世界の図書館百科』
      藤野幸雄 編著 A5・854頁 定価14,910円(本体14,200円)
      ISBN4-8169-1964-3 2006年3月 日外アソシエーツ

     『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』
      菅谷明子 著 18cm 230p 定価735円(本体700円)
      ISBN4-00-430837-2 2003年9月 岩波書店

    * 菅谷明子
      1963年北海道に生まれる。カナダ留学などを経て、米ニュース雑誌
     『ニューズウィーク』の日本版スタッフとなる。1996年ニューヨーク
      のコロンビア大学大学院にて修士号取得。1997年在米ジャーナリス
      トとして、メディアと公共空間、インターネットと市民社会などを
      テーマに取材・執筆活動を始める。現在、経済産業研究所(RIETI)
      研究員。「進化する図書館の会」運営委員、「ビジネス支援図書館
      推進協議会」副会長などもつとめる
             <図書内容情報データベース BOOKPLUS より抜粋>

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     日外アソシエーツの袴田です。

     先週末に遊びに出かけた神戸で、地元新聞の記事をコピーするために
     市内の図書館を訪れました。
     目的の記事をコピーした後、玄関先にある宣伝のチラシやポスターを
     ながめていたところ、第1回「明石・タコ検定」の文字に惹かれました。
     (公式サイト:http://www.tako-kentei.com/

     町おこしの一環で開かれるイベントなのでしょうが、公式サイトの模
     擬試験をやってみたところ、けっこう難しい問題が出されるようです。
     このような「ご当地検定」の問題作りにも、地元の図書館の所蔵資料
     は役立ちそうですね。

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     スポットライト・コラム 
              -レファ本 ≠ 参考図書に気づかされる一冊-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     作家・ライターや評論家、研究者など、ものを書いたり調べたりす
     るのが仕事という人の部屋には立派な書斎があって、何本も並ぶ本
     棚には辞書・事典類が並んでいる...というイメージを、私たちは
     不思議と抱いています。しかし、パソコンとインターネット環境が
     当たり前になった今日では、辞書・事典類などは冊子体では持たず
     にCD-ROM、DVD-ROM、電子辞書、インターネット辞書サイトなどの
     電子媒体だけで済ませている方も多いに違いありません。

     ラジオやテレビのコメンテーターとしても知られる評論家の日垣隆
     氏は、インターネットが普及する以前、ニフティサーブなどのパソ
     コン通信が始まった頃から取材・執筆活動をされており、調査など
     には各社のオンラインデータベースを活用していると聞いています。
     ところが、日垣氏は大の「レファ本(レファレンスブック)」好き
     で、自身が発行する有料メールマガジンや公式ホームページでも、
     「座右のレファ本」なるコーナーを持っており、レファレンスブッ
     クの書評をコラム形式で綴っているほどです。
     http://homepage2.nifty.com/higakitakashi/ref/ref_top.html

     このコーナーで取り上げてきた本を中心として新たにまとめ直した
     のが、筑摩書房より刊行された『使えるレファ本150選』で、嬉しい
     ことに、弊社刊行の『事典 外国人の見た日本』『事典 近代日本
     の先駆者』『海を越えた日本人名事典』『来日西洋人名事典』『20
     世紀西洋人名事典』『テレビ・タレント人名事典』も掲載されてい
     ます。

     図書館界で呼ぶレファレンスブック(参考図書)とは違った、独自
     の視点で「レファ本」の選択をしているので、いわゆるビジネス本
     や雑学書、特定分野のトリビア本なども含まれていますが、なるほ
     ど、それらもレファレンスブックになり得るのだと逆に気づかされ
     ました。
     
     巻末には、取り上げられた書名索引も付いているので、「レファ本」
     に載っていた"あの本"は何という書名だったのかと、ド忘れした時
     にも使えます。
                               (袴田)

      『使えるレファ本150選』(ちくま新書)
     日垣 隆〔著〕 筑摩書房〔刊〕
     定価(本体780円+税) 2006.1/新書版 260p
     ISBN4-480-06282-3

      『事典 外国人の見た日本』【絶版】
     富田仁〔編〕
     定価(本体9,515円+税) 1992.8刊/A5・600p
     ISBN4-8169-1141-3

      『事典 近代日本の先駆者』
     富田仁〔編〕
     定価(本体9,515円+税) 1995.6刊/A5・680p
     ISBN4-8169-1301-7

      『新訂増補 海を越えた日本人名事典』
      富田仁〔編〕
      定価(本体15,000円+税) 2005.7刊/A5・940p 
      ISBN4-8169-1933-3

      『来日西洋人名事典〔増補改訂普及版〕 』
     武内博〔編著〕
     定価(本体4,660円+税) 1995.1刊/B6・730p
     ISBN4-8169-1277-0

     『20世紀西洋人名事典』
     日外アソシエーツ編集部〔編〕
     定価(本体46,602円+税) *セット価 1995.2刊/B5・2480p(2分冊)
     ISBN4-8169-1271-1

      『テレビ・タレント人名事典 第6版』
     日外アソシエーツ〔編〕
     定価(本体6,600円+税) 2004.6刊/A5・1300p
     ISBN4-8169-1852-3

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     日外アソシエーツの原沢です。
     先週まで全国の図書館を訪ね歩いていました。

     帰社してから、先週訪問したとある図書館のホームページを見た
     ところ、ご対応いただいた担当者の方が署名付きでコラムを書いて
     いるのを発見しました。

     その方が海外の図書館に留学していたことや、実は某作家研究の分
     野では大家であったことを今更ながら知りました。
     通常どおりの営業ではわからなかったことです。

     ネット社会は人と人との関わりを希薄にすると思われがちです。
     しかしこうしてパーソナリティを伝え、親近感を醸成するのもネッ
     トならではと改めて実感した次第です。

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     スポットライト・コラム 
          -わが国の写真をとりまく人物の群像を捉えた新事典-
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     以前、福井県の図書館に行った時、展示スペースに段ボール製の
     「カメラ」が飾ってありました。

     いかにも手製のそれを、しげしげと見ていると、かぶってみて下さ
     いと展示係の方がすすめてくれました。箱を頭にすっぽりかぶって
     みると、小さな穴の先から、色を失い逆様になった世界がのぞいて
     いました。おそらくカメラの原始的な形なのでしょう。デジタルカ
     メラを使っていても、カメラの原理となると文系の私にはいまいち
     理解できません。

     目に映る、この一瞬をイメージとして留めたい――その情熱が写真
     の技術を開発、進化させ、写真家による試行錯誤の中で、今に残る
     素晴らしい写真作品が生み出されてきました。

     この11月に小社から刊行となった『日本の写真家―近代写真史を彩っ
     た人と伝記・作品集目録』は、そのような、写真に懸け、写真を追
     い求めた839人の人生と作品がわかる事典です。
     写真史に名を残す人物たちの詳細なプロフィールと、各人の写真集
     をはじめとする著作などの文献目録を掲載しています。

     特筆すべきは「写真家」に限らず、写真評論家、編集者、写真科学
     研究者など、写真に関係する人物を幅広く収録していることです。
     コニカ創業者の杉浦(小西)六右衛門や、「アサヒカメラ」初代編
     集長の成沢玲川など、写真史上欠かすことのできない人物から、写
     真との関わりが深い蘭学者や文学者まで含まれています。

     写真家による代表作も挿んでありますので、ページをめくると見た
     ことのある作品や気になる作品に遭遇することもあるはず。そこか
     ら写真家を知り、写真集を探してみると、また素晴らしい一枚に出
     会えるかもしれません。
                               (大橋)

     『日本の写真家 近代写真史を彩った人と伝記・作品集目録』
     東京都写真美術館〔監修〕 日外アソシエーツ〔刊〕
     定価9,975円(本体9,500円) 2005.11/B5・490p 
     ISBN4-8169-1948-1

     【姉妹篇】連絡先までわかる写真業界ディレクトリの決定版!
     『現代写真人名事典』
     東京都写真美術館〔監修〕 日外アソシエーツ〔刊〕
     定価13,440円(本体12,800円) 2005.12/A5・600p 
     ISBN 4-8169-1949-X

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     日外アソシエーツの袴田です。

     東京近辺では、底冷えの日々が続き大雪に見舞われたかと思うと、
     急に3月頃の陽気になったり、また一転して氷雨が降ったりと、不安
     定な空模様に悩まされています。
     
     さて、当「レファクラ通信」ですが、年末年始は図書館関連のニュ
     ースがなかなか集まらず、約1ヶ月ぶりの配信となりました。月2回の
     配信を楽しみにされていた皆さまにお詫び申し上げます。

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     スポットライト・コラム 
                 -物故者を通覧し時代に思いをはせる-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     先月、九州国立博物館の開館特別記念展『美の国日本』に行って
     きました。
     とりわけ印象にのこったのは安土桃山時代の肖像画。
     豊臣秀吉やその正妻“ねね”など知名度の高い人物達の絵が数多
     く展示されていました。
     日本の肖像画は対象人物の追慕のために死後まもなく描かれるもの
     が多いとのこと。故人の記憶が人々の内に残っているうちに製作さ
     れた絵には、やはり独特の存在感とリアリティがありました。

     秀吉の絵を見ながら、この絵師の目に映った英雄はどんなだった
     ろうか、彼の死を知ったときにどんな気持ちになったろうかと思
     いをはせました。
     感じたのは時代の終わりでしょうか、それとも始まりでしょうか。
     いずれにせよ名のある人物の死は、人々にある時代の区切りを
     感じさせずにはいられなかったことでしょう。
     美空ひばりや石原裕次郎が亡くなったときに我々が等しく受けた
     感慨を、当時の人々も感じたのかもしれません

     今、私の手元にある『人物物故大年表 日本人編 I 古代~1945』は、
     そんな歴史上の人物の死を没年ごとに網羅的に収録した事典です。
     古代から1945年までに没した武将、軍人、学者など、実に5万5千人
     を収録しており、没年日、享年、プロフィールなど、人物同定に必
     要な事項も付記されています。

     ためしに秀吉が亡くなった1598年を引くと、同年には不思議なほど
     著名な人物が亡くなっていません。ゆえにかえって世間が秀吉の死、
     一色に染まったことがわかります。
     むしろ1591年の弟秀長の死の直後から、秀吉がらみと思われる死者
     がやけに多くなっており、秀吉が晩年に耄碌した、という説を裏付
     けるかのごとくです。
     特に1597年の項には甥・秀次の処刑に連座した妻の名前21人が書き
     連ねられており下記に名前だけ引用すると

     『一の台 お伊万 おきい おあこ あおひ おきく お国 
      おこご おこちゃ おこほ おさこ おさな お竹 お辰 お長
      おつま お虎 あなあ 小牧 およめ』

     21人と聞くとああそうかで終わってしまいますがこうしてずらりと
     名前が並ぶとあらためてその死の重みが実感をもって伝わってきま
     す。

     このように、歴史を簡易に通覧でき、時代についての考察を深め、
     またその時代に生きた人々の気持ちとシンクロすることができる
     『人物物故大年表』は、これまでにない歴史史料として重宝する
     こと間違いなしです。

     既存の歴史年表でも物故者が各年で数人ずつ紹介されるケースは多
     いのですが、掲載されるのはその時代に活躍した一部の人に限られ
     ます。『人物物故大年表』は政治的偉人のみならず、芸術家をはじ
     め、下級武士や職人、遊女や盗賊など、幅広い人物群像を一覧でき
     るのも特徴です。

     芸術家といえば、九州国立博物館には雪舟の山水画も飾られていま
     した。雪舟を末尾の人名索引から調べてみると、1506年没とのこと。
     なんと来年は雪舟没後500年にあたるようです。
     この本、「没後××年」といったアニバーサリーにあたる人物も 
     簡単に調査できたりします。便利です。
                               (原沢)

    ◆『人物物故大年表 日本人編 I(古代~1945)』
     日外アソシエーツ編
     2005.12刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,310頁
     ISBN:4-8169-1958-9
     卑弥呼に始まる古代史の人物から1945年までの物故者5.6万人を収録。

    ◆『人物物故大年表 日本人編 II(1946~2004)』
     日外アソシエーツ編
     2006.1刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,250頁
     ISBN:4-8169-1959-7
     日本史上の人物を没年ごとに一覧する大型人物年表。河上肇から水
     上勉まで、戦後の日本を駆け抜けた様々な分野の人物5.6万人を収録。

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