忍者ブログ
「レファクラ通信」(1日配信)のバックナンバー記事です。原則として、各記事は配信当時の内容です。リンク切れなど、予めご了承ください。 「レファクラ通信」の配信を希望される方は、事前に会員登録をお願いいたします。 レファレンスクラブの会員登録/退会は自由です(無料)。お名前と所属機関名、「会員希望」または「退会希望」と書いて reference-club@nichigai.co.jp までメールをお送りください。       
2024 . 05
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 最新CM
    [06/22 竹村@レファクラ事務局]
    [06/22 onsendaisuki88]
    バーコード
    カレンダー
    04 2024/05 06
    S M T W T F S
    1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 31
    ブログ内検索
    カウンター
    アクセス解析
    ×

    [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     『新訂増補 海を越えた日本人名事典』
    ■╋            
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     武庫川女子大学・高階時子さんから、弊社刊『新訂増補 海を越えた
     日本人名事典』の投稿コラムをいただきました!

    ……………………………………………………………………………………
     ◆楽しい事典の話
     
     読者の中にはNHKテレビで毎週水曜日に放映される「その時歴史が動
     いた」を見ている方も多いのではないだろうか。
     「その時歴史が動いた」は、歴史上のある事件に焦点をあててドラ
     マ仕立てにしたものである。
     わずか45分という限られた時間のため、ちょっともの足りない気も
     するが新しい情報を得ることが多く、私の見たい番組のひとつになっ
     ている。
     
     ↓下記URLで全文をご覧いただけます。
      http://www.reference-net.jp/column/posted_column001.html

    拍手[0回]

    PR
    ╋■╋■╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■╋■╋ スポットライト・コラム
    ╋■╋     鉄鋼王カーネギーとニューヨーク公共図書館
    ■╋             3月新刊『世界の図書館百科』斜め読み
    ╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ◆「官か民か」

    指定管理者制度やPFI(Private Finance Initiative)の流れを受けて、
    わが国でも従来にない「民営」の図書館が見受けられるようになった。

    北九州市立戸畑図書館は、元経営コンサルタントが館長を務め、昨年
    5月から司書が地元FM局でお薦めの本と図書館をPRしたり、8月から閉
    館後に月一ペースで起業希望者向けビジネス支援講座を始めていると
    いう。

    民営化は時代の大きな趨勢であるが、無料サービスを前提とする図書
    館の運営に民間委託には馴染まないとする反発も根強い。

    官か民か・・・それが日本の問題だ。が、図書館先進国のアメリカに
    目を向けると、公共図書館に対する固定観念を打ち破るような別次元
    の発想に驚かされる。

    ◆ ニューヨーク公共図書館は「NPO」

    ニューヨーク公共図書館は、ご存知の通り、世界でもトップクラスの
    図書館で、専門分野に特化した4つの研究図書館(Research Library)
    と85の地域分館(Branch  Library)からなる複合体であるが、意外な
    ことに州や市が運営する公立図書館ではなく、非営利民間団体(NPO)
    が運営する Public Library なのである。理事会によって運営され、
    研究図書館の費用の大半は慈善家、団体、企業など民間からの寄付金
    によって賄われている。

    3月に日外アソシエーツより刊行される『世界の図書館百科』(藤野幸
    雄 編著)で「ニューヨーク公共図書館」の項を見てみると、その歴史
    的経緯がよくわかる。

    19世紀のニューヨークにあった個人のアスター図書館とレノックス図
    書館をニューヨーク州知事のサミュエル・ティルデンが統合し、「市
    民のための公共図書館」を作ることを提案する。その後、ティルデン
    財団の仲介で1895年、ニューヨーク公共図書館(New York Public
    Library)が創設された。

    新興都市ニューヨークをヨーロッパ並みの文化的な都市にするためには、
    誰もが自由に学べる環境作りが必要不可欠と考えた市のリーダーたちは
    市民に開かれた図書館の充実に尽力する。「設立時の性格がそのまま後
    に引き継がれた」とあるのは、即ち、資産家が近代国家の基礎的インフ
    ラとして資金を提供して発足した図書館ということだろう。

    1901年からは図書館の重要性を訴えた鉄鋼王アンドリュー・カーネギー
    が大口寄付を申し出る。ニューヨーク公共図書館の分館の半数近くは、
    カーネギーの資金援助を受けて拡大していったそうである。

    『世界の図書館百科』には、「アンドリュー・カーネギー」も別項目と
    して立っている。以下、少し長いが、抜粋してみよう。

    ----------------------------------------------------------------
    1901年に会社を5億ドルでモーガンに売り渡したカーネギーは、かねて
    から決心していた慈善事業に資産をつぎこむことにした。なかでも図書
    館に対する支援は優先順位が高かった。彼が図書館に関心を寄せた理由
    は、父の影響で幼いころから読書にあこがれていたが、その機会がなか
    ったこと、ピッツバーグという開拓前線の町で移民たちに図書館が提供
    できる楽しみと知識獲得の場、ここが将来性の最も大きな場所だったか
    らであろう。
      ~略~
    こうした寄付はアメリカの図書館を機能面で変えていた。飾りの多い無
    駄なスペースの建設は許されなかったからである。さらにカーネギーの
    寄付行為は繁栄を迎えたアメリカで他の多くの慈善事業家の引き金にな
    っていた。20世紀の初頭に寄付により実現した図書館の数は多い。
    カーネギーの遺志をついだカーネギー財団は,図書館発展の新たな時期
    に、さらに実質的な支援を行った。調査と勧告に基づいて、寄付行為の
    方向転換をおこない、図書館員養成の教育を学問の規律のうえに乗せ、
    さらに、図書館間の協力の実現のためにアメリカ図書館協会を支援する
    方向に向かったのである。
    ----------------------------------------------------------------
    アメリカの公共図書館とその活動に資産をつぎこむ篤志家の関係は特筆
    に値する。多文化国家のアメリカには、個人が社会の中でその才能を開
    花させる機会は平等に誰にでも与えられるべきだという確固たる思想が
    あるようだ。

    ◆ Public Library の意味するもの

    カーネギーら資産家の寄付が原動力となって、ニューヨーク公共図書館
    は、市民による市民のための「知的インフラ」として整備されていった。
    菅谷明子氏(*)は『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』
    の中で次のように述べている。

    図書館とは、「過去の人類の偉業を大切に受け継ぎ、新しいものを生み
    出すための素材を提供する。やる気とアイディアと好奇心溢れる市民を
    豊潤なコレクション(所蔵資料)に浸らせ、個人の能力を最大限に引き
    出すために惜しみない援助を与える」ところだといい、これまで実際に
    多くの人材を育ててきたニューヨーク公共図書館は「アメリカの繁栄を
    支える大きな柱」となっているという。

    個人が力をつけ活躍することが、やがては社会全体を潤すことにつなが
    るというビジョンの下、図書館を上手に活用してキャリアを強化し成功
    を収めた者は、寄付という形で図書館活動にその結果を還元する。公共
    図書館は「市民が主役」の情報社会の拠点なのである。

    public 本来の「一般公衆に対して開かれた」という意味合いを今一度、
    噛みしめたい。

                                 (竹)

    <Bibliography>
     『世界の図書館百科』
      藤野幸雄 編著 A5・854頁 定価14,910円(本体14,200円)
      ISBN4-8169-1964-3 2006年3月 日外アソシエーツ

     『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』
      菅谷明子 著 18cm 230p 定価735円(本体700円)
      ISBN4-00-430837-2 2003年9月 岩波書店

    * 菅谷明子
      1963年北海道に生まれる。カナダ留学などを経て、米ニュース雑誌
     『ニューズウィーク』の日本版スタッフとなる。1996年ニューヨーク
      のコロンビア大学大学院にて修士号取得。1997年在米ジャーナリス
      トとして、メディアと公共空間、インターネットと市民社会などを
      テーマに取材・執筆活動を始める。現在、経済産業研究所(RIETI)
      研究員。「進化する図書館の会」運営委員、「ビジネス支援図書館
      推進協議会」副会長などもつとめる
             <図書内容情報データベース BOOKPLUS より抜粋>

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     スポットライト・コラム 
              -レファ本 ≠ 参考図書に気づかされる一冊-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     作家・ライターや評論家、研究者など、ものを書いたり調べたりす
     るのが仕事という人の部屋には立派な書斎があって、何本も並ぶ本
     棚には辞書・事典類が並んでいる...というイメージを、私たちは
     不思議と抱いています。しかし、パソコンとインターネット環境が
     当たり前になった今日では、辞書・事典類などは冊子体では持たず
     にCD-ROM、DVD-ROM、電子辞書、インターネット辞書サイトなどの
     電子媒体だけで済ませている方も多いに違いありません。

     ラジオやテレビのコメンテーターとしても知られる評論家の日垣隆
     氏は、インターネットが普及する以前、ニフティサーブなどのパソ
     コン通信が始まった頃から取材・執筆活動をされており、調査など
     には各社のオンラインデータベースを活用していると聞いています。
     ところが、日垣氏は大の「レファ本(レファレンスブック)」好き
     で、自身が発行する有料メールマガジンや公式ホームページでも、
     「座右のレファ本」なるコーナーを持っており、レファレンスブッ
     クの書評をコラム形式で綴っているほどです。
     http://homepage2.nifty.com/higakitakashi/ref/ref_top.html

     このコーナーで取り上げてきた本を中心として新たにまとめ直した
     のが、筑摩書房より刊行された『使えるレファ本150選』で、嬉しい
     ことに、弊社刊行の『事典 外国人の見た日本』『事典 近代日本
     の先駆者』『海を越えた日本人名事典』『来日西洋人名事典』『20
     世紀西洋人名事典』『テレビ・タレント人名事典』も掲載されてい
     ます。

     図書館界で呼ぶレファレンスブック(参考図書)とは違った、独自
     の視点で「レファ本」の選択をしているので、いわゆるビジネス本
     や雑学書、特定分野のトリビア本なども含まれていますが、なるほ
     ど、それらもレファレンスブックになり得るのだと逆に気づかされ
     ました。
     
     巻末には、取り上げられた書名索引も付いているので、「レファ本」
     に載っていた"あの本"は何という書名だったのかと、ド忘れした時
     にも使えます。
                               (袴田)

      『使えるレファ本150選』(ちくま新書)
     日垣 隆〔著〕 筑摩書房〔刊〕
     定価(本体780円+税) 2006.1/新書版 260p
     ISBN4-480-06282-3

      『事典 外国人の見た日本』【絶版】
     富田仁〔編〕
     定価(本体9,515円+税) 1992.8刊/A5・600p
     ISBN4-8169-1141-3

      『事典 近代日本の先駆者』
     富田仁〔編〕
     定価(本体9,515円+税) 1995.6刊/A5・680p
     ISBN4-8169-1301-7

      『新訂増補 海を越えた日本人名事典』
      富田仁〔編〕
      定価(本体15,000円+税) 2005.7刊/A5・940p 
      ISBN4-8169-1933-3

      『来日西洋人名事典〔増補改訂普及版〕 』
     武内博〔編著〕
     定価(本体4,660円+税) 1995.1刊/B6・730p
     ISBN4-8169-1277-0

     『20世紀西洋人名事典』
     日外アソシエーツ編集部〔編〕
     定価(本体46,602円+税) *セット価 1995.2刊/B5・2480p(2分冊)
     ISBN4-8169-1271-1

      『テレビ・タレント人名事典 第6版』
     日外アソシエーツ〔編〕
     定価(本体6,600円+税) 2004.6刊/A5・1300p
     ISBN4-8169-1852-3

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     スポットライト・コラム 
          -わが国の写真をとりまく人物の群像を捉えた新事典-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     以前、福井県の図書館に行った時、展示スペースに段ボール製の
     「カメラ」が飾ってありました。

     いかにも手製のそれを、しげしげと見ていると、かぶってみて下さ
     いと展示係の方がすすめてくれました。箱を頭にすっぽりかぶって
     みると、小さな穴の先から、色を失い逆様になった世界がのぞいて
     いました。おそらくカメラの原始的な形なのでしょう。デジタルカ
     メラを使っていても、カメラの原理となると文系の私にはいまいち
     理解できません。

     目に映る、この一瞬をイメージとして留めたい――その情熱が写真
     の技術を開発、進化させ、写真家による試行錯誤の中で、今に残る
     素晴らしい写真作品が生み出されてきました。

     この11月に小社から刊行となった『日本の写真家―近代写真史を彩っ
     た人と伝記・作品集目録』は、そのような、写真に懸け、写真を追
     い求めた839人の人生と作品がわかる事典です。
     写真史に名を残す人物たちの詳細なプロフィールと、各人の写真集
     をはじめとする著作などの文献目録を掲載しています。

     特筆すべきは「写真家」に限らず、写真評論家、編集者、写真科学
     研究者など、写真に関係する人物を幅広く収録していることです。
     コニカ創業者の杉浦(小西)六右衛門や、「アサヒカメラ」初代編
     集長の成沢玲川など、写真史上欠かすことのできない人物から、写
     真との関わりが深い蘭学者や文学者まで含まれています。

     写真家による代表作も挿んでありますので、ページをめくると見た
     ことのある作品や気になる作品に遭遇することもあるはず。そこか
     ら写真家を知り、写真集を探してみると、また素晴らしい一枚に出
     会えるかもしれません。
                               (大橋)

     『日本の写真家 近代写真史を彩った人と伝記・作品集目録』
     東京都写真美術館〔監修〕 日外アソシエーツ〔刊〕
     定価9,975円(本体9,500円) 2005.11/B5・490p 
     ISBN4-8169-1948-1

     【姉妹篇】連絡先までわかる写真業界ディレクトリの決定版!
     『現代写真人名事典』
     東京都写真美術館〔監修〕 日外アソシエーツ〔刊〕
     定価13,440円(本体12,800円) 2005.12/A5・600p 
     ISBN 4-8169-1949-X

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     スポットライト・コラム 
                 -物故者を通覧し時代に思いをはせる-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     先月、九州国立博物館の開館特別記念展『美の国日本』に行って
     きました。
     とりわけ印象にのこったのは安土桃山時代の肖像画。
     豊臣秀吉やその正妻“ねね”など知名度の高い人物達の絵が数多
     く展示されていました。
     日本の肖像画は対象人物の追慕のために死後まもなく描かれるもの
     が多いとのこと。故人の記憶が人々の内に残っているうちに製作さ
     れた絵には、やはり独特の存在感とリアリティがありました。

     秀吉の絵を見ながら、この絵師の目に映った英雄はどんなだった
     ろうか、彼の死を知ったときにどんな気持ちになったろうかと思
     いをはせました。
     感じたのは時代の終わりでしょうか、それとも始まりでしょうか。
     いずれにせよ名のある人物の死は、人々にある時代の区切りを
     感じさせずにはいられなかったことでしょう。
     美空ひばりや石原裕次郎が亡くなったときに我々が等しく受けた
     感慨を、当時の人々も感じたのかもしれません

     今、私の手元にある『人物物故大年表 日本人編 I 古代~1945』は、
     そんな歴史上の人物の死を没年ごとに網羅的に収録した事典です。
     古代から1945年までに没した武将、軍人、学者など、実に5万5千人
     を収録しており、没年日、享年、プロフィールなど、人物同定に必
     要な事項も付記されています。

     ためしに秀吉が亡くなった1598年を引くと、同年には不思議なほど
     著名な人物が亡くなっていません。ゆえにかえって世間が秀吉の死、
     一色に染まったことがわかります。
     むしろ1591年の弟秀長の死の直後から、秀吉がらみと思われる死者
     がやけに多くなっており、秀吉が晩年に耄碌した、という説を裏付
     けるかのごとくです。
     特に1597年の項には甥・秀次の処刑に連座した妻の名前21人が書き
     連ねられており下記に名前だけ引用すると

     『一の台 お伊万 おきい おあこ あおひ おきく お国 
      おこご おこちゃ おこほ おさこ おさな お竹 お辰 お長
      おつま お虎 あなあ 小牧 およめ』

     21人と聞くとああそうかで終わってしまいますがこうしてずらりと
     名前が並ぶとあらためてその死の重みが実感をもって伝わってきま
     す。

     このように、歴史を簡易に通覧でき、時代についての考察を深め、
     またその時代に生きた人々の気持ちとシンクロすることができる
     『人物物故大年表』は、これまでにない歴史史料として重宝する
     こと間違いなしです。

     既存の歴史年表でも物故者が各年で数人ずつ紹介されるケースは多
     いのですが、掲載されるのはその時代に活躍した一部の人に限られ
     ます。『人物物故大年表』は政治的偉人のみならず、芸術家をはじ
     め、下級武士や職人、遊女や盗賊など、幅広い人物群像を一覧でき
     るのも特徴です。

     芸術家といえば、九州国立博物館には雪舟の山水画も飾られていま
     した。雪舟を末尾の人名索引から調べてみると、1506年没とのこと。
     なんと来年は雪舟没後500年にあたるようです。
     この本、「没後××年」といったアニバーサリーにあたる人物も 
     簡単に調査できたりします。便利です。
                               (原沢)

    ◆『人物物故大年表 日本人編 I(古代~1945)』
     日外アソシエーツ編
     2005.12刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,310頁
     ISBN:4-8169-1958-9
     卑弥呼に始まる古代史の人物から1945年までの物故者5.6万人を収録。

    ◆『人物物故大年表 日本人編 II(1946~2004)』
     日外アソシエーツ編
     2006.1刊 定価16,800円(本体16,000円) A5・1,250頁
     ISBN:4-8169-1959-7
     日本史上の人物を没年ごとに一覧する大型人物年表。河上肇から水
     上勉まで、戦後の日本を駆け抜けた様々な分野の人物5.6万人を収録。

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     スポットライト・コラム 
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     読者の方から、投稿をいただきました!

     「専門用語概論-ターミノロジー-」
       仲本秀四郎著・発行 発売:日本図書館協会
       2005-10, B5, 93p, \1,050(税込)ISBN4-8204-0523-3

     『情報学概論』『情報を考える』『知・記号・コンピューター』
     (いずれも丸善刊) 等 "情報" の基本的問題に精力的に取り組んでい
     る同氏による最新著書。
     科学技術やビジネスの分野の情報交換には、専門用語が常に出現す
     るが、専門用語が日常言語と違うところは、用語が持つ概念を文章
     化したもの、すなわち定義を確かめなければならないこと。しかし、
     日本では早くからしかも大量に専門用語集が作られているが、分野
     間、複数の言語間では、用語の言い換えはできても定義の調和が必
     ずしも十分ではない。さらに残念なことは、これら用語集作成にあ
     たって、最近発達したターミノロジー (用語法) の成果が活用され
     ていない。また、ターミノロジーをわかりやすく解説した資料がな
     いことから、今回テキストとしてまとめたもの。用語は、情報活動
     の原点、基本である。ご一読をおすすめしたい。

     主要内容:専門用語学/専門用語学の理論/語集・用語集/用語法
     /用語法-基本概念集/ターミノロジー他言語基本用語集
                             (戸塚  隆哉)

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     スポットライト ―西洋美術作品レファレンス事典
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ◆美術館巡りとルソーの女神
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     芸術の森、上野の近くに住んだ影響からか、にわかにアートの素晴ら
     しさに目覚め、最近せっせと美術館を訪れるようになりました。
     美術鑑賞の相棒はいつも決まって同じ友人です。

     ある時、ある美術館でのこと。友人が突然一枚の絵の前でぴたりと止
     まりました。
     どうも前から好きだった絵に遭遇したようで「この絵が見られるなん
     て」と感動しています。
     でも時刻は閉館間際。ゆっくり鑑賞することはできませんでした。

     その時一度見た限りですが、その作品がどうも気になるのです。
     淡いピンクと水色の色彩、空にぽっかりと翼をもった女神(?)が
     浮かんでいたはず。
     そんなに前のことではないのですが、いつも美術鑑賞はこの友人と
     一緒なこともあり、どこの美術館だったか思い出せません。
     上野?目黒?ひょっとしたら2年前に旅行したドイツだったかも…。
     友人に聞いてみると、その絵はアンリ・ルソーの作品だそうです。
     作品名を尋ねると、「わからない」とのお答え。
     好きな絵だったんじゃないの?とつっこむと、「あまりに長すぎて
     覚えられない。『なんとかの女神』みたいな感じ」とのこと。

     折しも芸術の秋。ふと思い出して、この10月に日外から刊行された
     ばかりの『西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇 19世紀印象派
     以降』のルソーのページをパラパラとめくってみました。この事典
     は、ある作品がどの美術全集に収められているか、作家ごとに一覧
     できます。
     たいした手がかりもないので、ぼんやり見ていたのですが――あり
     ました。
     ------------------------------------------------------------
     『第22回アンデパンダン展に芸術家たちを参加するように招く
      自由の女神』
      La liberte invitant les artistes a prendre part a la 22eme
      exposition des Artistes independants

     「現代世界の美術アート・ギャラリー14」集英社 1985
      ◇図50(カラー)カンヴァス;油彩;175×118;1906;

     〔東京国立近代美術館〕
     ------------------------------------------------------------
     やたら長いタイトル。女神。
     …絵のサイズからしても、これです。これに間違いないでしょう。
     運命的なものを感じつつ、掲載全集名・巻号、出版者、図版番号を
     メモしました。早速、友人にも知らせてあげようかな。

     ちなみに「アンデパンダン」はカタカナでこう書くと何のことだか
     よくわかりませんが、フランス語の「independants」です。パリの
     アンデパンダン展は、「無審査、無賞、自由出品」という原則の下、
     権力に左右されない若手作家の自由な活動の場として実施されまし
     た。日本でも「アンデパンダン」を冠する展示会は少なくないよう
     です。

     それにしても所蔵先はドイツでもなく上野でもなく竹橋の「東京国立
     近代美術館」と記載されています。ここはつい最近はじめて訪れたは
     ずなのに…。深い謎に包まれつつ、アートに魅了されるこの頃です。

                                (大橋)


    ◆『西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇 19世紀印象派以降』
     日外アソシエーツ編
     2005.10刊 定価89,250円(本体85,000円) B5・1,490頁
     4-8169-1945-7

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を語る
                        ― ベストセラー本の20年史 ―
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     今では書店のほか、インターネット上でも、朝のテレビ番組などでも
     本のベストセラー情報を簡単に知ることができます。しかし、それら
     は特定の書店や出版取次会社の集計をもとにした最新ランキングのみ
     で、しかも、書名・著者・出版社等のごく簡略な情報に過ぎません。
     本のベストセラー情報の年間集計がわかるランキングは意外に少なく、
     音楽CD売上の“オリコン”やテレビ視聴率の“ビデオリサーチ”のよ
     うな、1つの集計が全てに使われる絶対的指標がありません。

     そこで小社では、20年間に渡る複数の年間ベストセラーの指標をもと
     に、ベストセラーになった各図書の目次・要旨・ランキング歴をまと
     めた初のデータブック『ザ・ベストセラー 1985~2004』を刊行いたし
     ました。
     本書では、本のベストセラーの年間集計がある指標として、出版科学
     研究所(全国出版協会)、出版ニュース社、出版取次のトーハン、日本
     出版販売(日販)、書店の紀伊國屋書店、全国大学生協の6種のランキ
     ングを収録基準としたので、小説、ビジネス書、学術書、ゲーム本な
     ど、多様な図書が挙がっており、指標の違いで読者層(購買層)が大
     きく異なるという出版界の多様なニーズをも一覧できるものになって
     います。

     また、単純に各年のベストセラー本をランク順に並べるのではなく、
     各図書を10分野100テーマに細かく分類した形で収録しているため、似
     ている分野のベストセラー本を対比しながら一覧できるようになって
     います。
     例えば“健康法”の分類の下を見ると、『指まきテープで痛みが取れ
     た』(石橋輝美著 ロングセラーズ 1996年)や『うつみ宮土理のニ
     ョイトン健康法』(うつみ宮土理著 扶桑社 1987年)など、当時ブ
     ームとなった健康法が何だったのかが明らかになります。

     ベストセラーは大量に売れたのだから、いつでも、どこでも手に入る
     と思われがちですが、一過性のブームと同様、あっという間に飽きら
     れてしまい、もはや図書館にも所蔵されていないというものが、本書
     の編集過程で何冊かあったと聞きました。
     例えば、今年の愛知万博に20年先立つ一大イベントの関連本として、
     『科学万博つくば'85 公式ガイドブック』(国際科学技術博覧会協
     会 1985年)や、大ヒット番組から企画された『ぜ~んぶおニャン子
     ネッ』(フジテレビ出版 1985年)などがそうです。
     これらも時代の重要な一コマを担った1冊なので、せめて図書館では
     消耗品ではなく永久保存されていてほしいものです。

     最後に、本書の索引を使った裏技をご紹介すると、著者名索引からは、
     作家・著者ごとにベストセラーになった本を一覧できますので、ベス
     トセラー作家ナンバー1がわかります。同様にして出版社別索引から
     は、ベストセラーを多く出した出版社ナンバー1がわかります。
     正解をお知りになりたい方は、ぜひ本書をご覧になってみて下さい。


                               <袴田>

     ◆『ザ・ベストセラー 1985~2004』日外アソシエーツ編
      2005.10刊 定価2,500円(本体2,381円) A5・668頁
      ISBN4-8169-1944-9

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を語る
             ―カタカナ・アルファベットから引く外国人名―
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     3年前に日外から出版された本で、新刊ではありませんが、
     
     ・『カタカナから引く外国人名綴り方字典』
     ・『アルファベットから引く外国人名よみ方字典』

     というものがあります。

     読んで字のごとく、“ベッカム”の綴りが“Beckham”であること
     を調べたり、逆に“Cromartie”が“クロマティ”と読むことを調べ
     たりするときに使う事典です。

     人物を特定する情報が併記されていないため、人物の同定作業に使う
     には物足りない部分もありますが、自宅のパソコンの横に置き、ネッ
     トでちょっとした人物調査を行ったり、OPACで、洋書・欧文雑誌を検
     索する際には、リーズナブルでコンパクトなこの2冊は非常に便利で
    す。

     惜しむらくは、中国人など漢字名の人物のローマ字表記が収録がされ
     ていないことです。(×曹操→Cao Caoなど)
     
     図書館の方に『漢字から引く外国人名綴り方字典(仮)』の企画案
     を話したところ、あまり反応はよくありませんでした。
     よほどマニアックなものでない限り、他の人名事典などで事足りて
     しまうからだそうです。

     「それよりむしろ、中国人のことを調べている人で、カタカナで
     尋ねてくるレファレンスが増えてきたから、中国人名の“カタカナ”
     と“ローマ字”と“漢字”と“日本語”の対照表みたいなのがあっ
     たら便利なんだけどね。同定のための簡単な情報をつけてさ」

     というと、こんなかんじでしょうか。
     <ヤオミン Yao Ming 姚明 ようめい;バスケット選手 1980->

     みなさんのご意見をお待ちしています。
                               <原沢>

     ◆『アルファベットから引く外国人名よみ方字典』
      日外アソシエーツ編
      定価3,780円(本体3,600円) ISBN4-8169-1763-2 A5・578頁
      http://www.nichigai.co.jp/sales/alphabet.html

     ◆『カタカナから引く外国人名綴り方字典』
      日外アソシエーツ編
      定価3,780円(本体3,600円) ISBN4-8169-1763-2 A5・578頁
      http://www.nichigai.co.jp/translator/katakana1.html

     ◆ワールドカップ2002サッカー選手ディレクトリ(日外アソシエーツ)
      http://www.nichigai.co.jp/yomikata/soccer/index.html

     ◆テーマ別調べ方案内:
      中国・コリアの人名のローマ字表記について(NDL)
      http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/asia/theme_asia_32.html

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を語る
                     ―受賞歴から業界勢力図を読む―
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     今年の1月に刊行した『世界の賞事典』は、おかげさまで好評をいた
     だいております。その姉妹篇といえる『日本の賞事典』が、いよいよ
     刊行の運びとなりました。

     本書は日本国内の機関・団体が主催する主要200賞について、その第1
     回以来の全受賞情報を収録しています。例えば文学のジャンルであれ
     ば、芥川龍之介賞(芥川賞)や直木三十五賞(直木賞)といった歴史
     あるものから、「このミステリーがすごい!」大賞や本屋大賞といっ
     た設立されてから間もないものまで調べられます。

     既刊の『文学賞事典』『文化賞事典』『科学賞事典』などの分野別シ
     リーズでは、数年おきに年度をまとめた形で刊行しているため、ある
     特定の賞を第1回から通覧するには、それぞれの年度版を順に繰って
     いくしかありませんでしたが、本書ではその不便さが解消されました。

     賞を第1回から順に辿っていくと、受賞者の顔ぶれからそのジャンル

     勢力図の変遷が見えてきます。
     本書に収録されている日本カー・オブ・ザ・イヤーを例にとると、第
    1
     回(1980-1981)から昨年度(2004-2005)まで全25回の受賞車種をメ
     ーカー別受賞回数順に並べかえてみたところ、

      メーカー 受賞回数
    --------------------------------------------------
      ホンダ  9回(第21回~23回までは3年連続受賞)
      トヨタ  6回(第18回~20回までは3年連続受賞)
      三菱   4回
      日産   3回
      マツダ  2回
      富士重工 1回

     という結果になりました。シェア争いの激しいホンダとトヨタの受賞
     回数が圧倒的に多く、近年に連続受賞しているのも、この2社だけで
     す。
     ちなみにマツダの2回というのは、第1回「ファミリア」と第3回「カ
     ペラ」「テルスター」といった賞の設立初期の受賞、富士重工は一昨
     年の第24回「レガシィ」で初受賞しています。

                               <袴田>

     ◆『日本の賞事典』日外アソシエーツ編
     2005.9刊 定価15,750円(本体15,000円)  A5・1010頁
     ISBN4-8169-1940-6

     ◆『世界の賞事典』日外アソシエーツ編
     2005.1刊 定価15,750円(本体15,000円)  A5・850頁
     ISBN4-8169-1887-6

    拍手[0回]

    子どものころ読んだ本の話は楽しいものです。
     記憶をたどって思い出した本が、実は誰かと共通の愛読書だったこ
     とがわかったりすると、ものすごく細かい場面の付き合わせなどが
     始まってしまったり。

     つい先日も、友人とそんな話になったのですが、彼女がふと
     「知ってる?」と口にしたのが『ルドルフとイッパイアッテナ』。
     皆さんはご存じでしょうか。
     
     ルドルフはまだ若いネコ。知り合った先輩ノラネコに、名前を尋ね
     ます。すると先輩はしゃがれた声で答えます。

    「いっぱいあってな。」

     ――という有名シーンを付き合わせした後で、二人とも無言になっ
     てしまいました。続く展開がどうしても思い出せない……。

     そんなわけで、『子どもの本 現代日本の創作5000』を開いてみま
     した。巻末の「書名索引」を使って調べると、ありました。

     斎藤洋著、杉浦範茂絵。
     内容は「ぼく、ルドルフと兄貴分、イッパイアッテナのとびきりゆ
     かいな、のらねこ生活。ぼくたちの、知恵と勇気と友情の物語
     (以下略)。」と紹介されています。……でもやっぱり思い出せず。

     つらつらページをめくっていると、これは読んだ、これはおもしろ
     そう、とついつい様々な本の内容紹介に引きこまれてしまいます。

     ついでに『子どもの本 世界の児童文学7000』も開いてみます。
     『若草物語』『海底2万マイル』『三国志』等々。
     でも私が読んでいたのは、こういう定番以外にあったはず。
     そうそうマガーク探偵団シリーズとか。

     さっそく調べてみようと思ったのですが、シリーズ名では探せませ
     ん。子どものころ読んだ本のタイトルは忘れかけているものが多い
     ですし、作家名など知らずに読んでいますから。
     そうなると調査は難しくなります。
     
     幸い「書名索引」のま行で探してみると『マガーク対魔女』とい
     う本を発見。シリーズの1冊だったので、そこから見つけることが
     できました。

     とはいえこれも、はっきりとは覚えていなかったりします。
     マガークがエスカルゴやスズメを食べるシーンがあったなぁ……。
     どの巻だったのかは、やはり読んでみないとわかりません。

     『子どもの本』は5月刊行の『子どもの本 日本の名作童話6000』と
     合わせて、シリーズ3冊が揃いました。
     図書館での選書に、児童の読書指導に最適なツールです。

     夏休み中の子どもに、大人になってからもふと思い出すような、
     印象的な1冊を読ませてあげたいですね。
     夏休みがない大人も、思い出の1冊を読み返してみるといいかもしれ
     ません。
                               <大橋>

     ◆『子どもの本 現代日本の創作5000』日外アソシエーツ編
     2005.8刊 定価4,935円(本体4,700円)  A5・560頁
     ISBN4-8169-1894-9

     ◆『子どもの本 世界の児童文学7000』日外アソシエーツ編
     2005.8刊 定価4,935円(本体4,700円)  A5・570頁
     ISBN4-8169-1895-7

     ◆『子どもの本 日本の名作童話6000』日外アソシエーツ編
     2005.2刊 定価4,935円(本体4,700円)  A5・400頁
     ISBN4-8169-1893-0

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                           -現代社会を知る-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

      2001年9月11日の米国同時多発テロ以降、最近のロンドン同時爆破テ
      ロなど、緊迫した国際情勢が今日までつづいています。いまや中東地
      域の状況が一変するたびに、世界の政治・経済にまで強い影響が出る
      ようになりました。それゆえ、現代社会を知るためには、まず中東・
      イスラムに関する理解を深めることが不可欠といえそうです。

      さて、6月刊行の本書『中東・イスラム関係記事索引 1990-2004』は
      中東地域やイスラム世界を理解するための情報源となることを目的と
      したツールで、1990年~2004年までの15年間に発行された中東・イス
      ラムに関する雑誌記事9,870件を収録しています。

      本書の主な特徴の一つは収録対象期間で、1990年~2004年という20世
      紀末から21世紀初頭までの激動の時代をまとめています。いくつか当
      時の出来事を挙げてみますと

        1990年  イラク、クウェートへ侵攻
        1991年  湾岸戦争
        1993年  イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)間に期限付き暫定
                自治を認めるオスロ合意が成立
        1995年  イスラエルのラビン首相が暗殺される
        2001年  米国同時多発テロ
        2003年  イラク戦争
        2004年  アラファト議長死去、アッバース氏が議長に就任

      のように、中東ではイラクやパレスチナ問題を中心に、この15年間で
      大きな社会変動があったことがわかります。本書は収録件数からみる
      と、やや収録期間が短い印象もありますが、激動の時代を理解するに
      は最適な期間を収録したといえます。

      そのほか、本書の特徴としては、総合誌、紀要、月報、学会誌など約
      1,200誌から幅広く採録し、政治・経済ばかりでなく宗教・歴史・法
      律・教育・美術・映画・演劇・スポーツなどのテーマに分類したこと
      も挙げられます。
     
      客観性を重視し偏向なく雑誌記事を収録した本書を、より多角的、複
      合的に中東地域・イスラム世界について理解を深めるためのツールと
      して活用していただければと思っております。

                                                            (小森)

      ◆『中東・イスラム関係記事索引 1990-2004』
        定価29,925円(本体28,500円) 2005.6刊 ISBN4-8169-1926-0

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                            -伝記を探す-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     先月、サッカー日本代表がブラジル相手に2対2で引き分けました。
     『マイアミの奇跡』と呼ばれた9年前のフラックな勝利とは異なり、
     今回は日本代表の地力がアップしたことによる堂々たる引き分けで
     あると世界中のメディアから高く評価されました。
     そして、この引き分けにより日本サッカーファンの間でジーコ監督
     の手腕が広く認められたような気がします。

     考えてみれば、ペレ、マラドーナと並ぶサッカーの神様と呼ばれた
     人物が、当時サッカー後進国である日本にやって来て、しかも東京
     や大阪といった大都市ではなく鹿島町(当時)でプレーするという
     のは凄いことです。(鹿嶋市の方、すみません)
     どうして彼はブラジルから遠く離れた日本の鹿島町にやってきたの
     でしょうか?

     ある人の行動や考え方について興味を持ち、それを知ろうとする時、
     評伝や自伝は基本的資料になります。
     そうした資料を探す際、伝記資料の図書目録である『伝記・評伝
     全情報』は最適なツールといえます。
     
     今月発売された『伝記・評伝全情報2000-2004 西洋編』でジーコの
     伝記を探してみることにします。
     彼の本当の姓は“コインブラ”といいますが、そちらには『ジーコ
     をみよ』と書かれていますので、それに従って“ジーコ”を引いて
     みます。6冊ありました。
     ・『ジーコ自伝―「神様」と呼ばれて』
     ・『ジーコスピリットの伝達者』
     ・『日本代表監督論』
     など、自伝・評伝・列伝、それぞれタイトルとともに内容も記述さ
     れているので、選書する際の参考になります。

     なお、『2000-2004』にはシリーズの総索引も付与されております。
     これを使って各版を参照すれば、1945年以降に日本で刊行された伝
     記・評伝を被伝者ごとに一覧することができます。
     
     総索引によればジーコは『2000-2004』のほかに『90/94』『95/99』
     にも伝記が収録されているようです。
     アントラーズでプレーしていた時の伝記(90/94)と、アントラーズ
     の総監督だったころの伝記(95/99)、そして代表監督になってから
     の伝記(2000-2004)を読み比べてみるのも、彼について調査する上
     で役立つだろうと思っています。
                                (原沢)

     ◆『伝記・評伝全情報2000-2004 西洋編 付・総索引1945-2004』
      …定価24,150円(本体23,000円) 2005.6刊/ISBN4-8169-1923-6

     ◆『伝記・評伝全情報2000-2004 日本・東洋編 付・総索引1945-
    2004』
      …定価29,925円(本体28,500円) 2005.7刊/ISBN4-8169-1931-7

     ◆『...95/99 西洋編』   …定価20,370円(本体19,400円)
     ◆『...95/99 日本・東洋編』…定価27,300円(本体26,000円)
     ◆『...90/94 西洋編』   …定価20,184円(本体19,223円)
     ◆『...90/94 日本・東洋編』…定価26,505円(本体25,243円)
     ◆『...45/89 西洋編』   …定価29,400円(本体28,000円)
     ◆『...45/89 日本・東洋編』…定価60,900円(本体58,000円) 2分冊

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                            -作家の履歴書-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     好きな作家の小説を文庫本で読むとその単行本を、単行本で読むと
     その初出誌を確かめたくなることがあります。
     大抵は書籍の奥付の前のページあたりに
     "本書は「月刊○○」○年○月号から○年○月号の連載を単行本化し
     たものです。"
     などと書いてあって、原典に辿り着くのは意外と簡単です。
     といっても、原典が何かを調べるために、いちいち単行本を引っ張
     り出すのはめんどうくさいものです。
     ましてや、勉学のために作家研究などを手がける場合は、作品の初
     出にあたることは大変重要になってきます。
     ところが、国立国会図書館の「雑誌記事索引」では創作・小説の類
     が採録対象になっていないこともあり、「文藝年鑑」のバックナン
     バーを丹念に拾い読んでいくのが、小説の初出誌調べの方法だとい
     います。

     さて、本書『文芸雑誌小説初出総覧 1945-1980』は小説の初出誌調
     べの一助となることを目的としたツールで、戦後36年間に刊行された
     文芸誌・小説誌・総合誌、一部の同人誌・PR誌など131誌10,293冊に
     掲載された、現代作家3,711人の小説・戯曲59,270点を網羅したもの
     です。
     新聞に連載された小説についてまとめたものに『新聞小説史年表 
     新装版』(高木健夫編 1996年 国書刊行会)というのがあります
     が、それの文芸誌版に近いといえばお分かりいただけるでしょうか。

     調べものに使わなくても、好きな作家名の下に時系列に並んだ作品
     名を眺めているだけで、色々と発見があります。例えば、今年、
     深田恭子主演でドラマ化された筒井康隆の『富豪刑事』は「小説新
     潮」1975年8月号に初めて掲載されて、翌年からシリーズ連載化され
     ていることがわかります。

     しかし、本書は紙幅の関係で週刊誌が採録対象になっていないこと
     や、作品名から引ける索引が付いていないこと、また収録期間が
     1980年までなので最近の作家については調べられないことなどは残
     念な一面です。別企画、続編に期待しましょう。

                                (袴田)

    ◆『文芸雑誌小説初出総覧 1945-1980』勝又浩監修 2005.7刊
       定価49,350円(本体47,000円) B5・1296p ISBN4-8169-1935-X

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                       -波濤を越えた近代日本人-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     今回取り上げるのは『新訂増補 海を越えた日本人名事典』です。
     16世紀から明治29年までに欧米諸国へ渡航した日本人約2,102名が収
     録されています。

     前版の刊行は1985年。唯一の海外渡航者人名事典として広く活用され、
     刊行後、経歴不詳とされた人物の子孫の方々から情報が寄せられるな
     ど、大きな反響を呼びました。
     それらの追加事項を盛り込んだほか、新たに約400人を追加収録、前
     版刊行後の研究文献を増補し、この7月、20年ぶりに新訂増補版とし
     て出版されます。

     “ひとりひとりの海外体験のドラマから、万里の波濤を越えて見た
     〈西洋〉の姿をあきらかにする”ことを編集方針として収録された人
     物は、政府高官、遣外使節などの著名人から、漂流民、留学生、旅芸
     人など、ほとんど取り上げられることのない無名の人々まで幅広く、
     それぞれに略歴・渡航歴・詳細な伝記事項を記載しています。

     他の事典では探せないマイナーな日本人渡航者の調査に役立つ一方、
     著名な人物を引いてみても、この事典ならではの内容の濃い記載に驚
     かされます。

     例えば小説家の有島武郎のページを開いてみましょう。
     一般の人名事典なら、教授に就任する傍ら「白樺」に加わり、『生れ
     出づる悩み』『或る女』等を著した文学活動、農場解放から心中死に
     至るまでの経歴がまとめられているでしょう。
     しかしこの「海を越えた日本人名事典」の略伝(とはいえ1ページ丸
     ごとを占める詳細な記述)を見てみると……。
     同じ経歴でありながら、幼少時の英語習得からはじまり、留学、エマ
     ソンやホイットマンほか傾倒し影響を受けた思想・文学など、西洋文
     化との交流に焦点をあてた、もう一つの有島武郎の人生がドラマチッ
     クに浮かび上がってきます。

     ページをめくっていけば、様々なきっかけや目的を持った渡航者たち
     の、異国との出会い、そしてその後のそれぞれの生き方を見ることが
     できます。渡航者人物伝の集大成とも言える事典です。

     前版同様、近代日本の側面を知る事典としてぜひご活用下さい。

                                (大橋)

     ◆『新訂増補 海を越えた日本人名事典』富田仁編 2005.7刊 
      予価15,750円(本体15,000円) A5・940頁 ISBN4-8169-1933-3

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                           -名画を鑑賞する-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     「月刊 美術の窓」2005年2月号に拠ると、2004年の西洋美術の展覧会
     では、国立西洋美術館開催の「マティス展」の入場者数が約45万人、
     フェルメールの《絵画芸術の寓意(画家のアトリエ)》で話題を呼んだ
     東京都美術館「栄光のオランダ・フランドル絵画展」は約30万人に及
     ぶ入場者数をかぞえたそうです。美術品の鑑賞が余暇の過ごし方とし
     て一般的になってきました。

     さて、『西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇 19世紀中葉以前』は
     西洋美術鑑賞の一助となることを目的としたツールで、6月下旬に小
     社より刊行の予定です。本書は1950年代から2003年のあいだに国内で
     刊行された美術全集30種276冊を対象に、印象派以前の画家約1,000人
     の作品14,376点を収録しています。印象派以降についても『西洋美術
     作品レファレンス事典 絵画編 19世紀印象派以降』として今秋続刊の
     予定で、2冊の合計では36種600冊を対象に、1,800人の作品37,000点
     を収録する予定です。
     
     ただし、本書を語る際に避けて通れないのが優れた類書の存在です。
     それは東京都立中央図書館監修『西洋美術全集絵画索引』(日本図書
     館協会発行、1999年)ですが、こちらは1950年から1997年までに刊行
     された西洋美術全集51種に収録された絵画作品約46,000件について、
     一冊でまとめています。

     類書と本書2冊を比較してみると、本書では編集方針として本格的な
     美術全集に絞って厳選したため、収録件数だけをみればやや見劣り
     するところはあります。

     しかし、本書では2003年までの最新データの収録に努めたり、画家
     名・邦題名・原題名のみならず素材・技法・寸法・制作年・所蔵先・
     図版(カラー/白黒の別)など詳細な情報を掲載したりしていますの
     で、収録内容については自信をもっておすすめできます。

     また、セールスポイントとしては邦題名索引・原題名索引を備えて
     いることも挙げられます。あるモティーフについて、どのような画
     家の作品があるのかがわかり、例えば《受胎告知》で邦題名索引を
     引くと、フラ・アンジェリコなど約35名の画家による《受胎告知》
     を見つけられます。調査・研究にも大いに役立つ書籍です。

     本書を通じて一人でも多くの方に運命的な名画との出合いが訪れる
     ことを切に願っております。
                               (小森)

    ◆『西洋美術作品レファレンス事典 絵画篇 19世紀中葉以前』2005.6刊
      定価79,800円(本体76,000円) B5・約1064p ISBN4-8169-1925-2

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                 -7,000万字の情報から、一瞬で探し出す-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     小社の刊行物ではありませんが、日立システムアンドサービスから
     『CD-世界大百科事典』の新版が発売されました。
     知の最高峰として定評を得ている平凡社『世界大百科事典 第2版』の
     CD-ROM 版です。
     
     『CD-世界大百科事典』の収録内容は、以下の通りです。

     ●総索引数:約35万語(参照先:約48万箇所)
     ●総項目数:約83,000項目(大中小項目)
     ●総文字数:約7,000万字
     ●モノクロ図版:約10,000点(うち動植物細密画:約4,000点)
     ●表,式:約6,000点

     書籍版との大きな違いとして、ハードカバー全35巻がCD-ROM一枚に収
     まってしまう省スペース性と、多様で迅速な検索機能が挙げられます。
     
     特に検索機能については、書籍版が50音順に項目が並んでいるだけな
     のに対し、CD-ROM版は「索引検索」「全文検索」「項目グループ検索」
     と3つの検索機能で本文を調べることができるようになっています。

     圧巻なのは「全文検索」。約7,000万字 の中から任意のキーワードを
     含んだ項目を一瞬にして抽出・表示してくれます。

     また、異表記にも強く、書籍版においては『バグパイプ』は『バッグ
     パイプ』、『マルコ=ポーロ』は『ポーロ』で掲載されていますが、
     CD-ROMであればページを繰りなおすことなく、一瞬で移動することが
     できます。

     弱点としては、データの更新の問題と、イラスト類が少なくやや地味
     であるということでしょうか。

     それを差し引いても、各分野の専門家が署名入りで記述した百科事典
     は、玉石混合のインターネットの情報と比べた場合、質と信頼度は雲
     泥の差です。

     膨大な知識を縦横無尽に検索できる『CD-ROM 世界大百科事典 第2版』
     を是非ご導入いただければと思います。

                                 (原沢)

    ◆『CD-ROM 世界大百科事典 第2版』日立システム&サービス
      図書館利用価格 189,000円(本体180,000円)
      *弊社にて販売しております。

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                         -学名から昆虫を探す-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     『昆虫レファレンス事典』(5月中旬刊行予定)は、41種109冊の図鑑
     から延べ57,382件の見出しを収録した総索引です。
     チョウ・トンボ・甲虫・クモ・多足類など25,916種の昆虫・ムシ類が
     どの図鑑の何ページに掲載されているか一目でわかります。

     さて、植物・動物・昆虫などを調べていて、必ずといっていいほど目
     にするものといえば、学名ではないでしょうか。
     現在、学名は国際的な命名規則に基づいて決定され、表記にはラテン
     語が用いられています。
     その基礎となる二命名法を体系化したのは、分類学の父と称される
     カール・フォン・リンネ(1707-1778)といいますから、学名の歴史も
     すでに二世紀半に及んでいるわけです。
     
     昆虫のなかには、日本名でも複数の呼び名をもつもの、地域や成長過
     程で名前の異なるものもあります。だからこそ、昆虫について正確に
     調べるためには、全世界での共通認識となっている学名の理解が不可
     欠といえるでしょう。
     例えば、本書でゴボウヒゲナガアブラムシをひいてみると

     ゴボウヒゲナガアブラムシ Dactynotus gobonis
      昆虫綱双翅目アブラムシ科。体長3.0~3.5mm。キ
      ク科野菜に害を及ぼす。北海道, 本州, 四国, 朝鮮半島
      南部, 中国, 台湾に分布。
      ¶学研3(p267/カ写, 129図), 原昆3(p142/カ図, 71図),
       農害(p229/カ写)

     とあり、属名の Dactynotus は「アブラムシ属」、種小名の gobonis
     はあまりに安直な・・・いや読んだままの「ゴボウの」という意味で
     すので、「ゴボウのアブラムシ属」と学名が名づけられています。
     他にも okinawanus, japonicus などとついた日本に関連するユニーク
     な学名が多々あるのが、学名のおもしろいところですね。

     本書には写真・図版そのものこそ掲載されていませんが、巻末に付し
     た学名索引で同属の昆虫を簡単に調べられるよう編集を工夫していま
     す。一例を挙げると、アゲハは Papilio 属ですが、索引には何と100
     種類以上もの Papilio 属が掲載されています。
     このように、一つの昆虫を見出しで調べて、その後に学名索引を利用
     すれば、より深く昆虫の世界に触れられます。

     研究から個人愛好者の趣味、夏休みの自由研究まで、幅広くサポート
     するツールとして、ご愛用いただければと思います。

                                (小森)

     ◆『昆虫レファレンス事典』 2005.5刊
      定価45,150円(本体43,000円) A5・1480p ISBN4-8169-1921-X
     ◆『魚類レファレンス事典』 2004.12刊
      定価45,150円(本体43,000円) A5・1340p ISBN4-8169-1879-5
     ◆『動物レファレンス事典』 2004.6刊
      定価45,150円(本体43,000円) A5・920p  ISBN4-8169-1848-5
     ◆『植物レファレンス事典』 2004.1刊
      定価40,950円(本体39,000円) A5・1370p ISBN4-8169-1821-3

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                          -統計図表の探し方-
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     この4月に刊行したばかりの『白書統計索引2004』は、昨年刊行され
     た白書類90種91冊に収載された表やグラフなどの統計資料14,000点以
     上をキーワードから検索でき、掲載されている白書名とその掲載頁が
     一目でわかるレファレンスツールです。

     論文・レポート作成に欠かせないのが、論拠となる数値が掲載された
     統計図表の引用でしょう。
     例えば、大阪のある河川がどれぐらい汚れているのかを知るために、
     水の汚濁指標であるBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸
     素要求量)を河川別に比較できる統計図表を探そうとすると、環境省
     が刊行している『環境白書 平成16年度版』を繰ってみても、出てき
     ません。

     そこで本書の“BOD”という項目名を引いてみると、そのような統計図
     表は『環境白書』ではなく、

     『大阪府環境白書 平成16年度版』p24 図-33
      ◇府内主要河川におけるBOD(年平均値)の推移

     『国土交通白書 平成16年度版』p253 図表II-8-5-3
      ◇主要都市河川代表地点におけるBOD75%値の経年変化

     などがふさわしい資料のようだ、と当たりをつけることができます。

     しかしながら、“BOD”あるいは“生物化学的酸素要求量”といった
     専門用語が思いつかず、"水質汚濁"という項目名から探した場合には、
     上記の統計図表にはたどり着けません。

     いくつかの項目名には「を見よ」参照、「をも見よ」参照がつけられ
     てはいますが、“介護サービス”と“居宅介護サービス”や、“紙・
     パルプ”と“パルプ・紙・紙加工品工業”など、参照がつけられてい
     ない項目名も多いため、掲載データをフル活用するには不便な点も否
     めません。本書は相互参照を更に充実させていくことで、より使いや
     すいツールになるのではと思います。
                                (袴田)

    ◆『白書統計索引2004』 2005.4刊
      定価26,250円(本体25,000円) A5・710p ISBN4-8169-1908-2

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                         -文学ファンを支援する
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     『年譜集成1 現代の作家』は日外アソシエーツから3月に発売された、
     現代作家の年譜資料集です。

     ある作家について深く知ろうとするとき、“年譜”は非常に有用な
     資料になります。
     その作家の思想をはぐくんだ生い立ちや出来事を年代順に捉えること
     で、作品をより立体的に捉えることができるようになるからです。

     病気を乗り越えることで珠玉の作品を生み出した三浦綾子、敗戦に
     より作家への志を立てた司馬遼太郎、様々な職業を転々とした安部
     公房など、人生体験が作家の作風に大きな影響を与えたということ
     を知識として知ってはいても、年譜を見ることでそれを改めて実感
     します。

     たとえば三浦綾子の場合、15歳でリウマチ、24歳に肺浸透潤、30歳
     の時脊椎カリエス、70歳でパーキンソン病と診断されています。
     彼女はそれらの病を通して信仰を深め、生涯の伴侶と出会い、作家
     への道にたどり着いています。
     それは自伝小説「道ありき」で明らかでしたが、病気が折り重なる
     ように併発していく様子を年譜で見、またそれを糧にして創作活動
     を進めているのを知り、畏敬の念を新たにしました。

     彼女のほかにも20代で病を得た作家は坂口安吾、藤沢周平、開高健、
     吉行淳之介と数知れません。
     作家に限ったことではないのでしょうが、病とは失うばかりでなく、
     思想を深化させるものであるのかもしれません。

     また、年譜が複数収録されていることで、同じ年齢を横軸で眺める
     こともできます。
     私は現在28歳ですが、そのころの作家たちはというと、松本清張は
     自営の道を歩み始め、向田邦子は勤務先の経営危機により転職、安
     部公房は困窮の中で工場街のサークル組織に奔走、石川淳にいたっ
     ては浮浪的な生活をしておりました。

     自分と引き比べるのは僭越の極みですが、後の大作家が自分と同じ年
     の頃、人生に迷い、道を見失っていたのを知り、親近感すら湧いてき
     ます。

     以上、簡単に内容を紹介しましたが、レファレンス業務で使用するこ
     とはもちろん、作家の特設コーナーを設けるときなどに威力を発揮す
     ると思います。

     そうでなくても、文学好きの人にとってはつらつらと眺めるだけで
     楽しめること請け合いです。

                                (原沢)

     ◆『年譜集成1 現代の作家』 2005.3刊
      定価16,800円(本体16,000円) A5・600p ISBN4-8169-1890-6

    拍手[0回]

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     <特集>日外アソシエーツ 新刊を斬る!
                   ―用語データベースへの挑戦
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     今回は一寸趣向を変えて、小社の新刊の中から選んだ1冊をたっぷり
     とご紹介しましょう。題材はこの3月刊行の『人文社会37万語英和対訳
     大辞典』(定価33,600円)です。

     小社が掲げる積年のテーマの一つに巨大な用語データベースの構築が
     あります。科学技術系の分野別『CD-専門用語対訳集』やその集大成
    『CD-180万語対訳大辞典』をご存じでしょうか。既に電子出版として
     多彩にシリーズ展開し、実務翻訳者や研究者の間で大変ご好評いただ
     いております。書籍版としては、2001年9月、本書と対を成す『科学
     技術45万語英和対訳大辞典』を刊行していますが、このように人文社
     会系の専門用語を幅広く収録し再排列した対訳辞典は、恐らく本邦初
     でしょう。ビジネス・経済・政治・法律・社会・教育・美術・歴史・
     文化・宗教・文学など多岐に渡る用語を網羅し、人文社会系の訳語探
     しならば、この1冊でほぼ事足ります。

     というわけで、ツラツラと本文を眺めてみましょう。まずはお馴染み
     の単語を『人文社会37万語』と『科学技術45万語』で引き比べてみま
     した。使用分野によって随分と訳語が変わることがわかりますね。

    《人文社会37万語より抜粋》
     column:
      円柱[社会][美術]
      囲み記事[文化]
      コラム[ビジネス]
      支柱(平床カメラ・引伸機などの)〈58学術・図書館〉
      縦隊[ビジネス]
      縦欄[ビジネス]
      縦行(印刷の)[ビジネス]
      縦列〈97学術・言語〉
      段[ビジネス][文化]
      段コラム(新聞紙面の)[ビジネス]
      特別寄稿欄[ビジネス]
      柱[政治]〈84Z0110・ラック〉〈98Z0110・ラック〉
      欄〈58学術・図書館〉〈97学術・図書館〉
      列[経済]〈97学術・言語〉

    《科学技術45万語より抜粋》
     column:
      円柱[機械]
      柄(無脊つい動物)[地球]
      カラム[基礎]
      位[基礎]
      けた[電情]
      桁[基礎]
      コラム[基礎]
      支柱[航宇]
      水柱[基礎]
      ずい柱[医生]
      柱[医生]
      塔[化学]
      分離管[化学]
      ポスト形[機械]〈93B0136:クレーン用語―性能・構造〉
      文字位置[電情]
      欄[電情]〈00確X0702:ドキュメンテーション用語(文献)〉


    「人文社会」という大きなキーワードを冠する本書ですが、実は「ビジ
     ネス」「経済」「政治」用語がその半数以上を占めています。すなわ
     ち、かなりビジネスの実務(翻訳)で使える内容と言えるでしょう。

     contract bond:
      請負契約保証書[ビジネス]
      契約違反による損害を保証する債務証書[法律]
      契約保証[経済]
      契約保証金[経済]
      建設請負保証[経済]
      コントラクトボンド[ビジネス]

     net price:
      卸値〈58学術・図書館〉
      純売価[経済]
      正札[ビジネス]
      正札値段[経済]
      正味価格[経済][法律]
      正味代金[ビジネス]
      正価[ビジネス][経済]
      裸値段[経済][法律]

     sliding scale tariff:
      滑準税[経済]
      伸縮関税[経済]
      スライド関税[ビジネス]


     人文社会系ですので、勿論、図書館でお馴染みの各種用語もばっちり
     カバーしています。そう言えば、かつてレファレンスクラブ掲示板に
    「ready reference というのは日本語でどう訳されているのでしょう
     か?」といった質問がありましたが、本書を開けば「学術用語」で
    「即時参考」と訳されることがわかります。

     filing word:
      繰込語〈58学術・図書館〉
      見出し語(カード排列の)〈58学術・図書館〉

     lending department:
      館外貸出部(係)〈58学術・図書館〉

     library service for whole community:
      全域サービス〈97学術・図書館〉

     library skill:
      図書館利用能力〈97学術・図書館〉

     ready reference:
      即時参考〈58学術・図書館〉

     subject retrieval:
      主題検索〈97学術・図書館〉


     本書には所謂、語義や解説、用例などは付きませんが、特殊かつ難解
     な用語の多い人文社会系の英文を読解し精確に翻訳するには必要不可
     欠なツールと言えます。JIS用語や学術用語も収録してあり、典拠とし
     ても信頼性十分です。ビジネス支援を謳った公共図書館や大学の法経
     学部図書館(図書室)、海外事業部を持った企業や専門図書館などに
     特にお薦めしたい辞典です。

     「こんな用語は収録されているか」「内容見本が見たい」などの
     ご要望がございましたら、お気軽に事務局までお申し付けください。

                                  (竹)


     ◆人文社会37万語英和対訳大辞典 2005.3刊
      定価33,600円(本体32,000円) B5・1,750p ISBN4-8169-1902-3

     ◆人文社会37万語和英対訳大辞典 2005.5刊<予定>
      予価33,600円(本体32,000円) B5・2,200p ISBN4-8169-1903-1

     ◆科学技術45万語英和対訳大辞典 2001.9刊
      定価33,600円(本体32,000円) B5・2,170p ISBN4-8169-1682-2

     ◆科学技術45万語和英対訳大辞典 2001.10刊
      定価33,600円(本体32,000円) B5・2,180p ISBN4-8169-1688-1

    拍手[0回]

    前のページ HOME
    Copyright © レファレンスクラブ 「レファクラ通信」ブログ All Rights Reserved
    Powered by ニンジャブログ  Designed by ピンキー・ローン・ピッグ
    忍者ブログ / [PR]