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<特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
-現代社会を知る-
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2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、最近のロンドン同時爆破テ
ロなど、緊迫した国際情勢が今日までつづいています。いまや中東地
域の状況が一変するたびに、世界の政治・経済にまで強い影響が出る
ようになりました。それゆえ、現代社会を知るためには、まず中東・
イスラムに関する理解を深めることが不可欠といえそうです。
さて、6月刊行の本書『中東・イスラム関係記事索引 1990-2004』は
中東地域やイスラム世界を理解するための情報源となることを目的と
したツールで、1990年~2004年までの15年間に発行された中東・イス
ラムに関する雑誌記事9,870件を収録しています。
本書の主な特徴の一つは収録対象期間で、1990年~2004年という20世
紀末から21世紀初頭までの激動の時代をまとめています。いくつか当
時の出来事を挙げてみますと
1990年 イラク、クウェートへ侵攻
1991年 湾岸戦争
1993年 イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)間に期限付き暫定
自治を認めるオスロ合意が成立
1995年 イスラエルのラビン首相が暗殺される
2001年 米国同時多発テロ
2003年 イラク戦争
2004年 アラファト議長死去、アッバース氏が議長に就任
のように、中東ではイラクやパレスチナ問題を中心に、この15年間で
大きな社会変動があったことがわかります。本書は収録件数からみる
と、やや収録期間が短い印象もありますが、激動の時代を理解するに
は最適な期間を収録したといえます。
そのほか、本書の特徴としては、総合誌、紀要、月報、学会誌など約
1,200誌から幅広く採録し、政治・経済ばかりでなく宗教・歴史・法
律・教育・美術・映画・演劇・スポーツなどのテーマに分類したこと
も挙げられます。
客観性を重視し偏向なく雑誌記事を収録した本書を、より多角的、複
合的に中東地域・イスラム世界について理解を深めるためのツールと
して活用していただければと思っております。
(小森)
◆『中東・イスラム関係記事索引 1990-2004』
定価29,925円(本体28,500円) 2005.6刊 ISBN4-8169-1926-0
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