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     スポットライト・コラム 
                 -物故者を通覧し時代に思いをはせる-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     先月、九州国立博物館の開館特別記念展『美の国日本』に行って
     きました。
     とりわけ印象にのこったのは安土桃山時代の肖像画。
     豊臣秀吉やその正妻“ねね”など知名度の高い人物達の絵が数多
     く展示されていました。
     日本の肖像画は対象人物の追慕のために死後まもなく描かれるもの
     が多いとのこと。故人の記憶が人々の内に残っているうちに製作さ
     れた絵には、やはり独特の存在感とリアリティがありました。

     秀吉の絵を見ながら、この絵師の目に映った英雄はどんなだった
     ろうか、彼の死を知ったときにどんな気持ちになったろうかと思
     いをはせました。
     感じたのは時代の終わりでしょうか、それとも始まりでしょうか。
     いずれにせよ名のある人物の死は、人々にある時代の区切りを
     感じさせずにはいられなかったことでしょう。
     美空ひばりや石原裕次郎が亡くなったときに我々が等しく受けた
     感慨を、当時の人々も感じたのかもしれません

     今、私の手元にある『人物物故大年表 日本人編 I 古代~1945』は、
     そんな歴史上の人物の死を没年ごとに網羅的に収録した事典です。
     古代から1945年までに没した武将、軍人、学者など、実に5万5千人
     を収録しており、没年日、享年、プロフィールなど、人物同定に必
     要な事項も付記されています。

     ためしに秀吉が亡くなった1598年を引くと、同年には不思議なほど
     著名な人物が亡くなっていません。ゆえにかえって世間が秀吉の死、
     一色に染まったことがわかります。
     むしろ1591年の弟秀長の死の直後から、秀吉がらみと思われる死者
     がやけに多くなっており、秀吉が晩年に耄碌した、という説を裏付
     けるかのごとくです。
     特に1597年の項には甥・秀次の処刑に連座した妻の名前21人が書き
     連ねられており下記に名前だけ引用すると

     『一の台 お伊万 おきい おあこ あおひ おきく お国 
      おこご おこちゃ おこほ おさこ おさな お竹 お辰 お長
      おつま お虎 あなあ 小牧 およめ』

     21人と聞くとああそうかで終わってしまいますがこうしてずらりと
     名前が並ぶとあらためてその死の重みが実感をもって伝わってきま
     す。

     このように、歴史を簡易に通覧でき、時代についての考察を深め、
     またその時代に生きた人々の気持ちとシンクロすることができる
     『人物物故大年表』は、これまでにない歴史史料として重宝する
     こと間違いなしです。

     既存の歴史年表でも物故者が各年で数人ずつ紹介されるケースは多
     いのですが、掲載されるのはその時代に活躍した一部の人に限られ
     ます。『人物物故大年表』は政治的偉人のみならず、芸術家をはじ
     め、下級武士や職人、遊女や盗賊など、幅広い人物群像を一覧でき
     るのも特徴です。

     芸術家といえば、九州国立博物館には雪舟の山水画も飾られていま
     した。雪舟を末尾の人名索引から調べてみると、1506年没とのこと。
     なんと来年は雪舟没後500年にあたるようです。
     この本、「没後××年」といったアニバーサリーにあたる人物も 
     簡単に調査できたりします。便利です。
                               (原沢)

    ◆『人物物故大年表 日本人編 I(古代~1945)』
     日外アソシエーツ編
     2005.12刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,310頁
     ISBN:4-8169-1958-9
     卑弥呼に始まる古代史の人物から1945年までの物故者5.6万人を収録。

    ◆『人物物故大年表 日本人編 II(1946~2004)』
     日外アソシエーツ編
     2006.1刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,250頁
     ISBN:4-8169-1959-7
     日本史上の人物を没年ごとに一覧する大型人物年表。河上肇から水
     上勉まで、戦後の日本を駆け抜けた様々な分野の人物5.6万人を収録。

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